アイコン ストライキに株価最安値... ユービーアイソフトが直面する経営危機の全貌


フランスの大手ゲーム会社ユービーアイソフト が、経営体制の大きな転換点に立たされている。人員削減策を巡る労使対立、主力級タイトルの開発中止、有力IPの先行き不透明感、そして株価の歴史的低迷が同時進行しており、同社の経営危機は一段と鮮明になってきた。

焦点の一つが、フランス本社で導入が進む「Rupture Conventionnelle Collective(RCC)」だ。これは会社と従業員の合意による集団的な任意退職制度だが、労働組合側は「実質的なリストラ」と強く反発している。加えて、週5日出社を求める方針への不満も重なり、2026年1月22日にはパリで半日のストライキが実施された。創作性を重んじるゲーム開発職で大規模な抗議行動が起きるのは、フランスでも異例とされる。

 

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経営の迷走を象徴するのが、『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂』リメイクの開発中止だ。2021年の発表以降、スタジオ変更や再設計を繰り返し、5年以上にわたる開発の末に断念が正式決定された。ユービーアイソフトは「責任を持って継続できる投資水準を超えた」と説明しており、長期開発型タイトルのリスクが経営を圧迫した格好だ。同時に複数の未発表タイトルも中止され、今後は『アサシン クリード』や『レインボーシックス』など、実績のある定番シリーズへの集中を強める方針が浮き彫りとなっている。

こうした中で、『ウォッチドッグス』シリーズの行方にも注目が集まっている。直近作の販売が目標に届かなかったことに加え、社内再編で設置された「Creative Houses」と呼ばれる専門部門の中に、同シリーズを明確に担当する組織が見当たらない点が、IP縮小・凍結の観測を呼んでいる。ただし、公式にシリーズ終了が発表された事実はなく、現時点では不透明とするほかない。

市場の評価も厳しい。2026年に入り同社株価は4ユーロ台まで下落し、過去10年以上で最低水準となった。時価総額はかつての100億ユーロ規模から大幅に縮小し、以前から噂されてきた テンセント による買収や、創業家による非公開化といった選択肢が再び現実味を帯びている。

総じて現在のユービーアイソフトは、「幅広く開発する大手」から「確実に収益を生むシリーズに絞る企業」へと、痛みを伴う転換を迫られている段階にある。労使関係の緊張を抱えたまま進む再編が、主力IPの競争力回復につながるのか。それとも、長期的なブランド価値を損なう結果となるのか。同社の選択は、世界のゲーム業界全体にとっても重要な試金石となりそうだ。

 

 

[ 2026年1月27日 ]
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