アイコン 7~9月期の世界スマホ市場▲8.4%マイナス サムスン電子・中国で70万台まで激落

 

 

7~9月の中国スマホ市場の販売ランキング

1、華為(ファーウェイ)、
2、OPPO、
3、VIVO、
4、小米(シャオミ)
5、小辣椒(シャオラージャオ)、
6、SUGAR、
7、CMCC
・・
11、サムスン電子

 

2018年第3四半期のスマホ世界販売ランキングとシェア
 
17Q3
18Q3
台数
 
百万台
シェア
百万台
シェア
前年比
サムスン電子
83.4
21.2%
72.3
20.1%
-13.3%
Huawei(華為)
39.1
9.9%
51.8
14.4%
32.5%
Apple
46.7
11.9%
46.9
13.0%
0.4%
シャオミ(小米)
27.7
7.0%
33.0
9.2%
19.1%
OPPO
31.4
8.0%
31.2
8.7%
-0.6%
その他
164.8
41.9%
124.8
34.7%
-24.3%
合計
393.1
100.0%
360.0
100.0%
-8.4%
・米市場調査会社ストラテジーアナリティクス(SA)版

 

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米市場調査会社ストラテジーアナリティクス(SA)によると、7~9月期のスマートフォンの販売台数は前年比▲8.4%減の3億60百万台にとどまった。サムスンもアップルも新製品を投入したものの、11月になり販売不振が明らかになり、NY株式市場ではアップルショックが生じ、半導体・半導体製造装置など関連銘柄まで広く売りこまれている。

<サムスン電子の中国でのスマートフォン事業が不振の泥沼を抜け出せず>
サムスン電子の7~9月期は、世界市場で前年同期比▲11.1百万台減、▲13.3%減の72.3百万台となり、かろうじてシェア20%を維持した。

サムスン電子の中国における今年7~9月期の販売台数は70万台で、市場シェアは0.7%まで没落、販売台数、シェア共に過去最低。
サムスン電子は2014年1~3月に中国でのシェアは19%を記録し、販売台数も1800万台に迫っていた。
しかし、2015年4~6月期には販売台数が1000万台を割り込んだ。今年4~6月期以降は100万台にも届かなくなり、市場での影響力を完全に失った。

<高価格帯でアップル、中低価格帯は中国勢が圧倒>
サムスン電子は、中国で既存の商品群であるギャラクシーS、ギャラクシーノート、ギャラクシーA、ギャラクシーJシリーズだけでなく、現地専用モデルのギャラクシーSライトと高価格のフォルダー型スマートフォン、ギャラクシーW2019も投入した。
ラインアップを多角化し、中国を攻略しているが、全ての製品が米アップルや中国現地メーカーとの競争で完全に敗れている。

まず、高価格帯では、ギャラクシーS、ギャラクシーノートがアップルに市場を奪われている。アップルは今年7~9月にiPhone X(テン)、iPhone XSなど790万台を売り上げた。
同期間にアップルは中国、台湾、香港で114億1100万ドル(約1兆2800億円/16.31円)を売り上げ、前年同期比16%の増収を記録した。

サムスンは中国で苦戦しているが、アップルは高級化戦略で売上高を伸ばし続けている。
中低価格帯は、状況がさらに深刻。華為、小米など中国メーカーはサムスンよりもはるかに低価格で最先端技術を搭載したスマートフォンを投入し、市場を掌握している。

華為の「HONOR 8C」は、価格が1099元(約1万7800円)にすぎないが6.26インチの大型タッチパネルにデュアルカメラを搭載している。

小米の「Mi MIX 3」は、メモリ8ギガバイトに加え、クアルコムの最新チップセット「スナップドラゴン845」を搭載しながら、価格を3599元に抑えた。

一方、サムスンが30万ウォン(1830元/0.0061元)台で投入したギャラクシーA8はカメラレンズが1つしかなく、画面も5インチという商品。コストパフォーマンスで負けてしまっている。

<生産多角化と販売戦略見直し>中国企業に企画製造委託
 サムスン電子は、中国での不振を打開するため、生産方式から販売戦略までてこ入れを行っている。サムスン電子は今月1日、同社としては初めてODM(相手先ブランドによる設計・製造)方式を採用したスマホ、ギャラクシーA6sを中国市場で発売した。
同機種は、中国の聞泰科技が企画から生産までを担当し、サムスンのギャラクシーブランドを付けた商品。30万ウォン台だが、6インチのOLEDパネルとデュアルカメラを採用し、性能を高めた。

サムスン電子関係者は「コストを削減し、中国現地に特化した商品を開発するため、ODM方式を採用した」と説明している。
成果を期待してのODMだが、サムスン電子は中国勢に価格対応できる生産コストをなくしているともいえる。
販売戦略はオンライン中心へと転換している。サムスン電子は中国の電子商取引(EC)業界2位、京東(JDドットコム)と提携し、サムスンスマホの専用ページを開設した。
ネット通販でスマホを購入する消費者が多いという中国市場の特性を反映させた。
以上、SAや韓国紙参照

一度、失った市場を取り戻すには画期的な製品の投入が必要だろうが、真似の進化型で成長してきたサムスン電子にそうした開発できる能力は持ち合わせていない。会社組織にもAppleのようなそうしたまったく新しい製品開発部隊もない。

期待のフォルタブルフォンは来春販売を開始すると発表しているが、10月にはすでに中国ベンチャー企業が製品発表、同時に予約も開始し、サムスン電子は2番煎じになっている。
また、価格も中国ベンチャー企業でも16万円だとされ、20万円台の高値になると見られる。ただ、自社製の折り曲げの有機ELディスプレイ搭載で価格を15万円台に落とせば、アップルの高級機種とも競争でき、大ヒットする可能性があるが、有機ELは歩留まり率が悪く価格は落とさないだろう。

サムスン電子は、かつて稼ぎ頭のスマホは凋落一途、当時、利益が出なかった半導体が、AIやら、IOTやら、ロボットやら、データセンター、EV向けに急拡大、2016年から価格も暴騰し、現在はサムスン電子のほとんどの利益を稼ぎ出している。

期待の蓄電池のSDIは、中国の補助金支給の保護主義により車両用が補助金対象に認定されず鳴かず飛ばず、やっと、EVの黎明期が欧米にも押し寄せており、日の目を見るのも近づいている。その間に、中国の2大蓄電池メーカーは飛躍的に巨大化し、事業を急拡大させている。
  家電事業は、最高位に費用かされたなど騒ぐばかりで利益は出ていない。骨肉のライバルLGとの競争意識だけで開発・製造を続けている。

隠し期待度№1だったサムスンバイオロジックス(バイオ/後発医薬品メーカー)は、巨額粉飾決算で上場も売買を停止させられ、事業承継問題の核心企業であるサムスン物産の合併問題とも絡みそれどころではない。

半導体にしろ、有機ELにしろ、中国国策の「中国製造2025」のターゲットになっており、米中貿易戦争による世界経済の後退が長引けば、供給過多に陥り、価格暴落、再び半導体不況に陥る可能性もある。
19年から始まる中国勢の巨大工場の本格稼動に加え、サムスン電子もSKハイニックスもさらなる巨大工場の建設計画を持っている。

<↓SOX半導体指数1年チャート>
11月21日は1,174.8215ポイント。

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[ 2018年11月22日 ]

 

 

 

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