法人税は過去最高でも「企業格差」は拡大中:日本経済の二つの顔
法人税の申告所得や税額が過去最高を更新した。数字だけ見れば「企業は絶好調」と映るが、実態はそこまで単純ではない。国税庁が公表した法人税事績には、日本経済の“光と影”がくっきりと刻まれている。
申告所得は102兆円超と過去最大。物価高を背景に販売単価を引き上げた企業や、コスト削減を進めて収益を確保した大企業がこの数字を押し上げた。一方で黒字企業の割合が36%台に増えた裏側で、赤字企業の欠損金額は17兆円台へ膨張。1件あたりの赤字幅も広がり、企業間の収益格差はむしろ深刻化している。
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とくにエネルギー価格や人件費の上昇が響きやすい中小企業では、コスト増を転嫁できず、円安と金利上昇の板挟みで体力を削られる構図が続く。
また電子申告の普及率は9割近くまで上昇し、税務のデジタル化は急速に進む。しかし、会計システムの導入費用や人材不足に悩む企業にとっては、新たな負担にもなり得る。行政のデジタル化が進むほど、ITに対応できる企業とできない企業の格差が経営リスクとして拡大していく。
今回の事績は“回復の実感”を支えるデータである一方、同時に構造的な格差が広がっている現実も示している。
好調な企業がある一方で、赤字幅が広がる企業も増えている―。
日本経済の足元は、強さと脆さが同居する不安定なバランスの上にある。
[ 2025年11月19日 ]
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