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アイコン 【フランス】155ミリ砲弾の弾体メーカー「Les Forges de Tarbes」が司法再建 年商1,980万ユーロ、63人雇用


フランス南西部オート=ピレネー県タルブの砲弾用部材メーカー「Les Forges de Tarbes(レ・フォルジュ・ド・タルブ)」が、2026年10月26日にタルブ商事裁判所から司法再建手続き(redressement judiciaire)の開始決定を受けた。

親会社の産業グループEuroplasmaが27日に発表した。同社は155ミリ砲弾用の金属製弾体を製造し、仏独防衛大手KNDSに供給するなど、フランスの防衛産業の一翼を担ってきた。現地報道によると従業員は63人。

2025年12月期の売上高は1,980万ユーロとなり、前年比37.5%増加していた。一方、資金繰りの悪化や親会社による防衛事業売却交渉の難航などを背景に、10月22日に司法再建手続きを申し立てていた。

フランス政府は同社の主要技術や設備の引き継ぎに向け、4者の投資候補と協議を進めていると報じられている。ただし、事業譲渡先は決定していない。

 

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155ミリ砲弾の弾体を製造 KNDS向け供給を担う

Les Forges de Tarbesは、金属鍛造を主力とする防衛関連メーカー。主に155ミリ砲弾の金属製弾体を生産し、フランスとドイツの防衛大手KNDSに供給してきた。

同社が手掛けるのは、砲弾の外殻となる金属製の部材であり、火薬や信管などを組み込んだ完成弾薬とは異なる。供給された弾体はKNDS側で後工程を経て砲弾となり、フランス製自走榴弾砲「CAESAR(カエサル)」などで使用される。

CAESARはフランスがウクライナに供与している火砲の一つで、同社の製造能力はフランス国内の弾薬供給体制に関わる重要な設備として位置付けられている。

現在の法人は2020年1月設立で、旧商号はTarbes Industry。2021年にEuroplasmaグループが取得し、Les Forges de Tarbesの名称で事業を展開してきた。

なお、タルブの鍛造工場には法人設立以前からの歴史があるが、現在の法人の設立年と工場の創業時期は異なる。

2025年は売上37.5%増 増収のなかで経営再建へ

2024年12月期の売上高は約1,440万ユーロだったが、2025年12月期には1,980万ユーロとなり、前年比37.5%増加した。

親会社Europlasmaが2026年6月11日に発表した決算資料では、防衛関連需要を背景に同社の売上高が伸びたことが示されている。2025年には砲弾用弾体の供給に関する複数の大型契約に対応していた。

一方、2024年12月期の同社決算では約34万7,000ユーロの最終赤字を計上し、純資産もマイナスとなっていた。

売上高が拡大する一方で、資金繰りや設備投資などの課題を抱え、最終的に司法再建手続きによる経営立て直しを図ることになった。ただし、今回の資金不足に至った個別の要因や2025年12月期の最終損益について、確認できた資料だけでは確定できない。

また、2026年の法的手続きにおける負債総額は公表資料から確認できていない。2024年決算の帳簿上の債務額を、今回の倒産負債総額として扱うことはできない。

親会社Europlasma、防衛事業の売却交渉で最終合意に至らず

親会社Europlasmaは、もともと有害廃棄物の処理や脱炭素技術などを展開してきた産業グループ。その後、経営再建中の製造会社を取得し、防衛関連部材や鉄道車輪などにも事業を拡大した。

同グループは2026年に防衛事業の売却を検討していたが、10月16日の発表では、売却交渉について最終的な合意に至っていないことを明らかにしていた。

また、Les Forges de Tarbesは、鍛造プレスに関連する圧力設備について、フランスの地域行政当局から設備区分の見直しに関する是正通知を受けていた。同社は当局との協議に沿って対応し、事業への影響を避ける方針を示していた。

その後、同社は10月22日に従業員代表組織との臨時協議を実施し、タルブ商事裁判所へ司法再建手続きの開始を申請した。

26日に同裁判所が申立てを認め、司法再建手続きが開始された。親会社は27日、裁判所の保護のもとで事業を維持し、経営再建に必要な条件を整える方針を表明した。

なお、今回の司法再建は子会社Les Forges de Tarbesを対象とするもので、親会社Europlasma全体が同じ法的手続きに入ったことを意味しない。

フランス政府が4者と協議 技術・設備の承継が焦点

司法再建手続きの開始に伴い、同社の製造設備や技術を引き継ぐ新たな事業主体の確保が焦点となっている。

10月27日のロイター通信の報道では、フランスの国防相が議会で、同社の重要設備や製造技術を引き継ぐ可能性のある4者の投資候補と協議していることを明らかにした。

ただし、協議対象となっているのは製造能力や技術的な資産の引き継ぎであり、4者の具体的な企業名は明らかになっていない。また、対象法人全体の買収や事業譲渡が確定したわけではない。

現地では従業員63人の雇用維持と、フランス国内の155ミリ砲弾用弾体の生産能力の確保が重要な課題となっている。

フランスの司法再建手続き(redressement judiciaire)は、裁判所の監督下で事業継続や債務整理を検討する制度。直ちに清算・廃業する手続きではなく、事業再建や譲渡によって製造能力が維持される可能性がある。

今後は、投資候補との交渉、設備の継続稼働、受注の確保、雇用の取り扱いが焦点となる。

Les Forges de Tarbesの会社概要

法人名 LES FORGES DE TARBES
所在地 フランス・オート=ピレネー県タルブ
設立 2020年1月11日
旧商号 Tarbes Industry
親会社 Europlasma
主要事業 155ミリ砲弾用金属製弾体、鍛造部材の製造
2024年売上高 約1,440万ユーロ
2025年売上高 約1,980万ユーロ(前年比37.5%増)
従業員数 63人(現地報道)
司法再建申立て 2026年10月22日
司法再建開始 2026年10月26日・タルブ商事裁判所
負債総額 確認できず
フランス法人登録番号 SIREN 880 623 509

※売上高は親会社Europlasmaの2025年決算資料に基づく。2026年10月の司法再建手続きにおける確定負債総額は確認できていない。

※フランスの司法再建手続きと、日本の破産・民事再生手続きは制度上の違いがある。本記事の対象法人はLes Forges de Tarbesであり、親会社全体の法的整理を意味しない。

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