アイコン フランス政府のルノー関与強化も

 

 

フランスのルノーは20日、東京地検特捜部が最高経営責任者(CEO)兼会長のカルロス・ゴーン容疑者を逮捕したことを受け、ナンバー2のティエリー・ボロレ最高執行責任者(COO)が暫定的にトップになったと発表した。
ゴーンCEOの解任は見送ったが、日産自、三菱自との連合は維持強化を続ける。

ルノーが20日夜(日本時間21日未明)に開いた臨時取締役会で決めた。ボロレ氏はゴーンCEOが2月にナンバー2としてCOOに据えた人物で、今回「暫定副CEO」に任命された。
ルノーは声明で「ゴーンCEOと同じ実権を持つ」役職だと説明した。

ゴーンCEOは、日本で金融商品取引法違反容疑で逮捕され、勾留中のため経営に復帰するメドは立っておらず、事実上ボロレ氏をトップとした新体制となる。暫定会長にはフィリップ・ラガイエット独立社外取締役が就いた。

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ルノーはゴーン容疑者のCEOと会長からの解任も検討したが、ルノー株15%を持つ筆頭株主の仏政府が「解任をするだけの情報がない」などと意見したため見送った。
仏政府は他国の司法手続きのため、慎重な判断に傾いたもようだ。

自動車行政を所管するルメール経済・財務相は20日朝の仏メディアの取材に、「仏政府が解任を求めない理由は単純だ。(不正の)証拠を持っていないからだ」と語っていた。

ゴーンCEOの処遇は、事件の進捗をみて再検討する。
連合を組む日産と三菱自はゴーン容疑者を会長職から解任すると発表している。
仏国内での不正の可能性は「事件発覚後に調べさせたが、何も出てこなかった」(ルメール氏)という。

ルノーは20日夜の声明で、事件を巡り日産から十分に情報を受け取っていないといらだちもみせた。
日産に対し「互いを信用し、尊敬する原則がある。ゴーンCEOの事件に関わる情報を全て送ってほしい」と求めた。
ルノーにとっては、2013年ぶりの経営トップの入れ替えとなる。
ゴーン容疑者は2005年にルノーCEOに就き、日産と車台やエンジンなどの部品共通化を進めた。
燃費不正が発覚した三菱自との連合も指揮して2016年に3社連合体制を形成。
2017年には3社連合で独フォルクスワーゲン(VW)に次ぐ世界2位の販売台数を記録した。
ゴーンCEOは電気自動車(EV)市場にもいち早く目を付け、欧州市場に「ゾエ」を投入した。
ゾエは、現在欧州EV市場でシェア首位を誇る。中国、ロシア、南米など新興国市場開拓に道筋も付けた。
ボロレ氏は2012年にルノー入りし、頭角を現してきた。当初の計画では2022年までに経営を引き継ぐはずだったが、思いもかけぬバトンタッチとなった。
以上、報道参照

日産へゴーン氏以外に2人送り込んでいる。
22日に行われた日産取締役会議、ゴーン氏の代表権の解任と会長職の解職、米人のケリー氏を代表権の解任は、全会一致で了承されている。
会議では、ルノー派遣の取締役2人(フランス・TVでの参加)もおり、説明に4時間超にも及んでいる。その結果、全会一致での解任となった。
ならば、当然、ルノーの当該の2人の取締役会から、ほかの日本側の取締役からもたらされた情報のすべてはルノー本体に伝えられている。そのためのルノー派遣取締役でもある。
その上で、日産から情報がもたらされていないとするのは、単なる時間稼ぎともいえる。

よりによって、仏経済大臣まですでに深く介入しており、彼もまた情報を得ていないとし、ルノーにおけるゴーン氏のCEOを解任していない。(ゴーンCEOはルノーの中での不正はなかったとろくに調べもせず、公表している。・・・短時間過ぎる)

(ロスチャイルドの元バンカーであるマクロン大統領は、大臣時代からルノーによる日産の吸収統合につき深く関与、大臣時の2014年、2年以上所持の株券の議決権を2倍にするフロランジュ法を制定し、15%保有株を倍の議決権を持つようにし、2015年4月にはルノー株をさらに4.7%分を買い増しもしていた。
こうした動きにより、マクロン大臣はルノーに対し仏政府の影響力を強化しようとした経緯がある。しかし、ゴーン氏らの反対にあい、政府は関与しないことで合意、4.7%の買い増し株券も2017年11月に売却し、大臣時代から大失敗を露呈していた。現在もその意向・忖度で経済大臣は動いているはずだ)
経済外交における世耕はその能力なく危なっかしい。

2、強引な蓄電池事業の売却
2007年に設立し、日産リーフ向けEVでリチウム蓄電池を生産している「オートモーティブエナジーサプライ」 (AESC、神奈川県座間市)。日産が51%、NECグループが49%を出資ししているが売却を決定、中国のファンドであるGSRキャピタルグループが設立したGSRエレクトリックビークル(UK)ホールディングに売却することで合意していたが、売却代金の1100億円の支払いができず流れた。
しかし、8月になると、中国の再生可能エネルギー事業者であるエンビジョングループに譲渡すると発表した。来年3月決済予定であるが、新会社の25%を日産が保持し続けるという。これは日産リーフへの蓄電池の納品が継続することを意味する。
(中国への最新技術流出となる。NECの撤退なのか、日産ゴーンがルノーへも供給し、価格交渉ができるLGにシフトさせる企図したものと見られる)
ただ、EVに占める蓄電池価格は車両価格の30%超に及び、合弁化しグループで利益を得なければ、総合利益を減ずることになる。(大量生産効果で蓄電池価格は下がると見られるが・・・)
こうした、ゴーン氏の強制・命令体制が、業績が回復したにもかかわらず続くことに嫌気がさしたものと見られる。

3、ルノーの利益には日産の協力の下に得た利益も大きい(・・・日産の不満がある)。
(フランスと韓国のルノー工場で日産車生産)
4、フランス人はプライドが高い人種として有名。

<決裂した場合>
1、日本の証券取り扱いでは、ルノーが日産株43.7%を保有しているが、日産もルノー株15%を保有しており、議決権がないとしても、25%超まで日産がルノー株を取得した場合、ルノーの43.7%の議決権行使はできないという。

2、さらに、日産の取締役構成は5人が日本人、ゴ―ン氏含む4人が外国人(仏人3人、米人1人)であり、日本人取締役たちだけでも日産増資を決議すれば、ルノーの43.7%の持株比率を33.3%未満にすることさえできる。

フランス政府もこれ以上、ルノー・日産にちょっかい出せば、まとまるものもまとまらなくなる。

 

日産とルノー
 
 
売上高
営業利益
営率
販売台数
前比
日産(百万円)
11,951,169
574,760
4.80%
581
4.6%
ルノー(百万円)
7,519,621
493,119
6.55%
376
8.5%
ルノー(万ユーロ)
5,877,000
385,400
6.55%
(三)  103
10.0%
・1ユーロ127.95円で計算、ルノーは日産収益の持株適用しているものと見られる。17/12期のルノー、18/3期の日産数値。販売台数は17年、営率は営業利益率
1,060万台
 

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[ 2018年11月26日 ]

 

 

 

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