アイコン 韓国自動車業界の5つの危機

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韓国自動車業界は今年上半期に終末高高度防衛ミサイル(THAAD)をめぐる中国の報復や世界的は販売不振に直面したのに続き、賃上げ闘争で「8月大乱」が懸念されると韓国で報道されている。

各社の賃金交渉がまだ妥結しておらず、労組がストライキを予告。17日には起亜自動車の通常賃金問題をめぐる判決があるほか、9月からのディーゼル排ガス規制強化など悪材料が集中する可能性がある。
 
韓国の自動車業界は重大なヤマを迎えている
韓国自動車業界の危機
1
THAAD配備に対する中国の制裁余波による大幅販売台数減
2
米国市場の陰りと現代自の32項目のリコール隠しの影響
3
例年の賃金交渉による自動車労組のストライキ、今年も。
4
起亜の3兆ウォン台の賃金訴訟、会社敗訴の可能性
5
9月施行のディーゼル車排ガス規制強化で一部車両販売困難
高まる第2次朝鮮戦争リスク
1ウォンは約0.1円、最新0.0954円。
1、中国ではTHAAD配備の影響は深刻な打撃を受けている。
進出しているのは現代と起亜であるが、次表のように大打撃を受けている。
しかも、現代は、昨年10月生産キャパ30万台の河北工場を完成させたばかり、また今年末までには重慶工場(生産キャパ30万台)も完成する。この2工場の進出は習朴蜜月時代に決定し、建設に入っていたもの。
最新鋭の工場であり、本格稼動させるには、これら中国工場から欧州など世界へ輸出するしかない。しかし、労働生産性もトヨタより悪い韓国本体の工場をリストラする必要に迫られる。そうなれば、高給取りで有名な現代自動車労組の大規模ストライキが待ち構える。

 

現代+起亜の中国販売台数
 
2017年
2016年
 
販売台数
前年比
販売台数
前年比
1月
110,100
-11.1%
123,900
-22.3%
2月
91,200
-1.7%
92,800
-21.7%
3月
72,000
-52.6%
152,100
-6.4%
4月
51,100
-65.2%
146,900
0.5%
5月
52,500
-65.1%
150,500
16.7%
6月
54,100
-61.9%
142,200
45.5%
累計
431,000
-46.7%
808,400
-5.8%
年計
 
 
1,792,000
6.7%
・中国汽車工業協会発表分
↑過去最高の販売台数
 
2、米国でも大幅落ち込み、32項目のリコール隠しが影響か
昨年9月、現代では32項目のリコール隠しが品質責任者から内部告発された。それ以前に米国ではシーターⅡエンジンのリコール問題があり、エンジンの載せ替えと補償および中古車価格の差額補償を行うことでユーザーと今年和解した。
リコール隠しの32項目のうち、韓国当局は4項目につき、リコールを現代に指導した。しかし、現代は「安全性に問題ないとして拒否」、当局は怒り、今年7月、強制リコールを勧告するとともに検察に告発した。
そうした経緯がアメリカでも影響していると見られる。今年から米自動車市場は、マイナス成長に転換しており、当然、ライバル会社などがセールストークを利用しているものと見られる。
リコール隠し問題が、一過性のものであっても、アメリカでの販売不振は、中国大不振の中、大きなダメージとなっている。

 

アメリカ市場での現代・起亜の販売台数月別推移
 
 
2017
2016
 
台数
前年比
台数
前年比
1月
現代
46,507
3.3%
45,011
1.1%
起亜
35,626
-7.0%
38,305
0.0%
小計
82,133
-1.4%
83,316
0.6%
2月
現代
53,020
0.0%
53,009
1.0%
起亜
42,673
-14.2%
49,737
13.0%
小計
95,693
-6.9%
102,746
6.4%
3月
現代
69,265
-8.0%
75,310
0.4%
起亜
49,729
-15.2%
58,279
-0.8%
小計
118,994
-10.9%
133,589
-0.2%
4月
現代
63,050
1.3%
62,213
-8.5%
起亜
53,358
-5.6%
56,508
6.1%
小計
116,408
-1.9%
118,721
-2.2%
5月
現代
60,011
-15.5%
71,006
11.6%
起亜
58,507
-7.0%
62,926
0.8%
小計
118,518
-11.5%
133,932
6.2%
6月
現代
54,507
-19.3%
67,511
0.0%
起亜
56,143
-10.3%
62,572
13.7%
小計
110,650
-14.9%
130,083
6.9%
7月
現代
54,063
-27.9%
75,003
5.6%
起亜
56,403
-5.9%
59,969
6.5%
小計
110,466
-18.2%
134,972
6.0%
累計
現代
400,423
-10.9%
449,063
1.5%
起亜
352,439
-9.3%
388,296
5.7%
小計
752,862
-10.1%
837,359
3.4%
年計
現代
 
