建築費高騰で札幌の地価に異変 住宅地7地点が7年ぶり下落、江別市も平均0.2%マイナス
上昇が続いてきた札幌圏の住宅地で、地価の流れに変化が表れている。
2026年(令和8年)の都道府県地価調査によると、札幌市の住宅地は平均で前年比0.7%上昇した。ただ、前年の1.4%上昇から伸び率は半減。市内では住宅地7地点が下落し、札幌市で住宅地の下落地点が現れるのは7年ぶりとなった。
札幌市に隣接する江別市ではさらに変化が鮮明で、住宅地の平均変動率が前年比0.2%下落。これまで札幌市内の地価上昇を受けて周辺都市へ広がっていた住宅需要に、変調が見え始めている。
札幌市住宅地の上昇率は1.4%から0.7%へ半減
札幌市がまとめた2026年地価調査によると、市内住宅地の平均変動率は0.7%上昇だった。
上昇自体は続いているものの、2025年の1.4%から0.7ポイント低下。10区のうち清田区は前年の横ばいから0.3%下落へ転じ、手稲区は2年連続の横ばいとなった。
| 地域 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 札幌市住宅地 | +1.4% | +0.7% |
| 清田区住宅地 | 0.0% | -0.3% |
| 手稲区住宅地 | 0.0% | 0.0% |
| 江別市住宅地 | 0.0% | -0.2% |
札幌市で7年ぶりの住宅地下落地点
平均値以上に注目されるのが、個別地点である。
札幌市では住宅地7地点が前年比で下落した。南区川沿12条5丁目は1平方メートル当たり3万6100円から3万5700円となり1.1%下落。清田区北野4条4丁目も9万2000円から9万1000円へ1.1%下落した。
このほか厚別区もみじ台東2丁目が1.0%、中央区宮の森2条17丁目が0.6%、北区あいの里4条5丁目が0.5%下落するなど、市中心部から離れた住宅地を中心に価格調整がみられる。
江別市は住宅地平均がマイナスへ
札幌市のベッドタウンとして住宅需要を取り込んできた江別市では、住宅地平均が前年比0.2%下落した。
調査された住宅地12地点のうち、大麻園町が0.9%下落、文京台が0.8%下落、緑ヶ丘が1.0%下落。残る地点も横ばいとなっており、上昇地点はなかった。
江別市では2026年1月1日時点の地価公示でも、大麻地区や文京台地区などで住宅地の下落が確認されていた。札幌市の住宅価格上昇から割安な江別市へ向かっていた需要が弱まっている可能性を示す動きといえる。
建築費高騰で「郊外なら安い」が崩れる
背景の一つが住宅建築費の高騰だ。
北海道の住宅市場では、資材価格や人件費の上昇によって新築住宅の建築費が上昇。さらに住宅ローン金利の上昇も加わり、土地と建物を合わせた住宅取得総額が膨らんでいる。
これまで札幌中心部の土地価格が上昇すると、比較的土地が安い郊外や札幌近郊へ住宅需要が移る動きがみられた。しかし建物そのものの価格が大きく上昇すれば、土地価格が安いだけでは総額を十分に抑えられない。
北海道不動産鑑定士協会も、建築費や金利の上昇によって郊外住宅地の相対的な割安感が薄れていると指摘している。
札幌圏の住宅市場は「一律上昇」から選別へ
一方、札幌市すべての住宅地が弱いわけではない。地下鉄やJRへのアクセスが良い地域では需要が続いており、西区などでは地価上昇が続いている。
2026年の地価調査が示しているのは、札幌圏全体の住宅地が下落局面へ入ったということではない。利便性や交通アクセスによって、地価の動きに差が広がり始めたことだ。
建築費の高止まりや住宅ローン金利の動向が続けば、住宅購入者が支払える総額にはさらに制約がかかる。札幌市郊外や江別市など、これまで「札幌中心部より割安」で住宅需要を集めてきた地域ほど、今後の土地価格と新築戸建て需要の動きが注目される。





