松野町だけではない? 地方の財政調整基金"枯渇リスク"が全国に拡大する可能性
愛媛県松野町が、財政調整基金の急速な減少により、早ければ2027年度に予算編成が困難になる可能性が指摘されている。人口約3400人という小規模自治体で基金の取り崩しが常態化し、数年内の底つきが現実味を帯びてきたことは、地方財政が抱える深い構造問題を象徴している。
では、同じ状況に陥る自治体は他にもあり得るのか。
結論から言えば、「十分に起こり得る」。むしろ松野町はその先駆けに過ぎず、類似の危機は全国の小規模自治体に波及するリスクが高い。
■ 固定費が減らない自治体は、人口減に耐えられない
人口が減れば税収も減る。しかし、行政サービスの最低ラインは維持しなければならず、職員給与や公共施設の維持費など“固定費”は大きくは減らない。この構造が続く限り、住民数の少ない自治体ほど財政調整基金への依存度が高くなり、枯渇リスクも大きくなる。
特に山間部・離島などの自治体では、住民一人あたりのコストが相対的に高くなりやすく、松野町のように数年で基金が急減するケースは十分起こり得る。
■ ふるさと納税格差が財政悪化に拍車
松野町のふるさと納税は昨年度約1300万円で県内最少。ふるさと納税は小規模自治体にとって貴重な自主財源だが、認知度や返礼品競争などの差が広がり、財源格差を生んでいる。
寄付を集められない自治体ほど “基金頼み” になる構図は、他地域でも同様に見られる。寄付額が伸びない自治体は、その分だけ財政悪化の進行が早い。
■ 西予市に続き、財政再建プランが“連鎖”する可能性も
すでに愛媛県の西予市は財政調整基金の枯渇に近づき、財政再建プランの策定に踏み切った。松野町も再建プランを準備しており、今後は他自治体でも同様の動きが出てくる可能性がある。
小規模自治体の多くは、人口減・インフラ維持・医療や福祉の負担増という三重苦を抱えており、「基金が枯れるまで持ちこたえる」構図になりやすい。
■ “松野町ショック” は地方財政の転換点か
松野町の危機は、単なる一自治体の問題ではなく、これまで先送りされてきた地方の財政構造の限界を突きつけている。
今後は以下のような議論が全国で避けられないだろう。
* 自治体の統廃合の再検討
* インフラ維持の効率化
* 行政サービス水準の見直し
* 国による財政支援の在り方
「財政調整基金の急減」という現象は、今後さらに多くの自治体で表面化する可能性が高い。松野町の事例は、地方財政の危機が本格化する“予兆”として全国の自治体が注視すべき局面に来ていると言える。





