アイコン 清水建設 23年3月期決算 増収増益だが・・・


同社は当期について、日本経済は新型コロナウイルス感染症の流行に対する各種制限が段階的に緩和される中、社会経済活動は正常化に向けた動きが見られたが、ウクライナ危機の長期化や円安の進行、それらに伴うエネルギー資源、食料の世界的な供給制約と価格上昇が企業活動と国民生活に広く影響を及ぼした。
建設業界においては、民間設備投資に持ち直しの動きが見られたものの、建設資材の価格高騰などの影響があり、厳しい経営環境が続きました。
このような状況のもと、当社グループの売上高は、手持ちの大型工事が順調に進捗したことによる当社の完成工事高の増加などから、前期に比べ30.4%増加し1兆9,338億円となったとしている。
実際は、大型工事の進捗増もあるが、日本道路(売上高:1553億円/23年3月期)を連結化したことによる売上増も大きく貢献している。

 

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また、資源高や超円安は米バイデン政権の景気回復中であったにもかかわらず2021年に新コロナ経済対策として大統領就任祝いに1.9兆ドルの政府投資を行ったことによるものであり、ウクライナ侵攻前の22年2月にはすでに米国では7.9%という高いインフレ率に至っていた。そのインフレ退治に金利を急激に引き上げ超円安に至ったもの。原油価格高騰にしても世界一の原油生産国の米国ではほとんど増産せず(現在でも19年12月当時の原油生産量にも至っていない)、バイデン政権は原油高を放置し、ロシアの責任に、増産しないOPEC+の責任に摩り替え、茶番を演じている。

追、スーパーゼネコンはいつものお話し合いをしたようで、これまでのセグメント別であったある土木事業と建築事業を統合して建設事業にまとめている。
巨額すぎ、また事業内容も大別されることから、何でまとめたのかわからない。不正や国内官庁土木の高い利益率を隠蔽するためか、姑息過ぎる。これではセグメントで分ける必要もないだろう。


スクロール→

1803 清水建設 23年3月期 日本基準

連結/百万円

売上収益

営業利益

同利率

経常利益

株主利益

19/3

1,664,960

129,724

7.8%

133,957

99,668

20/3

1,698,292

133,894

7.9%

137,986

98,977

21/3

1,456,473

100,151

6.9%

105,465

77,176

22/3

1,482,961

45,145

3.0%

50,419

47,761

23/3

1,933,814

54,647

2.8%

56,546

49,057

 前期比

30.4%

21.0%

 

12.2%

2.7%

24/3

1,945,000

57,500

3.0%

54,000

50,000

24/23

0.6%

5.2%

 

-4.5%

1.9%

 

 2023/3期 セグメント別 単体=本体のみ

 

売上高

粗利益

/億円

売上高

前期比

粗利益

前期比

利益率

国内土木

1,960

-2.2%

230

-24.4%

11.7%

海外土木

424

56.9%

30

-1.2%

7.1%

国内建築

11,428

26.1%

508

9.7%

4.4%

海外建築

467

56.9%

-22

-198

-

14,281

22.7%

746

24.5%

5.2%

開発事業

1,292

22.7%

353

-29.3%

27.3%

合計

15,573

21.0%

1,100

0.0%

7.1%

※粗利益=売上総利益は販管費を差し引いた営業利益とは大きく異なる。

 

↓清水建設が連結子会社化した日本道路の業績推移

1884 日本道路 23年3月期 日本基準

連結/百万円

売上収益

営業利益

同利率

経常利益

株主利益

21/3

157,796

10,776

6.8%

11,293

7,598

22/3

156,379

8,202

5.2%

8,582

5,667

23/3

155,353

5,695

3.7%

5,920

5,704

 前期比

-0.7%

-30.6%

 

-31.0%

0.7%

24/3

164,000

10,000

6.1%

10,100

6,500

24/23

5.6%

75.6%

 

70.6%

14.0%

※原油価格の高騰はアスファルト原料価格に大きく影響している。その原油価格は露制裁直前の80ドル台より、現行70ドル台まで下がっている(1912月は5861ドルだった/WTI価格)。日本価格は黒田円安分が上乗せられる。 売上高の2割は製品外販。

 

↓清水建設(単体)の受注状況

やっと海外増加、海外工事で利益を出させるかは経営者の問題。赤字だったらしないほうがまし。株式会社は慈善事業者ではない。

清水建設

受注状況 2023年3月期 単体

/百万円

23/3

22/3

前期比

土木官庁

91,631

96,459

-5.0%

土木民間

103,889

119,882

-13.3%

国内土木計

195,520

216,341

-9.6%

海外土木

63,070

57,378

9.9%

↑土木計

258,590

273,719

-5.5%

建築官庁

78,739

79,585

-1.1%

建築民間

1,022,398

1,043,927

-2.1%

国内建築計

1,101,137

1,123,512

-2.0%

海外建築

41,550

22,829

82.0%

↑建築計

1,142,687

1,146,341

-0.3%

国内官庁

170,370

176,044

-3.2%

国内民間

1,126,287

1,163,809

-3.2%

国内計

1,296,657

1,339,853

-3.2%

海外工事

104,620

80,207

30.4%

受注計

1,401,277

1,420,060

-1.3%

不動産開発等

114,608

123,399

-7.1%

受注合計

1,515,885

1,543,459

-1.8%

 

繰越残=受注残 20233月末現在 単体

/百万円

23/3

22/3

前期比

土木官庁

228,499

252,153

-9.4%

土木民間

209,243

186,122

12.4%

 国内土木計

437,742

438,275

-0.1%

海外土木

161,270

140,689

14.6%

土木計

599,012

578,964

3.5%

建築官庁

140,328

177,842

-21.1%

建築民間

1,252,905

1,257,094

-0.3%

 国内建築計

1,393,233

1,434,936

-2.9%

海外建築

80,507

85,679

-6.0%

建築計

1,473,740

1,520,615

-3.1%

国内官庁

368,827

429,995

-14.2%

国内民間

1,462,148

1,443,216

1.3%

国内計

1,830,975

1,873,211

-2.3%

海外工事

241,777

226,368

6.8%

受注残計

2,072,752

2,099,579

-1.3%

不動産開発等

78,610

93,221

-15.7%

受注残合計

2,151,362

2,192,800

-1.9%

 

[ 2023年5月12日 ]

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