ガイナックス、42年の歴史に幕/名門スタジオの終焉が映し出した「信頼の崩壊」
アニメ制作会社ガイナックスの法人消滅が官報で確認され、その42年弱に及ぶ歴史が正式に幕を閉じた。『新世紀エヴァンゲリオン』をはじめ、数多くの個性的な作品を世に送り出した名門スタジオの終焉は、業界内外に大きな衝撃を与えている。
https://www.khara.co.jp/2025/12/11/251211/
今回公表された関係者の声明から見えるのは、長年表に出なかった内部の混乱と、経営陣による不透明な対応だ。旧経営陣のもとでは、正当性を欠く権利移譲や資料の取り扱いが行われていたとされ、これに対して関係会社は民事訴訟を提起。2023年には原告側の主張を認める形で和解に至った。
声明でとりわけ重く響くのは、創業期から関わる人物が「怒りを通り越して悲しくなった」と明かした一節だ。かつての仲間と信頼を寄せ合って築いたはずのスタジオが、虚偽対応や不誠実な言動によって内部から崩れていった——その現実は、単なる経営破綻ではなく、人間関係の決定的な断絶を示している。
一方で、2019年以降の再建・整理過程では、関係企業が無償で6年近く尽力し、作品の権利や制作資料をクリエイターへ正当な形で戻すことができたという。これはせめてもの救いだろう。最後の経営陣が責任を担い、資料散逸の防止と債権者対応を最後まで続けたことで、歴史あるブランドの幕引きとして最低限の筋は通された。
ガイナックスが残した作品群は今後も語り継がれる。しかし、その終わり方は、創作の現場であっても「透明性」と「信義」が欠ければ組織は簡単に崩れるという厳しい教訓を突きつけている。名門の消滅は、アニメ業界にとっても深い問いを残したままだ。





