アイコン パンドラの箱を開けた日産 ゴーン会長の逮捕 株主構成・取締役・執行役員構成 

 

 

カルロス・ゴーン氏はルノーのCEO、日産自動車と三菱自動車工業の会長として、ルノー、日産、三菱の株式の相互保有を含む戦略的パートナーシップ=アライアンスを統括する「ルノー・日産・三菱アライアンス」の社長兼最高経営責任者(CEO)をも兼務している。

前々代のフランスのサルコジ大統領時代には、ゴーン氏はフランスの運輸大臣になるのではと噂されていた時期もあった。
前代のオランド大統領時代の2015年、フランス政府がルノーの持ち株比率15%を、4.7%分を買い増し19.7%保有し、フランス政府はルノーへ圧力をかけ、日産を吸収統合させる動きをした。しかし、ゴーン氏は日産株を新規に発行してルノーの持株比率を減らすぞと脅し阻止した経緯がある。
現在のマクロン大統領は、2017年11月、オランド政権が買い増した4.7%分の株を売却した。

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<後継者人材を育成出来ない独裁者>
これまでゴーン氏は、後継者と見られる欧州人材を採用しては、自らの地位を揺さぶる存在であってはならないという独裁ぶりから、要職に抜擢しながら、採用された幹部は仕事をさせてもらえないと不満を漏らしながら辞めていった者が何人もいた。
日本の多くの人望高き役員もこれまでに切り捨てられてきた。

<自動車販売台数と株主関係・ルノーの時価総額>
2017年のルノー日産グループの販売台数は1,060万台、
内訳は
ルノー376万台(35.4%)、
日産581万台(54.8%)、
三菱103万台(9.7%)。

ルノーが日産株を43.7%持ち、日産は議決権のないルノー株を15%保有している(出資という形で金融支援形式)。
日産は三菱自の株を34%保有し、3社はアライアンス結合している。
ゴーン氏がNissan-Mitsubishi B.V.取締役会長兼最高経営責任者である。

11月20日のルノーの時価総額172.58億ユーロ(2兆2,123億円)、
日産の株価950.7円×ルノーの日産株持株数1,831,837,000株=1兆7,415億円、
ルノーの時価総額に占める日産時価総額の比率は79%に達している。
(11月20日の日産の時価総額は4兆0,123億円)

<<逮捕>>
ゴーン氏の報酬は2011年3月期から2015年年3月期までの5年間の報酬合計は、約49億8,700万円と記載していた。しかし、実際の報酬は、約99億9,800万円と実際は倍だった。
また、2017年度までの4年間に、株価連動報酬を受け取る権利40億円分取得しながら有価証券報告書に記載していなかった。
こうした有価証券報告書不実記載により、ゴーン氏は2018年11月19日東京地検特捜部に逮捕された。不正に関与し、不正の実務を執行していたとしてグレッグ・ケリー代表取締役も逮捕されている。

<ゴーン氏は、報酬について過去株主総会でこう述べていた>
2017年6月27日の株主総会でゴーン会長は、「2016年度の私の報酬額は10億9800万円で2015年度から2.5%増加した。米ドルに換算すると990万ドルだった」と述べ、さらに「2016年のベンチマーク比較調査によると、当社に匹敵するグローバル自動車メーカーの最高経営責任者(CEO)の平均報酬額は1770万ドルだった。最も報酬が高かった世界の自動車業界のCEOの報酬額は2950万ドルだった。また調査の対象となったすべての企業のCEOの報酬額の中央値は1600万ドルだった」と述べていた。

ただ、ゴーン氏は別途、ルノーなどからも報酬を得ている。
2017年6月、社長兼最高経営責任者(CEO)から退いたゴーン氏(代表取締役会長)の日産での役員報酬は、過去最高の2016年度10億9800万円から2017年度は不正検査問題もあり7億3500万円に下げた。
しかし、ルノーの役員報酬は740万ユーロ(9億5290万円)、三菱自動車2億2700万円で、3社の合計役員報酬は19億円を超えていた。

(日産は、株主総会決議で、役員報酬総額を30億円まで認められている。実際の支払額は20億円とされ、残り10億円が各役員に支払われたようにし、実際はゴーン氏に渡ったのではないかと指摘されている。そこに代表取締役のケリー氏が深く関与し、機密に処理させていたのではとされている)
日本人の監査役4人は何を監査していたのだろうか。次回全員首だろう。

<両罰規定により法人の日産も立件へ>
東京特捜部は、ゴーン氏の50億円の隠し役員報酬について、その有価証券報告書の虚偽記載が長年続いていたとして、法人の日産も立件する方針を固めている。

<役員報酬外の不正>
不正は、ほかにも子会社を通じて世界各地に高級住宅を購入・個人使用(レバノン+ブラジルなど)、私的独断投資、会社資金の私的流用などが挙げられている。
2ヶ所の高級住宅は、日産が約60億円を出資設立したオランダ子会社(ルノー・日産B.V.)を通じて購入されていた(当案件に関与していた法務部門幹部の外国人執行役員が、司法取引で詳細を証言しているとされる)。
  数千万円の海外家族旅行の付回しもあるという。

