【愛知】住宅着工3.8%増の内実 給与住宅734戸が前年比約122倍、持家・貸家・分譲は減少
愛知県が10月5日に公表した2026年8月分の建築住宅着工統計によると、県内の新設住宅着工戸数は4,717戸となり、前年同月比3.8%増加した。
ただ、その内訳を見ると様相は大きく異なる。持家は1,270戸で同5.9%減、貸家は1,636戸で同3.8%減、分譲住宅は1,077戸で同27.6%減と、住宅市場の主要3区分はいずれも前年を下回った。一方、「給与住宅」だけが734戸となり、前年同月の6戸から12,133.3%増、戸数では約122倍に急増した。
給与住宅とは、会社や官公署、学校などが社員、職員、教員などを居住させる目的で建築する住宅を指し、社宅や職員住宅などが該当する。
| 利用関係 | 2026年8月 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 新設住宅全体 | 4,717戸 | 3.8%増 |
| 持家 | 1,270戸 | 5.9%減 |
| 貸家 | 1,636戸 | 3.8%減 |
| 給与住宅 | 734戸 | 12,133.3%増 |
| 分譲住宅 | 1,077戸 | 27.6%減 |
給与住宅を除くと前年比12.2%減
2025年8月の新設住宅着工は4,543戸で、このうち給与住宅は6戸だった。給与住宅を除くと4,537戸となる。
これに対し、2026年8月は全体4,717戸から給与住宅734戸を除くと3,983戸。JC-NETの試算では、給与住宅を除いた着工戸数は前年同月比12.2%減となる。
また、給与住宅734戸は8月の新設住宅全体の15.6%を占める。表面上は住宅着工が3.8%増えているものの、給与住宅の急増が全体の数字に大きく影響していることが分かる。
1カ月で2025年年間実績の3.7倍
給与住宅の突出は、前年同月との比較だけではない。愛知県の2026年7月の給与住宅着工は6戸だったのに対し、8月は734戸へ急増した。
さらに2025年1年間の愛知県内の給与住宅着工は198戸だった。2026年8月の734戸は、前年1年間の実績の約3.7倍に相当する。
一方、県が公表している統計資料では、今回の734戸を構成する個別の建築主や具体的な給与住宅プロジェクトまでは明らかにされていない。このため、現時点で特定企業の社宅建設などと結び付けることはできない。
全国とは異なる住宅着工の中身
全国では2026年8月の新設住宅着工が前年同月比6.1%増となった。国土交通省によると、持家、貸家、分譲住宅がいずれも前年を上回ったことが全体を押し上げた。
愛知県は全体では3.8%増と全国と同じ増加方向になったものの、持家、貸家、分譲住宅はいずれも減少している。全国と愛知では、住宅着工増加の内訳が大きく異なっている。
建築物の着工床面積は16.4%減
住宅戸数とは別に、愛知県内の2026年8月の建築物着工床面積は56万5,963平方メートルで、前年同月比16.4%減少した。
内訳は居住用が37万2,189平方メートルで3.7%減、非居住用が19万3,774平方メートルで33.4%減。住宅着工戸数が前年を上回る一方、建築物全体の着工床面積は前年を下回っており、8月の愛知県の建築着工は指標によって異なる動きとなっている。





