≪新大村市庁舎・第四弾≫令和8年9月24日付回答書に対する反論及び再質問
―「例示」という説明だけでは、木材調達の公平性は確認できない―
大村市長 殿
JC-net・日刊セイケイ
編集長 中山洋次







大村市新庁舎建設工事の特記仕様書における「大村市産材供給協議会」の記載について、令和8年9月24日付回答書を確認しました。
本紙は、大村市産木材の活用そのものを否定しているのではありません。問うているのは、特定の民間協議会を設計図書に記載した判断の根拠と、その結果として、調達先の選択、価格形成及び情報提供の公平性が確保されているかという問題です。
しかし、今回の回答では、その判断を裏付ける具体的な調査内容や記録が十分に示されていません。以下、反論するとともに、再回答を求めます。
1 「例示」であることと、公平であることは別問題です
質問1・2への回答では、協議会の記載は「見積徴取時の参考」となる「例示」であると説明しています。
しかし、発注者が特記仕様書に特定の団体名を記載すれば、入札参加者がその団体を有力な調達先と受け止める可能性があります。「義務付けていない」というだけでは、その記載が調達先の選択に与える影響への説明にはなりません。
また、市は、新庁舎で使用する木材について、不燃処理や特定サイズの加工が必要で「一般的に市場では流通されていません」と説明しています。それほど供給条件が限定されるのであれば、特定団体だけを紹介する判断には、より具体的な根拠が必要です。
協議会の供給能力を、いつ、誰が、どの資料によって確認したのか。ほかの供給事業者を調査したのか。特定団体名の記載以外の方法を検討したのか。それぞれ明らかにしてください。
2 協議会以外から「調達できる」とする根拠が示されていません
質問3には、協議会や構成員以外からの調達について「できる」と考えている、と回答しています。
ところが、末尾の資料一覧では、「協議会以外の事業者による供給の可否を検討した記録」は「関係資料がない項目」に分類されています。
これは、少なくとも今回の回答では、制度上の調達の自由を述べるにとどまり、必要な品質・数量・納期を満たす代替調達先が実際に確保できるかを示していないということです。
協議会以外の事業者でも供給可能と判断した根拠を示してください。調査を行っていないのであれば、その旨を明記してください。また、協議会以外から調達しても不利益が生じないことを、入札参加者にいつ、どの文書で周知したのか回答してください。
3 「協議会へ問い合わせてください」では、市の判断根拠が分かりません
質問6では、協議会の設立日を令和8年4月1日、構成員を6事業者と説明しながら、組織や運営に関するその他の事項は協議会に問い合わせるよう求めています。
一方、末尾の資料一覧では、協議会の規約、名簿、役員名簿は、情報公開請求があれば開示可能とされています。
市は、これらの資料をいつ入手し、どの内容を確認したのでしょうか。仕様書への記載を決定した時点で保有していたのか、その後に取得したのかを明らかにしてください。
民間団体の内部運営のすべてを市に説明させようとしているのではありません。市が公共工事の設計図書に記載する相手方について、何を確認して判断したのかを尋ねています。
また、質問7で求めた加入審査基準や申請・承認・不承認の件数については回答がありません。「目的に賛同した事業者が加入できると伺っている」という伝聞だけでは、加入の公平性は確認できません。市が確認した事項と、確認していない事項を区別して回答してください。
4 「最終的な負担者は市」としながら、費用の説明を協議会に委ねるのは不十分です
質問11では、複数事業者による見積比較や価格競争は「行われると考えます」と回答しています。しかし、実施を確認しているのか、単なる見込みなのかが明確ではありません。
質問12・13では、費用内訳や手数料等について協議会への問い合わせを求める一方、「最終的な負担者は発注者である市と考えます」としています。
市が最終的な負担者になるとの認識であれば、市の設計積算にどの費用を、どの根拠で織り込んだかは、市自身が説明すべき事項です。
施工者と供給者の個別取引のすべてを公開するよう求めているのではありません。市が発注価格の妥当性をどう確認したかを尋ねています。
木材費の積算根拠、見積取得先と件数、特殊加工費の扱い、協議会手数料等の計上の有無を回答してください。