こうした不正の発覚は内部告発により、秘密裏に内部調査され、裏取りをした結果だと日産自動車の西島社長兼CEOは19日夜の会見で述べている。

<パンドラの箱を開けた日産>
今年3月、ルノーがフランス政府所有のルノー株(持株比率15%/議決権は最近の所有株は2倍・・・実際の議決権比率は不明)を全株買収する交渉に入ったと報道されていた。
ゴーン氏はルノーに対するフランス政府の関与を排除する動きをしていたが、その後、コトは動いていなかった。

しかし、今回の日本側の動きに対して、フランスのマクロン大統領は、(今や当グループでは日産が稼ぎ頭になっており)、総合的にフランスの雇用を守るために、日産をルノーに統合させる動きを加速させるものと見られる。

フランスの予想される動きは事前からわかっており、今回、ゴーンというルノーと日産との間の壁をなくした日本側は、どういう戦略を持っているのだろうか。

それとも、ゴーン氏(64歳)がマクロン大統領と政治取引して、すでに日産をルノー傘下にする動きをしていたことを察知した日本側が、隠し持った情報を内部告発という形で表面化させた可能性もあろうか。ゴーン氏はやはり大臣ポストが最後の名誉職と考えていたかもしれない。

<取締役構成>
日産の取締役構成は現行、日本人5人対外人4人、うち外人2人が今回逮捕された。ただ、まだ刑が確定したわけではなく容疑者であり、次回株主総会(2019年6月下旬)で取締役候補に挙がらなかったとしても、自らが辞任しない限り、それまでは取締役に変わりない(起訴された段階で取締役の任が解かれる特別条項が定款にない限り)。

そこで日産側は、取締役としての善管注意義務に違反したとして、ゴーン氏と代表取締役のケリー氏の2人の解職を取締役会に提案する方針。
ここでいう解職とはゴーン氏の代表取締役会長職とケリー氏の代表取締役の代表権の剥奪をさす。取締役の選任は過半の株主であり、本人が辞任しない限り、臨時含む株主総会でしか解任できず、取締役会に解任権はない。

今後、ルノー側が、日産に対して、決算株主総会の6月を待たず、緊急株主総会の召集を、役員数も含め要請する可能性もある。

待ったとしても次回2019年6月の決算株主総会では、ルノー側が取締役を5人出す可能性が高い。そうなれば、日産は、ルノーの子会社、ルノーの吸収統合、ルノーによる吸収合併が現実なものとなり、最悪、日産は会社がなくなり、単なるブランド名になる可能性もある。

<司法取引>
こうした事案は、会社組織を介在させなければできないことから、普通、関係者らとともに会社も立件される。
しかし、会社側は司法に情報提供することで、2人だけを逮捕するに至っている。今年6月施行された司法取引が適用されたのは、日産法務部門の幹部とされる外国人執行役員だけが挙がっている。

具体的には、当該2人を立件するに当たり、解明は難しく、外国人執行役員が司法取引に応じ証言したとされる。オランダに設立したルノー・日産B.V.を使い、高級住宅購入、ゴーン氏への無償提供などに関わっていたとされる人物。

後は安倍首相とマクロン大統領の政治の世界だろうか。

<ゴーン氏と日本>
ゴーン氏は、日本の経営者の報酬を見て、自らの報酬を20億円取ることができなかったのだろう。取ったとしても誰も反対しなかっただろうが、日本・日本人・日本式経営を意識しすぎたのかもしれない。
ただ、ゴーン氏はあくまでルノーから派遣された日産の経営者に過ぎない。いくらルノーのCEOになったとしても、ルノーの経営会議が日産での20億円の報酬に反対すればそれはそれで不可能となる・・・。年報酬20億円はルノーCEOの倍額以上にもなる。

ゴーン氏は日産再建を成功させ、今日ではルノーの頂点まで上り詰めた。日産では、長年頂点に君臨し、お気に入りだけを取締役にし、外国人もイエスマンばかりを布陣させてきたはずだった。 
しかし、長期に日産に君臨し続けることで、オーナーと勘違いして私物化してしまい、今回の逮捕という事案をゴーン氏自らが作ってしまい、お気に入り効果は個人の法的な問題に対しては、何ら機能しなかった。
日本では、ハゲタカ型再建、国からも再建の標本のように持てはやされ、財界からも奉られ続けた結果、本人も日本で何でもできると勘違いしたのかもしれない。マッカーサーのように、言ったことを、何ら逆らいもせず、そのとおり実行する日本人の精神年齢を13歳と見たのかもしれない。

今回の逮捕劇で、ゴーン氏の私的お気に入りの取締役や執行役員たちは、今後、日産経営陣により大粛清が計られるものと見られる。少なくとも2019年4月までには。

 

