アイコン 5年後までに米シェールオイル生産74%増の780万バレルへ

 

 

国際エネルギー機関(IEA)は5日発表した2023年まで今後5年間の石油市場見通しで、米シェールオイルの生産が23年に17年比で74%増(日量332万バレル増)の日量780万9000バレルに増えるとの見通しを示した。
23年に米原油生産全体(NGL含む)も約3割増の日量1690万1000バレルに拡大。

すでに世界最大の産油国となっている米国、さらに世界で米国産原油の影響力が強まるとしている。
世界の需要は、世界同時景気拡大などで、23年に17年比7%増の日量1億470万バレルになる予想。自動車向けガソリン需要の伸びは鈍化するが、石油化学向け原油需要が堅調に伸びる見通しとしている。
以上、

サウジが主導するOPECが減産せず、一時は30ドルを切る価格まで下落した原油価格、市場を米国勢に奪われたくないとして供給し続けていたが、サウジの王様が1千人2千人引き連れ外遊やバカンスに興じることから、財政が火達磨になり根を上げ、OPECやロシアなどが減産に踏み切り価格上昇、原油価格暴落でダメージを受けた米シェールオイル軍団は、さらに生産効率化や大規模化を図り、生産稼動リグ数のピーク1,609本(2014年10月10日)、ボトム316本(2016年5月20日)まで▲80.4%減となったものの、生産量は3割減までにとどまっていた。

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減産による価格上昇は、証券バブルが後押しし、悪化要因は無視、事故や生産一時停止、米原油在庫減などプラス材料にばかりで価格を押し上げてきた。
OPEC+も価格上昇で本来、減産中止となるのだが、減産しても増産しても価格の上下で受け取る額は一緒と諦めているようだ。

この間、米トランプは貿易赤字問題をネタに、米の原油や天然ガスを貿易赤字国に買い取らせる動きに転じており、米原油生産は上記のようにますます増加するものと見ている。

OPEC+の減産終了や米景気が崩れない限り、原油価格は大きくは下げず、輸出解禁したばかりの米国の世界シェアがますます拡大することになり、OPECの世界での販売市場にも尻に火がつくことになる。
米産原油(原油+シェールオイル)には、原油世界埋蔵量に匹敵するとされるカナダのオイルサンド産の原油(重質油で精製コスト高)も米国で精製され、米国から輸出される。

すでに、サウジもロシアに動き、米国一辺倒ではなくなってきている。
米トランプの保護貿易、赤字撲滅の各国への半強制原油輸出は安全保障面にも影響してくる。

 

米原油掘削リグ稼動数2年チャート/ヒューズ社版
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<米WTI原油先物価格3年チャート>
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[ 2018年3月 6日 ]

 

 

 

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