アイコン 大村市新庁舎大林組・西海建設・高瀬建設JVに、なかなか香ばしい向かい風が吹いている。


大村市新庁舎

大村市新庁舎建設工事をめぐり、もっとも注目されているJVの一つが、大林組・西海建設・高瀬建設JVである。
鹿島建設と並ぶ国内最強クラスのスーパーゼネコンが大林組である。
技術力、実績、施工能力。
どれを取っても、地方自治体の大型庁舎建設では「本命」と見られても不思議ではない。
ところが、その大林組に、ここへ来て少々よろしくない材料が出てきた。
岐阜県は、令和8年5月21日付で、大林組に対する入札参加資格停止措置を公表している。岐阜県の一覧でも、大林組の停止期間は令和8年5月22日から令和8年7月21日までと明記されている。

 

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大林組

理由は軽くない。
東海旅客鉄道株式会社が発注した「中央新幹線第四南巨摩トンネル新設(東工区)ほか」において、令和6年10月4日に発生した労働災害をめぐり、大林組と同社社員が、所轄の労働基準監督署に対し、事実と異なる説明を行っていたというもの。
その結果、大林組及び社員2名は、令和8年3月24日、鰍沢簡易裁判所から、労働安全衛生法違反により罰金刑の略式命令を受けた。
岐阜県はこれを受け、「岐阜県建設工事請負契約に係る入札参加資格停止等措置要領」に基づき、入札参加資格停止措置を講じた。県の発表ページでも、同要領の第2第1項及び別表第2の規定に基づく措置であることが示されている。
ここで大事なのは、単なる労災ではないという点である。
建設現場で事故が起きること自体は、もちろん望ましいことではないが、大規模工事である以上、ゼロリスクはあり得ない。
問題はその後である。
新庁舎は、大村市民の税金で建てる巨大公共事業である。
何十年も使う市民の城である。
その代表構成員になろうとする企業に、直近で入札参加資格停止が出ている。
しかも、理由は労働災害後の説明をめぐる労働安全衛生法違反である。
これは、スルーできる話ではない。
大林組ほどの大企業であれば、当然、優秀な技術者も、豊富な施工実績も、立派なパンフレットもあるだろう。
だが、公共工事で最後に問われるのは、カタログの厚さではない。
信用である。
安全を守る信用。
事故後に正直に説明する信用。
行政に対して誠実に報告する信用。
そして、市民の税金を預かるにふさわしい信用である。
大村市新庁舎入札は、単なる価格競争ではない。
どの企業が代表になり、どの地元業者が組み込まれ、どのような力学でJVが組まれるのか。
そこにこそ、市民の目が必要である。
大林組・西海建設・高瀬建設JV。
名前だけ見れば、たしかに強い。
だが、強いからこそ問われる。
その強さは、市民に対して誠実な強さなのか。
それとも、都合の悪いことはトンネルの奥にしまい込む強さなのか。
大村市は、この入札参加停止の事実について、確認し、評価し、必要なら説明すべきである。
新庁舎の入札は、建物を選ぶだけではない。
市民の前で、行政の姿勢そのものが試されている。

JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次

[ 2026年6月25日 ]
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