長崎の海は誰のものか。

長崎県の海砂は誰のものか。有明商事、金栄丸(中村家)の物か、葵新建設、葵丸(出口家)の私物なのか、いや違う、長崎県の海砂は長崎県民の物だ。金栄丸、葵丸が完全私物化している「海砂採取」という名の既得権システムにメスを入れる。
長崎県の海は、一部の業者と一部の関係者だけの“私有地”ではない。
ところが、長崎県の海砂採取をめぐる制度を見ていくと、どうにも奇妙な臭いが漂ってくる。
平成2年7月10日に施行された「長崎県海砂採取要綱」は廃止され、平成16年9月17日、新たに「長崎県海砂採取事務取扱要領」が制定された。
普通なら、制度が新しくなるということは、より透明に、より公平に、より時代に合った仕組みへ改善されるものだと思うだろう。
ところが、である。
この新しい要領によって設けられた条件を一つ一つ見ていくと、まるで新規参入の扉に鍵を掛け、既存業者だけに合鍵を渡したような構造が浮かび上がる。
名付けるならば、「海砂採取・既得権保護パッケージ」である。

「協会員でなければ海砂は採れません」――これは行政か、会員制クラブか
まず問題なのは、採取資格である。
要領では、海砂採取を行う資格について、概ね次のような要件が設けられたとされる。
長崎県砂利協会の正会員であって、過去3年以内に長崎県内で海砂採取の実績を有する者、又は同協会の賛助会員である協同組合であること。
驚くべき条件である。
海砂採取を行いたい事業者が、技術力を備えているか。
安全管理能力があるか。
環境保全対策を講じられるか。
違反歴がないか。
本来、行政が審査すべきなのは、こうした客観的で合理的な能力のはずである。
ところが、ここで最初に立ちはだかるのは、「砂利協会の会員であるかどうか」
という条件だ。
なぜ、特定の業界団体に所属していることが、県の海で事業を行うための入口になるのか。
県民共有の海域を利用する事業でありながら、実質的には「まずは協会の内側に入ってください」という話になっている。
これでは、行政が公平に資格審査をするのではなく、既存の業界団体が新規参入の門番をしているようなものではないか。
当初、その正会員・賛助会員は限られた業者と協同組合で構成され、現在も参加主体は極めて限定的だとされる。
つまり、この条件の下では、制度の入口からして既存業者が圧倒的に有利なのである。
海砂は当たり前だが海の底にある。
しかし、採取資格はどうやら、最初から一部業者(有明商事・葵新建設)の懐の中に沈められていたようだ。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





