アイコン 外食、売上堅調も採算に濃淡 低価格業態がけん引、米高・人件費が重荷


2026年上半期の飲食業界は、外食需要の底堅さが続く一方、原材料高、人件費上昇、節約志向が収益を圧迫する展開となった。日本フードサービス協会の月次統計は現時点で4月分までの公表にとどまるが、外食全体の売上は1月が前年比108.5%、2月106.6%、3月105.7%、4月108.0%と、いずれも前年を上回った。売上面では回復基調が続くものの、客単価上昇に支えられた面も大きく、業界内では「増収でも利益が残りにくい」との見方が強まっている。

けん引役となったのはファストフードや低価格帯のファミリーレストランである。4月のファストフード業態は前年比109.6%、ファミリーレストランは106.5%と堅調に推移した。期間限定商品、値引きキャンペーン、キャラクター企画などが集客を下支えし、物価高のなかでも「手頃感」を打ち出せる業態に消費が流れた。一方、持ち帰り米飯・回転寿司は4月に99.6%と前年を下回り、米飯系、寿司系では客数減や仕入れ高の影響が重くなっている。

 

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居酒屋・パブ業態は回復途上にある。新年会や歓送迎会、小グループ宴会は一定の需要を取り込んだが、大型宴会や法人需要の戻りにはばらつきが残る。4月のパブ・居酒屋業態は103.1%にとどまり、低価格ランチの導入やピーク前の団体予約受け入れなど、空席対策を進める動きが目立った。

コスト面では、米価格の高止まりが重荷となった。農林水産省によると、2026年4月の消費者物価指数は米類が204.1ポイント、パンが124.7ポイント、めん類が122.4ポイントとなっており、主食系メニューを扱う飲食店ほど価格転嫁の難しさに直面している。

人手不足もなお深刻である。帝国データバンクの4月調査では、非正社員の不足を感じる企業の割合は飲食店で59.1%となった。2024年4月の74.8%、2025年4月の65.3%からは低下したものの、依然として高水準にある。スポットワークや省人化の浸透で不足感はやや和らいだが、時給上昇や採用費の負担は中小店の採算を圧迫している。

倒産動向も厳しい。東京商工リサーチによると、2026年1月の飲食業倒産は92件で、1月としては1997年以降の30年間で最多となった。2月も83件と前年同月比33.8%増加し、小・零細規模の飲食業者が大半を占めた。食材費、水道光熱費、人件費の上昇を価格に十分転嫁できない事業者の息切れが表面化している。

総じて、2026年上半期の飲食業界は「売上は伸びるが、利益は削られる」局面にある。大手チェーンや低価格業態は集客力と仕入れ力を背景に需要を取り込む一方、個人店、夜型業態、米飯依存度の高い業態では、値上げによる客離れとコスト吸収の限界が経営課題となっている。今後は、単なる客数回復ではなく、価格設定、省人化、メニュー構成の見直しによって、いかに利益率を確保するかが業界の焦点となりそうだ。


飲食業ニュース

 

[ 2026年6月 3日 ]
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