アイコン ≪悲報≫大村市新庁舎建設工事、大林組・西海建設・高瀬建設JVが『予定通り』落札!


大林組 指名停止

【大林組に対する広島市の指名停止措置】それでも大村市では入札に参加し、落札までする。

別に驚きはない。
だが、落胆は大きい。
大村市新庁舎(庁舎棟)建設工事を、大林組・西海建設・高瀬建設JVが落札した。
これまで本紙が繰り返し取り上げ、業界内でも有力視されていた組み合わせが、そのまま落札者となったのである。
「やはり、そうなったか」
これが率直な感想ではないだろうか。
問題は、大林組が大手だからではない。西海建設や高瀬建設が地元業者だからでもない。
問われているのは、入札前から取り沙汰されていた組み合わせが実際に落札した以上、大村市が競争性、公平性、参加資格の審査経緯を、市民に納得できる形で説明できるのかという一点である。
広島市では指名停止中、大村市では落札者
大林組は、広島市において令和8年7月10日から8月9日まで、1か月間の指名停止措置を受けている。
理由は軽くない。

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同社が代表構成員を務めるJVが施工していた「中央新幹線第四南巨摩トンネル新設(東工区)ほか」において、令和6年10月4日に発生した労働災害をめぐり、所轄の労働基準監督署に事実と異なる説明を行っていたとされた問題である。
令和8年3月24日、大林組と同社社員2人は、労働安全衛生法違反により鰍沢簡易裁判所から、それぞれ罰金刑の略式命令を受けた。
広島市はこれを「不正又は不誠実な行為等」に該当すると判断し、指名停止措置を講じた。広島市による指名停止措置の公表
ところが、その指名停止期間中に迎えた大村市新庁舎建設工事の開札では、大林組を代表とするJVが落札した。
もちろん、広島市の指名停止が全国すべての自治体の入札に自動的に及ぶわけではない。広島市で指名停止を受けているという一事だけで、大村市の入札参加や落札が直ちに違法になるとは限らない。
だが、「違法でなければ、それで終わり」ではない。
全国の自治体が同じ事案をどのように評価したのか。大村市は大林組の処分歴や罰金刑を把握していたのか。把握していたのであれば、参加資格審査や契約の相手方としての適格性を、どのように検討したのか。
市民に説明すべきことは、山ほどある。
“救済案件”との噂を、市は結果と資料で否定できるか

名刺

今回の入札をめぐっては、かねてから業界内で「大林組JVが先行している」「大林組の救済案件ではないか」といった見方が取り沙汰されてきた。
無論、これらは現時点で公的に確認された事実ではない。
しかし、事前に名前が挙がっていた大林組・西海建設・高瀬建設JVが実際に落札した以上、市が「適正に入札を行った」と繰り返すだけでは、疑念を払拭したことにはならない。
疑惑を否定したいのであれば、言葉ではなく資料を出せばよい。
参加JVの数、各入札価格、予定価格、最低制限価格または調査基準価格、参加資格審査の内容、指名停止情報の確認経緯、庁内協議、法務上の検討記録を、可能な限り公開すればよいのである。
公正な入札だったというなら、隠す理由はない。
問われるのは「落札できたか」ではなく「任せてよいか」
大林組の技術力や施工実績を否定するつもりはない。
しかし、企業の看板と、公共工事を任せる相手としての説明責任は別問題である。
今回問題となったのは、単に工事現場で労働災害が発生したという話ではない。事故後、労働基準監督署に事実と異なる説明をしたとして、会社と社員が罰金刑の略式命令を受けたことである。
新庁舎は、大地震や豪雨などの災害時に、市民の生命と行政機能を守る防災拠点となる。
その建設を任せる企業には、施工能力だけでなく、安全管理、法令順守、事故発生時の正確な報告、情報公開に対する姿勢が求められる。
大村市は、これらをどこまで審査したのか。
「入札参加資格を満たしていた」
「他自治体の指名停止は本市に及ばない」
それだけで、市民の不安に答えたことにはならない。
市産材の指定問題も終わっていない
今回の新庁舎建設工事では、設計図書の特記仕様書をめぐり、大村市産材供給協議会から木材を調達させる仕組みになっているのではないかという疑問も提起されている。
大村市産材を活用することと、特定の協議会を供給窓口にすることは同じではない。
「地元産材の活用」という美しい看板を掲げれば、その内側にある供給業者の選定、価格決定、手数料、利益配分まで見えなくしてよいことにはならない。
ノダ建築設計事務所や谷川商事を含め、関係者が仕様や供給体制の形成にどのように関与したのかについて疑問があるのなら、大村市は記録と資料によって説明すべきである。
根拠なく「陰謀」と決めつける必要はない。
だからこそ、協議会を指定した理由、構成員、選定方法、供給価格、手数料、法務審査の記録を公表し、疑念を正面から払拭する必要がある。
大村市に公開を求める
大村市は、少なくとも次の事項を市民に明らかにすべきである。
• 入札参加JVの総数と全参加者名
• 各JVの入札価格と落札率
• 予定価格及び最低制限価格等
• 大林組に対する各自治体の指名停止措置を把握した時期
• 同社の罰金刑及び処分歴を参加資格審査で検討した記録
• 大林組JVを契約相手として適格と判断した具体的根拠
• 大村市産材供給協議会を仕様書に記載した理由
• 同協議会の構成員、供給価格、手数料及び利益配分の仕組み
• 設計者及び関係事業者が供給体制の決定に関与した経緯
• 契約、技術、法務各部門による審査・協議記録
回答できない事項がある場合も、単に「回答できない」「把握していない」で済ませてはならない。
回答できない具体的理由、調査した部署と範囲、根拠となる法令・規定、今後調査する意思の有無まで明記すべきである。
本件は、大型公共工事における競争性、公平性、公金支出の妥当性に関わる。回答と関係資料については、市のホームページでも公開するよう求めたい。
“予定通り”だからこそ、説明責任は重い
大村市産材を使うことと、特定の協議会から買わせることは同じではない。
地元貢献とは、限られた団体や有力業者に仕事を集めることではない。地元の事業者に対し、広く、公平で、透明な機会を保障することである。
そして、公正な入札とは、形式上の手続きを終えれば完成するものでもない。
事前に有力視されたJVが、そのまま落札した。
だからこそ大村市には、「偶然です」「適正です」という抽象的な答弁ではなく、客観的資料による説明が求められる。
問われているのは、木材の産地だけではない。
誰が、どのような仕組みで、いくらで供給し、最終的に誰が利益を得るのか。
問われているのは、ゼネコンの知名度でもない。
なぜ指名停止措置を受けていた企業を代表とするJVに、市民の防災拠点を任せることが妥当だと判断したのか。
大村市が本当に公正、公平な入札だったと胸を張るのであれば、すべてを堂々と公表すればよい。

大村市議会

落札はゴールではない。大村市議会の承認が最終のゴールである。
大村市民、大村市議会への説明責任は、ここから始まる。

JC-net・日刊セイケイ編集長 中山洋次

 

[ 2026年8月10日 ]
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