アイコン ポーラ・オルビスホールディングス、160人の希望退職へ "売上横ばい・増益"決算の裏で進む大再編


化粧品大手のポーラ・オルビスホールディングスが発表した2025年12月期決算は、売上高が前期比0.0%と横ばいだった一方で、営業利益は13.6%増と大幅な伸びを示した。数字だけを見れば堅調だが、その裏側では基幹ブランドにおける160人規模の希望退職募集という、大規模な構造改革が進んでいる。

今回の決算の本質は、「規模の拡大」から「収益性の最大化」への明確な転換にある。

 

■ 売上横ばいでも増益 “量より質”へのシフト

主力のポーラは、二次流通向け出荷の抑制を実施。短期的な売上を犠牲にしてでもブランド価値の毀損を防ぐ戦略を優先した。安売りチャネルを絞ることで価格統制を強め、長期的な収益基盤を守る狙いだ。

一方、オルビスは、広告依存型の新規獲得モデルから、既存顧客の継続利用を軸とした高LTVモデルへ移行。高単価スキンケアの定着により、利益率の改善が進んでいる。

「売れない」のではなく、「利益の出ない売り方をやめた」。今回の増益は、コスト削減というより、ポートフォリオの再設計の成果といえる。

 

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■ 中国依存からの脱却 損切りも断行

中国市場の減速も重い課題だ。オルビスは中国法人を清算。赤字事業の切り離しという明確な損切りを選択した。これまで日本の化粧品各社の成長エンジンだった中国依存からの転換が進んでいる。

グループ傘下のジュリークでは組織改革を実施。豪州やアジアなど、中国以外の地域での成長を模索する。特定市場への依存度を下げる「分散型グローバル戦略」への再編が急務となっている。

 

■ ポーラで160人の希望退職 構造改革の本丸

注目を集めているのが、ポーラにおける160人規模の希望退職募集だ。約14億円の特別損失を計上する見込みだが、これは単なるコスト削減ではない。

化粧品業界は、訪問販売・百貨店中心モデルから、EC、デジタル、美容医療との融合へと急速に構造変化している。従来型の営業体制では競争優位を維持できないとの判断が背景にある。

同社はAIカメラや美容医療専売コスメといった新領域への展開も進めており、人員構成の最適化は「次の成長領域に合わせた組織再設計」と位置付けられる。

 

■ 2026年は“筋肉質経営”の真価が問われる

2026年12月期は、リストラ費用の影響で純利益は微減見通しだが、営業利益はさらに10%超の増加を見込む。無駄を削ぎ落としたポーラ、収益柱に育ったオルビス、そして美容医療などの新分野。この三本柱で、持続可能な利益体質を築けるかが焦点となる。

今回の希望退職は後退ではなく、「規模より質」を選んだ決断と見るべきだろう。
ポーラ・オルビスHDは、従来の化粧品メーカーから、“美とウェルビーイングのソリューション企業”への転換を急いでいる。2026年は、その真価が市場で試される年になる。

 

[ 2026年2月16日 ]
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