ムン氏のあかんたれ感
お隣の国から流れてくるニュースにはヘドが出ることばかりだ。
前任者もそれはそれで酷かったが、今の人の愚かしさは救いがたい。こうなってみると、すぐ忘れてしまう日本人の悪い癖が出てきて、パクさんのクネクネ感さえ愛おしく思えてくる。
いつものように(農と島のありんくりん)さんが、的を得た痛快な批評をしている。どうぞ読んでみてください。
農と島のありんくりん
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/
移り変わる自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する
ムン氏のあかんたれ感
慰安婦合意の見直しと、南北会談が同時に起きました。
本来はこのふたつのことは別次元の話なのですが、主役がなにぶん「あの人」なので、ひどく似た印象になります。
前者では意味不明、後者においては致命的にも「南北関係のすべての問題はわが民族が当事者として解決する」という文言を丸飲みしてしまっています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25489400Z00C18A1EA2000/
https://jp.sputniknews.com/politics/20180110445665...
こんな漠然としたどうにでも取れる条項をいったん飲んだら最後、北朝鮮は米国や国連の圧力が高まるたびにこの条項を持ち出すことでしょう。
この条項は、朝鮮半島情勢に対する外国勢力の介入を許さないという以外にとりようがない性質です。
いうまでもなく、北朝鮮の核は韓国にのみ照準されたものではなく、日本や米国にも刃を向けています。
おそらく、北の核保有が認められることになれば、核の連鎖が生じることとなります。それはアジア全域に拡大し、世界の不安定な地域に飛び火するでしょう。
それを「これは民族内部のことだから、オレらで解決しような」では、周辺国はたまったものではありません。
そもそも韓国には解決能力はおろか、当事者意識すらありません。あればこんな事態にはならなかったはずですから、何いってんだかです。
前の朝鮮戦争は、北朝鮮という軍事独裁国家が大国を戦争に巻き込む形で始まりました。
当時のソ連は渋々、中国など負け始めたためにもっと渋々増援を送ったわけですが、中国は建国したばかりの時期に、推定で約50万の戦死者と台湾の「解放」を断念せざるをえないという大きな代償を払いました。
一方、韓国はイ・スンマン大統領が真っ先に逃亡するような当事者能力のなさで、たちたま釜山の一角に追い詰められるありさま。
仕方なしに、国際社会が国連軍全体で約35万といわれる犠牲を払って韓国を守らざるをえませんでした。
今回も同じ構図です。ま、これも韓国にかかると、大国の代理戦争の狭間に泣くウリナラというふうな理解になってしまいますが。
北朝鮮の核の暴走をもっとも強く抑制せねばならない韓国がこのざまですから、日米や国際社会が力を貸しているのであって、それを「わが民族が当事者として解決する」とは、聞いて呆れます。
今後、オリンピックの出場などという安い見返りで得たこのカードを、北朝鮮は使い倒すことでしょう。
たとえばケソン(開城)工業団地は、北朝鮮と韓国との軍事境界線付近に ある経済特別区ですが、この再開などうってつけです。
とうぜん国際社会が決めた制裁破りになりますが、北朝鮮から「すべてわが民族内部のこととして解決する」って約束したではないかと言われれば、はい、そのとおりでございますと言うしかなくなりました。
米韓合同軍事演習などについて、この階段でも北朝鮮は延期されたことを評価し、さらに中止を求めたようですが、以後、南北和解の機運に敵対するのかと言われれば、はい、そのとおりでございますというしかなくないでしょう。
馬鹿ですねぇ。こういう外交的白紙手形を瀬戸際外交の名手に与えてどうするのかと思いますが、これで米韓同盟の先は見えました。
一方、このムン氏のあかんたれ感は、日韓合意にもあますところなく現れています。
日韓合意について、ムン・ジェイン(文在寅)大統領は新年年頭会見でこう述べています。
「80年以上前に花の少女一人守ってくれなかった国が被害おばあさんたちに戻って深い傷を抱かれた。 国の存在理由をもう一度考えています。
韓日両国間の公式の合意をした事実は否定できません。 日本との関係をよくしていくことも非常に重要です。しかし、誤った結び目は解かなければなりません。 真実を無視したままで道を行くことはできません。 真実と正義という原則に戻っていきます」
文学的香り溢れるというと聞こえがいいですが、一国の統治者として何をいいたいのか、日本が憎いのはわかりますが、どう再び謝らせたいのか、その道筋がさっぱりわかりません。
そもそも、日韓合意を廃棄したいのか、したくないのか、千々に乱れるムン氏の心はグチグチャなようです。
ムン氏は、この記者会見で質問に答えてこんなことを述べています。
「日本が自主的に真実を認め、謝罪しなければならない。しかしそのために政府間で行われた合意を破棄することはできない。被害者排除自体が間違いだった」
「二国間条約は動かないから、日本に謝罪しろ」。なんだ、日本が自主的にもう一回、頭を下げて許しを乞えということですか(苦笑)。
ムン氏にはお気の毒ですが、締結されて、さらに議会で批准されてしまった二国間条約は動きません。
メディアはTPPを持ち出して、「日本政府のいうように1ミリたりとも動かないでは解決しない。二国間合意はよく破られている。大人の対応を」などと言っているところが出ているようですが、TPPを米国議会は批准していません。
批准されていないから、トランプが署名を拒否できたのです。
一方、日韓合意は完全に終了しています。条約に両国政府が署名し、両国議会で批准され、合意に伴う支援として10億円を支払い済です。
完全にオシマイです。
https://thepage.jp/detail/20151230-00000003-wordle...
事実、慰安婦の8割に達する47人中36人が、日本からの金を受け取っています。
ムン氏は「自主的に認めて謝罪しろ」といっていますが、何をいってんだか、とうにしています。
安倍首相の日韓合意における文言。
「日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明し、慰安婦問題を含め、日韓間の財産・請求権の問題は1965年の日韓請求権・経済協力協定で最終的かつ完全に解決済みとの我が国の立場に変わりないが、今回の合意により、慰安婦問題が『最終的かつ不可逆的に』解決されることを歓迎する」
そしてバククネ(朴槿恵)前大統領の発言。
「今次外相会談によって慰安婦問題に関し最終合意がなされたことを評価し新しい韓日関係を築くために互いに努力していきたい」
日本は1965年の日韓条約は再交渉の余地なしという大前提に立った上で、慰安婦問題もまた「最終的、かつ不可逆的に解決」した証として、韓国政府の基金に対して10億円を支払い済みしたということです。
したがって、日本側としては10億円を払った時点で一切の日本側の義務は完了し、基金は韓国政府が管理することになったわけです。
ですから日本政府としては、韓国政府が「慰安婦を守れなかった国の意味」をかんがえるのも自由、慰安婦に渡した10億円を回収しようと、玄界灘に捨てようとどうぞご自由に、という立場です。
日本としては既に「謝罪」と金の支払いは済ませており、これ以上なんの「真実を認め」、「自主的に謝罪せねばならない」のか、まったく理解を超越します。
すべてが、ムン氏が慰安婦合意批判で当選し、それを覆すことを公約してしまったので、引くに引けない状況になってしまった韓国のお家の事情というだけのことです。
それは貴国の内政です。日本は韓国の内政に干渉できません。
というわけで、わが国のL・鳩山前首相にそっくりのL・ムン氏の苦闘はまだまだ続くのでありました。
それにしてもパククネ氏がまともに見えるような、ルーピー界の逸材が現れるとは、さすがに思いませんでしたね(笑)。