日産自動車大株主の状況 2018年9月30日現在
株主
所有株/千株
比率/%
ルノー エスエイ
1,831,837
43.7
ザ チェース マンハッタン バンク系
144,232
3.4
日本マスタートラスト信託銀行(信託口)
132,178
3.2
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口)
111,423
2.7
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口9)
56,771
1.4
日本生命
54,029
1.3
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口5)
45,974
1.1
ステート ストリート バンク系
41,895
1.0
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口1)
33,421
0.8
日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口2)
32,863
0.8
2,484,623
59.3
株式発行総数:4,520,715,112
 
 

<取締役構成>

日産自動車の取締役9名

 

代表取締役会長

カルロス・ゴーン

平8年10

ルノー入社

 

平8年12

同社上席副社長

 

115

日産・取締役最高執行責任者

 

136

日産・代表取締役社長兼CEO

 

174

ルノー社長CEO就任

 

21年5月

ルノー取締役会長兼最高経営責任者=CEO()

 

2812

三菱自動車工業㈱取締役会長()

 

29年4月

日産・代表取締役会長()

 

29年5月

ルノー・日産会社取締役会長兼最高経営責任者()

 

29年6月

Nissan-Mitsubishi B.V.取締役会長兼最高経営責任者()

 

代表取締役社長兼最高経営責任者CEO

西川廣人

176

取締役、副社長・執行役員

 

29年4月

当社取締役社長兼最高経営責任者()

 

29年6月

Nissan-Mitsubishi B.V.取締役()

 

代表取締役

グレッグ・ケリー

 

弁護士

 

633

北米日産会社入社、人事部担当

 

204

日産入社・執行役員

 

246

常務として取締役に就任、26年代表取締役専務に就任。

 
 

取締役副社長

坂本秀行

26年6月

当社取締役、副社長(執行役員)()

 

取締役

志賀俊之

29年6月

当社取締役()

 

取締役

ジャン・バプティステ・ドゥザン

57年9月

ルノー入社

 

21年6月

当社取締役()

 

取締役

ベルナール・レイ

63

ルノープロジェクトダイレクター

 

26年6月

当社取締役()

 

社外取締役

井原慶子

25年1月

国際自動車連盟Women in Motorsport評議会アジア代表評議員・ドライバーズ評議会女子代表委員()

 

27年4月

経産省産業構造審議会委員()

 

27年7月

外務省ジャパン・ハウス有識者諮問会議委員()

 

27年9月

慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科 特任准教授()

 

28年6月

㈱ソフト99コーポレーション社外取締役()

 

30年6月

当社取締役()

 

社外取締役

豊田正和

18年7月

同通商政策局長

 

2011

内閣官房参与

 

22年7月

㈶日本エネルギー経済研究所理事長()

 

23年6月

日東電工㈱社外監査役()

 

27年3月

キャノン電子㈱社外取締役()

 

30年6月

当社取締役()

 

 


<日産自動車の執行役員51名>
日本人27名、外国人24名、男性49名、女性2名(執行役員のうち女性比率4%)。
・上記記載の取締役 カルロス ゴーン、西川廣人、坂本秀行の3名の他に、
・ 最高財務責任者 軽部博、CPLO フィリップ クラン、CPO ホセ ムニョス、CCO 山内康裕、
・ 副社長  クリスチャン ヴァンデンヘンデ、同 山口豪、同 ダニエレ スキラッチ、
・ 専務執行役員 川口均、同 浅見孝雄、同 関潤、同 ホセ ルイス バルス、同 秦孝之、同 ローランド クルーガー、同 アルン バジャージュ、同 星野朝子、同 ラケッシ コッチャ、同 ハリ ナダ、同 立石昇、同 アルフォンソ アルバイサ、同 ペイマン カーガー、同 デニス ル・ヴォット、同 ジャンルカ デ フィッシ、同 中畔邦雄、同 アトゥール パスリチャ、同 内田誠、
・常務執行役員 田川丈二、同 高橋雄介、同 ルー ドゥ・ブリース、同 トニー レイドン、同 安徳光郎、同 平井俊弘、同 長岡宏、同 大伴彰裕、同 ケント オハラ、同 レオン ドサーズ、同 早川敦彦、同 中井良和、同 田沼謹一、同 吉村東彦、同 伊藤由紀夫、同 カトリン ペレス、同 ホセ ロマン、同 カルロス セルヴィン、同 トニー トーマス、同 本田聖二、同 赤石永一、同 イヴァン エスピノーサ、同 山﨑庄平の48名で構成されており、
フェローとして久村春芳、豊増俊一の2名がいる。
※外人が多いのは、ルノー系なのか、ゴーン系なのか、日産系なのか不明。

ゴーン会長は19日、羽田に日産専用機で降り立ったところを東京特捜に任意同行を求められた。

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[ 2018年11月21日 ]

 

 

 

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