【広島】ほうれん草栽培の重原農園が破産 ハウス40棟超、国のスマート農業実証にも参画
広島県庄原市でホウレンソウなどの野菜を栽培していた「合同会社重原農園」が、2026年10月21日に広島地裁三次支部から破産手続きの開始決定を受けたことが分かった。
同社はホウレンソウの施設栽培を主力とする農業法人。過去の公表資料では40棟以上のハウスを使用し、施設面積は約2.2ヘクタールに上っていた。栽培したホウレンソウは広島県の「広島県産応援登録制度」に登録されていた。
また、農林水産省のスマート農業実証プロジェクトにも構成員として参加し、AIを活用した農業機械の共同利用などに関わっていた。
40棟以上のハウスでホウレンソウを栽培 広島県の登録農産物にも
重原農園は2020年に法人化された。広島県北部の庄原市西城町に拠点を置き、ホウレンソウの施設栽培を中心に事業を展開していた。
庄原市の過去の紹介資料によると、40棟以上のハウスを使用し、地元産のバーク肥料などを取り入れた土づくりを実施。栽培方法のマニュアル化を進め、ハウスごとの生育品質の安定化に取り組んでいた。
ホウレンソウ以外にも、キュウリ、枝豆、サツマイモなど季節の野菜を栽培していた。
広島県の農産物紹介サイト「チア!ひろしま」には、同社の商品「重原農園のほうれんそう」が掲載されている。同サイトの2020年10月更新資料では、施設面積約2.2ヘクタール、社員3人、パート36人と紹介されていた。
これらは過去の公表情報であり、破産手続開始時点の栽培面積や従業員数を示すものではない。
国のスマート農業実証に参画 AI農機の共同利用を研究
同社は2021年度に採択された農林水産省のスマート農業実証プロジェクトにも参画していた。
取り組みの名称は「多品目広域連携で実現させるAaaS(農業版MaaS)によるAI農機シェアリング」。県立広島大学、庄原商工会議所、広島県、庄原市、複数の農業法人などが構成員となり、農業機械を地域で共同利用する仕組みの実証を進めた。
実証では、自動運転大型トラクター、直進アシスト機能付きトラクター、農薬散布用ドローン、コンバインなどを活用。機械の利用予約や調整に対応するシェアリングシステム「AaaS」の導入も図った。
農研機構の成果資料によると、参加した12生産者全体の実証面積は477ヘクタール。機械利用実績は年間延べ556日に達し、実証経営体全体で機械導入コストの削減などの成果が報告されている。
ただし、477ヘクタールは複数の生産者による実証事業全体の面積であり、重原農園単独の経営面積ではない。また、実証事業全体の成果を同社単独の業績として扱うことはできない。
農研機構が2024年10月9日に開催したスマート農機のシェアリングに関する技術検討会でも、同社の関係者が発表予定者として案内されており、地域のスマート農業の取り組みに関わっていた。
水田活用交付金の記録も 直近の業績や破綻原因は不明
経済産業省の法人情報サイト「Gビズインフォ」には、農林水産省の水田活用直接支払交付金の確定記録が掲載されている。
2022年3月に21万1482円、2023年3月に16万1400円、2024年3月に229万2500円の交付実績が確認できる。
一方、同社の直近の売上高、負債総額、事業停止時期、経営悪化の具体的な経緯は確認できていない。施設や農地の現在の利用状況、事業承継先についても不明となっている。
なお、過去の補助金・交付金の受給やスマート農業実証への参加と、今回の経営破綻との因果関係は確認されていない。
10月21日に破産手続開始決定
重原農園は2026年10月21日、広島地裁三次支部から破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人には今岡慶太郎弁護士が選任された。
破産債権の届出期限は2026年11月24日。財産状況報告集会などの期日は2027年1月22日午前10時15分となっている。事件番号は令和8年(フ)第48号。
また、破産法204条1項2号に基づく簡易配当に異議のある破産債権者は、一般調査期日の終了時までに裁判所へ異議を述べる必要がある。
重原農園の会社概要
| 法人名 | 合同会社重原農園 |
|---|---|
| 所在地 | 広島県庄原市 |
| 法人番号 | 5240003004564 |
| 法人化 | 2020年 |
| 主な事業 | ホウレンソウなど野菜の施設栽培 |
| 栽培施設 | ハウス40棟以上、施設面積約2.2ha(過去の公表情報) |
| 主な商品 | 重原農園のほうれんそう(広島県産応援登録商品) |
| 法的手続き | 2026年10月21日、破産手続開始決定 |
| 裁判所 | 広島地方裁判所三次支部 |
| 負債額 | 確認できず |
※ハウス棟数、施設面積、過去の従業員数、事業実績等は公表当時の情報であり、2026年10月の破産開始時点の経営規模とは異なる可能性があります。
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