また、「市場価格との比較資料」がないのであれば、何によって価格の妥当性を確認したのかを示してください。一般的な市場価格との比較が難しい場合にも、別の検証方法を説明する必要があります。
5 産地証明を受け取ることと、市が産地を確認することは同じではありません
質問17では、協議会以外の販売事業者でも証明書等で確認できれば認めると回答しています。この点は、調達先を限定しない取扱いとして明確に周知すべきです。
一方、質問18への回答は「販売事業者に証明をしていただく」という説明にとどまり、伐採から加工・納入までの間に他産地の木材が混入していないか、市がどう確認するかは示されていません。
さらに、末尾の資料一覧では、産地証明等の基準として「長崎県産木材証明書の様式」が挙げられています。
その様式のどの記載・添付資料によって、「長崎県産」であるだけでなく「大村市産」であることを確認するのでしょうか。
伐採地、原木の数量、加工・納入までの記録をどのように照合するのか。確認担当者、確認時期、不一致があった場合の対応を具体的に示してください。
6 「協議・決裁をした」という説明だけでは、審査内容は分かりません
質問19では「関係部署との協議の上、決裁により決定」と回答しています。しかし、質問で求めた審査年月日、担当部署、審査内容、指摘事項及び結論は示されていません。
決裁を経たという事実と、競争性・公平性・透明性・経済性について何を検討したかは別の問題です。
末尾の資料一覧では「契約審査及び法務審査の記録」を開示可能としています。その文書名、作成日、作成部署及び審査の概要を明示してください。一般的な決裁文書を指しているのであれば、その旨を回答してください。
質問20で専門家からの意見聴取を行っていないと回答していますが、意見聴取がないことだけを問題にしているのではありません。庁内で何を検討し、どの根拠で問題ないと判断したのかを求めています。
7 「電話による確認のみ」と、保有資料との関係を説明してください
質問26では、特記仕様書への記載について「電話による確認を行ったことのみ」と回答しています。
一方、末尾の資料一覧には、設計者及び発注支援事業者との協議記録、協議会の規約・名簿等、森林組合の要望書が開示可能な資料として挙げられています。
これらは相手方や対象事項が異なる可能性があるため、直ちに矛盾と断定するものではありません。しかし、今回の説明だけでは、協議会の存在を知り、供給能力を確認し、仕様書への記載を決定するまでの経緯が分かりません。
電話確認の日時、相手方、担当職員、確認内容及び記録の有無を回答してください。併せて、森林組合の要望書の提出日と内容、それが協議会の記載に関係したかを明らかにしてください。
8 「誰でも問い合わせできる」だけでは、情報提供の公平性は確認できません
質問27・28では、入札公告の情報を同一時期に提供し、入札参加者は必要に応じて協議会へ問い合わせできると説明しています。
しかし、問い合わせ先が共通であることと、必要な供給情報に公平にアクセスできることは同じではありません。
一般的な個別価格交渉の内容をすべて同一にするよう求めているのではありません。市が供給先として記載した団体について、供給可能量、納期、見積対応などにより、特定の参加者だけが有利にならないための確認を求めています。
市は、どのような措置を講じ、何を確認したのでしょうか。「事業者間の交渉内容は把握できない」という説明だけでなく、発注者として実施した公平性確保の措置を示してください。
再回答及び資料提示のお願い
以上の各項目について、確認済みの事実、未確認の事項、資料を保有していない事項を区別して、書面で回答してください。資料を提示できない場合は、その理由と、提示可能な範囲を明らかにしてください。
また、末尾の資料一覧の「価格についてはなし」「関係資料がない」という記載について、未作成、未取得、廃棄、又は一覧として未集計のいずれなのか、該当項目ごとに明確にしてください。
特に、構成員への過去の公金支出については、一覧表が存在しないことと、個別の支出記録が存在しないことを区別して回答するよう求めます。
「例示です」は記載の位置付けの説明であり、公平性を検証した根拠の提示ではありません。「協議会に聞いてください」では、市がその団体を選んで記載した判断の説明にはなりません。
大村市産材の活用を市民が納得して支持できるよう、市自身の判断と、その裏付けとなる記録を示してください。
以上
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





