BYDの第3四半期の販売台数▲1.8%減の115万台
BYDの販売が低迷している。
過激な国内の低価格販売競争から、他社の巻き返しの攻勢にBYDは苦戦を強いられ、第3四半期は前年同期比▲1.8%減の115万台とマイナスとなった。
競合の吉利が96%増、長安が84%増と大幅に販売台数を伸ばす中、際立った減少となっている。
ただ、低価格競争はBYDがもともと仕掛けたもの、追随した大手が巻き返しの低価格を提示し、販売台数を伸ばしているもの。政府はそうした低価格競争が品質低下に結びつかないか、注意喚起に乗り出し、低価格競争をけん制している。
BYDの昨年第3四半期の粗利益率は21.9%、今年は17.6%と▲4ポイント下げている。ただ、第2四半期の16.3%からは少し改善しており、低価格競争に一定の歯止めがかかったと見られている。
BYDの今年の第3四半期の売上高は▲3.0%減の1,949.8億元、純利益は▲33.0%減の78.2億元となっている。減収・減益は22四半期ぶりとなっている。
第2四半期の売上高は14%増の2,009億元、純利益は▲29.9%減の64億元だった。
BYDは今年550万台の販売計画を立てていたが、1~7月までの7ヶ月間累計では249万台にとどまっており、その数値も危ういかもしれない。
BYDは国内で総販売台数の8割を、2割を海外で販売している。
今年6月には中国工場で減産し、生産能力拡大を延期したと報じられていた。
BYDはバッテリーの大手でもあり、独自のPHVなど技術開発力もあり、価格競争には長けていると見られるが、競争により利益を大きく落としていることだけは間違いない。
BYDは欧州攻略が欧州関税爆弾に頓挫、欧州工場の建設に入っており、完成するまでは欧州で規制対象ではないPHVやHVで巻き返し図るとともに、アジア攻略を進め、各地に工場も建設している。日本市場では確かに現代自動車より売れている。





