アイコン 中国のEV用電池メーカー事情 補助金減で8割が倒産危機 EV・PHV

 

 

<規制内容>

中国の化石燃料車規制、環境車はEV、PHV、FCVと規定し、2019年から規制が始まり、販売台数の10%超の環境車を販売しなければペナルティが課せられ、20年には12%に引き上げられる。
ペナルティとなる罰金がEVメーカーに還元される。これは米カルフォルニア州の化石燃料車規制制度の仕組みに準拠したもの。
中国政府によるこれまでのEVに対する補助金は、2016年11万元(1元/現在16.22円)、2017年6万6000元、今年は3万元あまりに減り、20年には廃止される。

<すでに補助金削減で経営難に>
中国電気自動車用バッテリー業界が、現地当局の補助金縮小の影響を受け、相次いで破産したり、生産を中止するなど、大混乱に陥っている。
これまで、中国政府の補助金を背景に、中国国内の市場で競争関係にある外資の日本や韓国などのEV用電池メーカーを抜いてきた中国企業が、補助金縮小という受難の時代を迎えている。

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<中国第3位の電池メーカーが実質破綻>
関連業界によると、中国の電気自動車用バッテリー3位の深圳市沃特瑪電池(オプティマムナノ)は8月、資金不足を理由に今後6ヶ月間、生産ラインの稼動を中止すると発表したという。これに先立って今年4月、同社は、デフォルト(債務不履行)に陥って減産に踏み切っていた。

2002年に設立されたオプティマムナノの企業価値は、2014年は9億元(約145億円/16.22円)に過ぎなかったが、2016年は52億元にまで上昇した。純利益も同期間222万元から4億2500万元へと急上昇した。その上昇は、中国政府の電気自動車補助金政策によるものだった。

<銀隆新エネルギーも>
EV用電池とEVバスメーカーの銀隆新能源南京産業園(銀隆新エネルギー/中国第4位電池メーカー)は資金難で7月、生産設備が仮押えされる事態にいたったが、その後差し押さえは解除されている。銀隆新エネルギーには格力電器(薫代表)や万達などが出資している。

<補助金政策>
中国政府は2012年から、「省エネ型と新エネルギー自動車の発展計画」を推進しながら、電気自動車メーカーに対して自動車価格の半分近く補助金を支給してきた。
大気汚染対策や内燃機関の自動車産業において、先進国に遅れをとっている自動車産業を、電気自動車で追いつくという狙いがあった。
中国では、ナンバープレートの申請者が多く抽選となっているが、環境車には優先的に交付されるという得点もあり、普及に拍車がかけていた。

<EV普及が遅れる訳>
これまで中国政府は、外資のEV用電池メーカーを補助金対象の認定電池に認めず、中国メーカー製バッテリーを搭載した中国メーカー製車両に対してのみ補助金を差別的に支給したことで、国内電池メーカーの国際競争力を育成してきていた。
EVは、車両価格の1/3~1/2がEV用電池価格であり、ガソリン車など化石燃料車と比較し100万円前後高くなり、補助金なしには対応できない現実がある。
充電時間もまだ5時間以上かかり、80%充電の急速充電でも数十分かかるが、その充電ポストの問題はまだ解消されていない。中国の地方ならばなおさらのことだ。
米加州に加え中国の19年からEV販売強制は、中国は世界中から指摘されている工場煤煙による大気汚染の環境問題を抱え、国際社会から目を反らす主目的があり、プロパガンダにより強行するものでもある。
(ただ、中国では硫黄酸化物が先進国基準より多い劣悪ガソリン・軽油・重油を生産する国営石油精製会社の問題も抱えている)

<補助金大幅減少と20年廃止の影響>
中国のEV用電池業界は、2020年の補助金廃止を控え、中国政府が昨年から段階的な削減に乗り出したことで、状況は一転している。
中国中央政府と地方自治体は、2016年、走行距離250キロの電気自動車(1回充電基準)一台あたりに計11万元に達する補助金を支給した。しかし、昨年は6万6000元と補助金が半減し、今年からは再び最大で半分まで減少した。
2年間で補助金が4分の1に減った。また、走行距離が150キロ以下のモデルは、補助金の支給対象から外された。
20年にはその補助金自体が廃止される。

<世界首位のCATL>
中国首位であり、日本のパナソニックと世界首位を争っている寧徳時代新能源科技(CATL)の事情も容易ではない。
CATLの年間営業利益は、2015年の8億8,000万元から2016年は29億6,000万元に急増したが、昨年は前年比▲17%減の24億7,000万元に減少した。16年まで上昇し続けてきた営業利益、減少のショックは大きい。
CATLは特にEV用電池に特化し、中国の多くの大手EVメーカーに納入している。

<BYDは>
中国2位メーカーの比亜迪股份有限公司(BYD)も、今年上半期の利益が前年比▲72%も激減している。
BYDは携帯電話用電池製造、携帯電話の組立からEV用電池へ展開し、政府の保護政策もあり、EV用で大きく業績を伸ばし、さらに自動車生産に進出、特にEVバスでは、米加州へ工場進出するなど事業領域を広げている。

<20年の生き残りは10%~20%まで激減予想>
市場調査会社GGIIによると、2016年は109社に達した中国内電気自動車のバッテリーメーカーは、昨年80社に減少し、2020年には10~20社だけが生き残ると予想している。
但し、中国政府が補助金廃止方針を覆したり、他の規制が作られたりする可能性もなくはない。
これについて中国専門家は、米中貿易紛争のために「味方づくり」が必要な中国政府が、再び補助金カードを取り出す可能性は高くないとみている。
以上、報道機関各社記事参考追、

パナソニックは、EV用電池生産でテスラ・モーターズと運命共同体となっているが、テスラは拡販用モデルSを大量受注したものの、大量生産が軌道に乗らず、イーロン・マスクが陣頭指揮、今年6月にやっと週6000台生産の軌道に乗せた。
しかし、疲れ果て、挙句、いきなり上場廃止を打ち出したものの、資金の目処立たず頓挫、批判され続け退任説まで流れている。テスラは上海に工場を建設すると発表しており、今後の成り行きも注目される。
マスクは、優秀なスタッフも乏しい中、新アイデアの太陽光発電システム製造など事業領域を広げすぎ、太陽光発電事業では今年6月、大リストラを敢行すると発表している。
マスクはスペースXに事業専念する可能性が以前から指摘されている。
パナソニックは、サンヨー時代から続くテスラ=イーロン・マスクとの電池事業での関係を維持拡大し続けたいのは当然のこと。
テスラは米市場で今年1~8月までに前年比67.2%増の50,050台販売している。モデル3の生産が軌道に乗っており、受注残も抱え増加し続ける。

 

中国の環境車販売状況/万台
中国
環境車計
EV
PHV
2015
33.0
24.7
8.3
2016
50.7
41.7
9.0
2017
57.9
46.8
11.1


 

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[ 2018年9月10日 ]

 

 

 

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