日経平均7万円割れ、AI株集中相場に利益確定の波
急速に上昇してきた東京株式市場に、いったん冷や水が浴びせられた。日経平均株価は前日比2565円安の6万9788円で取引を終え、7万円の大台を割り込んだ。前日まで8営業日連続で値上がりしていただけに、市場では短期的な過熱感が強く意識された。
売りの中心となったのは、このところ相場を押し上げてきたAI・半導体関連株だった。ソフトバンクグループやキオクシアホールディングスなど、成長期待を背景に買われてきた銘柄に利益確定の売りが広がり、指数全体を押し下げた。朝方から始まった売りは午後に入っても収まらず、下げ幅は一段と拡大した。
今回の下落は、AI関連の成長期待が消えたことを意味するわけではない。生成AIや半導体需要への期待はなお強く、日本企業にも関連投資の恩恵が及ぶとの見方は残る。ただ、株価が先行して上がり過ぎれば、投資家は一度立ち止まる。業績が期待に見合うのか、金利や為替の変動に耐えられるのかを見極める局面に入ったといえる。
日経平均の上昇は、AIや半導体といった一部銘柄への資金集中に支えられてきた面が大きい。そのため、主力株に売りが出ると、指数の振れ幅も大きくなる。市場関係者からは、AI関連株への資金集中が一服し、幅広い業種へ資金を分散する動きが出始めているとの声も聞かれる。
株価の上昇は企業心理を明るくする一方で、家計や中小企業の実感とは必ずしも重ならない。円安や資材高、人件費上昇が続くなか、食品や燃料、建設資材などの価格負担はなお重い。株高が一部の成長銘柄に偏るほど、暮らしとの温度差は広がりやすい。
7万円割れは、日本株の上昇基調が直ちに崩れたことを示すものではない。むしろ、熱を帯びた相場が冷静さを取り戻す過程ともいえる。ただ、AI株に頼った上昇相場のもろさも浮き彫りになった。今後は、期待先行の買いだけでなく、企業業績の裏付けや資金の広がりが問われる展開となりそうだ。





