JSファンダリが破産 "日本版ファウンドリ"構想、わずか3年で頓挫──地元・新潟に衝撃
半導体の国産化を掲げて2022年に設立された株式会社JSファンダリ(東京都港区)が、7月14日付で東京地方裁判所に破産を申請し、破産開始決定を受けた。負債総額は約161億円にのぼる。国内初の独立系ファウンドリとして期待された同社の経営破綻は、産業界と地域社会に大きな波紋を広げている。
■ 半導体国産化の象徴企業、採算確立できず
JSファンダリは、米オン・セミコンダクター新潟の工場跡を活用し、新潟県小千谷市にてパワー半導体ウエハーの製造を手がけていた。設立当初は複数のファンドが出資し、国産ファウンドリの先駆けとして注目を集めていたが、事業スタートから採算性には不安がつきまとっていた。
2023年12月期には13億7,200万円の最終赤字を計上。海外企業との資本提携も模索したが、交渉はまとまらず、資金繰りに行き詰まった。
■ 地域に深刻な余波 500人超の雇用が一斉に喪失
小千谷市の新潟工場では、かつて三洋電機の拠点だった設備を再活用し、地元で500人超を雇用。県も約3億1,000万円の補助金を交付し、地域経済再生の象徴とされていた。だが、今回の破産で全従業員が即日解雇となり、地域には衝撃が走った。
地元金融機関の大光銀行は、影響を受けた事業者や個人向けに融資相談窓口を15日付で設置。地元支援の体制を急ピッチで整えている。
■ 半導体戦略の現実 「国産化」だけでは生き残れない
JSファンダリの破綻は、国家戦略として進む「半導体の国内回帰」の難しさを浮き彫りにした。TSMC熊本工場やRapidusなどの巨額プロジェクトが注目される一方で、ベンチャー的なスタートアップが長期的な資金・顧客基盤を確保する難しさが露呈した。
業界関係者からは、「資本力や技術力だけでなく、継続的な支援と市場との接続がなければ、競争には耐えられない」といった声も上がっている。
■ 教訓とすべき“拙速な支援”のリスク
今回の事例は、補助金行政や地域再生策のあり方にも再考を促すものだ。短期間での撤退に対して公的支援が十分な効果を発揮できなかったこと、民間主導の大型プロジェクトに対する検証体制の甘さなど、制度的課題も多い。
日本の半導体復興には、短期的な成功を急ぐのではなく、持続可能で地に足のついた支援と戦略が必要だ。JSファンダリの破綻は、そのことを痛感させる象徴的な事例となった。
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