コメ高騰、米菓メーカーを直撃 岩塚製菓は増収でも営業赤字 原価10%増で吸収できず
「味しらべ」「岩塚の黒豆せんべい」などを展開する岩塚製菓で、コメ価格高騰によるコスト負担が鮮明になっている。
岩塚製菓が8月10日に発表した2027年3月期第1四半期(4~6月)決算は、売上高が前年同期比5.6%増の75億1900万円となった一方、営業損益は4000万円の赤字となった。前年同期は2億9300万円の営業黒字だった。経常利益も97.0%減の1100万円、最終利益は96.3%減の900万円まで落ち込んだ。
売上が伸びながら利益が急減した最大の要因が製造コストの上昇である。
同社の売上原価は前年同期の52億7000万円から58億2800万円へ約10.6%増加。売上高の伸び率5.6%を大きく上回った。この結果、売上総利益は18億5400万円から16億9000万円へ減少し、販売費・一般管理費の増加も重なって営業赤字に転落した。
岩塚製菓は全商品で国産米100%使用を経営方針としている。今期は、前年に高値で調達した原料米が使用原材料の主体となったほか、包装資材、人件費、物流費なども上昇し、製造原価を押し上げた。
同社は価格改定を進めるとともに、主力商品への生産集中や合理化設備の導入などで生産性向上を図った。「味しらべ」などの販売も好調で売上高は前年を上回ったが、会社側は原料米コストを中心とした製造原価の上昇を「吸収しきれず」、営業赤字となったとしている。
米菓業界では価格改定によって販売金額は前年を上回る一方、販売数量は伸び悩んでいるという。生活必需品の値上げが続くなか、菓子類への支出が抑えられる可能性もあり、メーカー側が原材料高をそのまま販売価格に転嫁することは容易ではない。
岩塚製菓は2027年3月期の通期予想について、売上高306億円と前期比6.1%の増収を見込む一方、営業利益は3億円と65.4%減を予想しており、今回の決算発表でも予想を据え置いた。
コメ価格の高騰は家庭の食卓だけでなく、コメを主原料とする食品メーカーの収益にも波及している。国産米100%を掲げる岩塚製菓にとって、品質やブランドを維持しながら、上昇する原料コストをどこまで吸収できるかが今後の焦点となりそうだ。