 
775,005
1.7%
起亜
 
 
647,598
3.5%
小計
 
 
1,422,603
2.5%
・米乗用車市場全体の1~7月は▲2.9%減。
 
3、ストライキ秒読み
 労組によるストライキも不安要素だ。7日現在で今年の賃金交渉が妥結したのは、自動車メーカー5社のうち双竜自動車だけ。
残る4社は労使交渉が平行線をたどっている。現代自動車と起亜自の労組は7月にスト権を確立し、8月中旬以降に本格闘争に入る予定。
現代自労組は7日、争議対策委員会を開き、10、14日に4時間の時限ストライキを決行することを決めた。
同社労組は今年の団体交渉で賃金15万4883ウォン(号俸昇給分除く)引き上げ、純利益の30%の成果給支給、第4次(EV)産業革命と自動車産業の発展に備えた「総雇用保障合意書」の締結などを要求している。(現代自の従業員の報酬はトヨタより高いという)
 
韓国GM労組は、すでに7月17日に4時間の時限ストを実施し、今後の日程を調整中。
自動車業界関係者は「現代自労組は9月に新執行部の選出が予定されており、それまでに交渉を終えるため、強硬な行動に出る可能性もある」と指摘。
現代自は、昨年、労組による24回のストで約13万1000台の生産に影響し、2兆9000億ウォンの被害が出た。
 
4、起亜自の通常賃金訴訟、判決目前
韓国の慣習は知らないが、起亜労組は諸手当増や大幅な退職金増につながる定期ボーナスまで所定内賃金に組み込めと訴訟を起こし、勝利する可能性があるという。
 
同訴訟は、起亜自労組が定期ボーナスを通常賃金に含めることを求め、2011年に6,869億ウォン(約675億円)の支払いを求める集団訴訟を起こし、2014年には労組員13人が代表訴訟も起こした。
代表訴訟で労組が勝訴すれば、全従業員に一律適用される。その場合、会社側は手当てや退職金に賃金1兆ウォン、消滅時効3年を考慮した遡及分を合わせ最大3兆ウォンを労組に支払わなければならない。判決と同時に引当金の積立義務が発生するため、第3四半期(7-9月)から起亜自に財務上の悪材料が生じる。起亜自関係者は「通常賃金にボーナスを含めた場合、今後も毎年1000万ウォン以上の持続的な年俸引き上げが必要になる」としている。
 起亜自の訴訟が労組側の勝訴に終われば、起亜自に3兆ウォンの負担が生じるだけでなく、他の自動車メーカーや多くの大企業労組も同様の訴訟を起こす可能性がある。
 
韓国自動車産業協会は、定期ボーナスが通常賃金に含まれれば、賃金上昇圧力で約2万人分の雇用減少が見込まれると試算している。
韓国経営者総協会(経総)も2013年、ボーナスが通常賃金に含まれた場合、遡及分も考えると、産業界全体に38兆ウォンの追加負担が生じると予測している。
 
5、排ガス規制強化も打撃
さらに、環境部(省)が9月からディーゼル車の排ガス基準を強化することも業界を直撃する。新車は今年9月から適用される。
ルノーサムスンのSUV「QM6」の販売ができなくなるという(フランス等欧州では平気で運転されているようだ)。
双龍自は対策が資金面からも遅れ、大打撃を受けると予想されている。
 
他、北朝鮮の度重なる米攻撃用ミサイル開発の脅迫に、米トランプは臨戦態勢と、
米トランプが8月9日「「(北朝鮮は米国から)『怒りと炎』に直面する」と口撃、
返す刀で北朝鮮は10日、グアム近海に火星12号ミサイルを4発撃ち込む計画を発表、
さらに怒ったトランプは11日、「『怒りと炎』の表現は生ぬるかったとして、もしも北朝鮮がグアムに撃ち込むならば攻撃辞さず、臨戦体制に入った」とツイートした。
火星12号ミサイル4発が同時発射された場合、グアム配備のTHAADでの撃墜は困難視されている。
 
8月21日から、北朝鮮が毛嫌いする韓国主導の恒例の米韓合同演習が米空母2隻も投入して始まる。(昨年は同演習期間中に潜水艦からのミサイル発射)
9月9日は建国記念日(1948年)
10月10日は朝鮮労働党創立記念日(1945年)
のイベントが開催される。
 
万が一の場合は、韓国経済は壊滅状態、企業もソウル都市圏を中心に壊滅に至る。
韓国の株式市場は、今年7月24日、過去最高を記録している。ロフテッド起動にならなければよいが・・・。

 

2017年 北朝鮮ミサイル発射実験 /単位はkm
発射日
ミサイル型
成否
高度
飛距離
備考
1
2月12日
北極星2型
成功
500
550
潜水艦発射、SLBM
2
3月6日
北極星2型
成功
260
1,000
4発同時発射、EEZ内
3
3月22日
 
失敗
 
 
 
4
4月5日
北極星2型
失敗?
189
60
 
5
4月16日
 
失敗
 
 
 
6
4月29日
 
失敗
 
50
 
7
5月14日
火星12型
成功
2,100
780
30分間飛行
8
5月21日
北極星2型
成功
560
500
陸上型
9
5月29日
スカッド改良型
成功
 
400
EEZ内
10
6月8日
地対艦巡航ミサイル
成功
 
200
数発
11
7月4日
火星14型ICBM
成功
2,800
930
29分間飛行、EEZ内
12
7月28日
火星14型ICBM
成功
3,700
1000
47分間飛行、EEZ内
・米国防省は、北朝鮮は核弾頭を最大60発保有している公表している。

[ 2017年8月12日 ]
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