アイコン トヨタと現代車比較

 

 

トヨタの2019年第1四半期(4~6月期)の連結決算で、営業利益は昨年同期に比べて19%近くアップした。同期間、韓国の現代自動車の営業利益は▲30%近く急減してトヨタとは対照的だった。
日本と韓国を代表する二つの自動車メーカー間の悲喜が交錯した理由は何か。
市場からは「ウォン高および円安現象」以外にトヨタのコスト削減努力が光ったという分析が出ている。
単純為替比較は1ウォン=0.1円

史上最高の純利益を記録したトヨタ
4~6月のトヨタの営業利益率は9.26%、現代車の営業利益率は3.8%。
トヨタの4~6月期の売上は7兆3627億円で前年同期比4.5%の伸びとなった。営業利益は18.9%増となる6827億円を記録した。市場予想の6300億円台をは大きく上回った。当期純利益(6573億円)は史上最大値だった。
トヨタの今年の計画は世界販売台数を1050万台している。トヨタは、北米市場で相対的に良好な販売実績を示し、中国での販売も着実に伸びている。競争会社に比べて優れた競争力を維持していると評価されている。

一方、現代車は、売上高は24兆7118億ウォン(約2兆4480億円)、営業利益は9508億ウォンと純利益は8107億ウォンだった。
世界販売台数は119万2141台で、最悪の実績だった昨年同期に比べ、昨年の中国のTHAAD不買の反動もあり10.6%も増え、売上高も1.7%伸びた。

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だが、営業利益は▲29.3%、当期純利益は▲11.3%と急減した。
営業利益は昨年10~12月期以降、3四半期連続で1兆ウォンを下回った。
上半期(1~6月)で見れば、営業利益は前年同期比▲37.1%の1兆6321億ウォン、当期純利益は▲33.5%減の1兆5424億ウォンも急落している。

トヨタは今年上半期(1~6月)に520万9000台の販売量を記録し、世界販売台数は3位とした。ルノー・日産・三菱アライアンス(553万8000台)、VW・アウディなどのVWグループ(551万9000台)と「3強」構図を形成している。
米国ゼネラルモーターズ(GM、415万6000台)が4位、現代・起亜車(359万台)は5位だった。

コスト削減・為替で悲喜分かれる
トヨタと現代車は販売実績から大きく差をつけた。トヨタは今年4~6月に261万6000台を販売した。昨年同期比2万6000台の伸びとなった。北米とアジア、欧州で販売量が一様に増加した。中国で高級車ブランド「レクサス」の販売台数が対前年比40%近く伸びたことで利益も急増した。

これとは対照的に、現代車は米国市場の長年の販売不振によって減らない在庫の影響が響いた。昨年の過剰生産および販売不振で在庫が一時4ヶ月分にもなり、その後遺症に苦しんだ。今年に入っても、在庫優先販売により新車と中古車価格が共に下落する悪循環が繰り返された。在庫をさばくために過度なインセンティブ(販売奨励金=値引き)を与えながら収益性が悪化している。中国市場の回復の遅さも利益減少の原因につながっている。

トヨタのコスト削減努力が、収益性の向上につながったという評価もある。トヨタは原価企画型生産方式を導入して、設計段階からコストをおさえるノウハウを蓄積している。今年に入って部品の材質まで変えて単価を大きく抑え続けている。

今年に入り、円安が続いている点もトヨタにとって好材料となった。対ドル円相場は4~6月期平均1ドル=109円で、企業の予想値105円に比べて3.8%ほど円安となった。
反面、現代車は、ウォン高で辛酸を嘗めた。現代車関係者は、ウォン高や主要新興国での通貨安が続き、新車中心の販売回復が売上および収益性の増大につながらなかったと見ている。
以上、韓国紙参照

現代自動車は、2016年秋から昨年にかけ、それぞれ年生産キャパ30万台の中国2工場、メキシコ1工場の計3工場、計90万台の新工場を建設している。
当然、減価償却費も本格化している。
販売では、とくに大市場である中国と米国で苦戦している。これは、昨年3月から始まった中国でのTHAAD不買による影響があるものの、この1年間で中国市場が様変わりしていることも影響している。1年を経過し、反動増の中、販売増をけん引するとして投入された新SUVは不発に終わり、今のところ、昨年の激落の反動として増加しているだけでもある。
(米国ではセダンの販売占有率が落ち続けているが、中国ではすでに自動車が普及し、乗り降りが高いSUV疲れも生じている)

米国では市場が一昨年、総販売台数でピークアウトしており、全メーカーはインセンティブ販売競争に陥り、どのメーカーも収益悪化要因となっている。そうした中で現代車の販売台数減は、同社の収益をさらに悪化させる原因ともなっている。
もともと、現代車は欧米日車と比較して、2割安のコストパフォーマンスに優れて売れていたが、現代車の通常の販売価格帯まで他メーカーが価格を落としていることから、ユーザーを奪われている。
また、2016年に発生した30数項目に及ぶリコール隠しの内部告発、問題ないとする現代車に対して、韓国の当局は、2017年春にリコール隠しを宣言し、数項目において強制リコールを命じた。こうした安全性にかかわるリコール問題は、米国へも発信され、販売不振にもつながったものと見られる。

現代車は、韓国企業すべてに共通する、日本企業を真似て、日本を超えろの大合唱に支えられ伸びてきたが、真似てばかりでは、日本の先へは決して越えられない。
今ではBMWのトップデザイナーたちを引っこ抜き、デザインは優れたものになってきているが、とくに中古車価格に反映する品質問題は別。開発を急ぎ過ぎてか、致命的な欠陥を露呈することもある(最近は日本車も似た症状)。

為替安や製造コストの削減努力だけでは片付けられない問題
韓国製自動車のコスパは今後、文政権による最低賃金の大幅な上昇(18年16.4%増、19年10.9%増確定)により、崩れ去ることになる。
とくにサプライチェーンにより支えられたコスパであり、そうした協力工場の脆弱性もすでに露見し、ここ2年の販売減により最近は法的な管理(経営破綻)や金融機関による支援を受けている企業も多くなってきている。こうしたサプライチェーンの脆弱な財務体質に対して、最低賃金増がさらに直撃することになる。
(現代車そのものはトヨタより高い年収を得ており、ストばかりして生産性も劣るものの、安価に製造するノウハウを持つ。それはサプライチェーンに支えられている。)

そのコスパが、ほかのメーカーのインセンティブ販売増により、さらに現代車は下げて販売することにより、収益を悪化させ、さらに最低賃金増による部品・部材価格の上昇圧力に製造コスト増となり、現代車は上から下から収益を悪化させる大きな要因を抱えていることになる。
(最近の現代車の決算は大いなる粉飾ではないかと思われるほど、まだ利益を出し続けている)
中国勢が間もなく、韓国勢よりさらに2割安い価格帯で、世界に攻勢をかける日も近い。

 

現代+起亜グループの世界販売台数推移
 
世界販売台数
前年比
2012年
7,122,681
 
2013年
7,548,477
6.0%
2014年
8,005,220
6.0%
2015年
8,015,745
0.1%
2016年
7,795,425
-2.8%
2017年
7,251,013
-7.0%
 

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[ 2018年8月 6日 ]

 

 

 

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