アイコン 11月の中国自動車販売台数▲16.0%減 米中貿易戦争の影響ズシリ GMにも

 

 

中国は今年に入り米中貿易戦争が拡大し続け、経済低迷は雇用も深刻化しつつある。そうした中、自動車販売台数も貿易戦争が本格化した7月からマイナスを続け、米国が9月中国に対して2000億ドルという超ド級MOAB投下を受け、中国の自動車販売台数はマイナス幅が拡大している。米国は、残るは2650億ドルの最終兵器の使用を検討しているが、強力すぎて自爆のおそれもあり躊躇している。

 
すでに米国勢の中国での自動車販売台数は大幅に落ち込んでおり、特に昨年406万台中国市場で販売したGMは、トランプにより自爆させられ、北米の5工場(+2海外)を閉鎖する方針を発表した(2017年米国でのGMの販売台数は300万台)。
 
大統領とは、どこの国も何か足りない人たちがなるようで、GMに対して米国工場を閉鎖した場合、補助金を全部カットするぞと、自らの政策で弱り果てているGMに対して脅迫する始末。自己陶酔偏執狂型の人たちが大統領になるようだ。
トランプ大統領の寿命は20年まで、最長でもたかが2025年1月までだが、企業は潰れない限り永遠だ。
 
中国も今時、覇権主義の一帯一路軍事戦略など、古代の中華思想まで持ち出し、世界中に借款の漬物国を大量生産し腐れるのを待っている歪な国に化かしている。
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国益のため利用できるものはすべて利用しようという中国政権の音頭により、知的財産権問題などまったく気にかけていないようだ。いいころ加減、中南海も目を覚ますべきであろうが・・・。
 
中国における日本自動車勢は、特にトヨタが異次元の奮闘を見せている。ホンダは経営陣の失策から、核心人気のCR-Vが、1月中国の極寒地でエンジン停止問題を起こし、リコール・販売停止に追い込まれ、5月に販売再開したものの、市場全体の低迷を受け、回復力は弱く、11月は再びマイナスとなっている。
 
中国では来年からは、EV販売義務が布告され、19年は販売台数の10%、20年は12%に引き上げられる。達成できなければ、巨額なペナルティを支払うことになる。
現在中国で頑張っているトヨタは、豊田社長がいつまでもハイブリッドに固執し、開発遅れから、19年には間に合わない失態、合弁先の上海自動車のEVをトヨタの別ブランドで販売するそうだ。 
ただ、トヨタは環境適用車であるPHVは持っており、ペナルティを支払うことを考えれば、PHVを格安で拡販することも一考ではないだろうか。
 
<政治が産業界に入り込むとろくなことはない。それが歴史>
それもこれも日本政府が産業界にしゃしゃり出て、自動車メーカーを水素自動車(FCV)の開発に動かし、それに乗ったトヨタとホンダがEV開発に大幅に遅れていた。政府に乗らなかった日産も三菱自も2010年前後からすでにEVを販売し、豊富な技術データを蓄積している。
 
産業革新投資機構は、民間取締役たちが投資機構は政府のゾンビ企業救済に利用されると警告を発して辞めていった。それか、スパコンPEZYのような忖度ドンタクの紐付き巨額投資に利用されることだろう。
政治が投資方針だけではなく、中まで介入した場合、多かれ少なかれマレーシアのIMDのようになるしかない。まだ日本はその程度。
日本の政治家は、女性問題ではすぐ責任取るが、政策失敗国益巨額損失があっても総括もせず、誰も責任も取らないおかしな国である。政治家は国民に対して免責があるわけではない。
国による労働政策、金融政策、経済政策は当然の業務であるが、具体的な内容にかかわりを持つとろくなことはない。投資機構は数兆円扱うことから森掛さんごときではすまない。
 

 

2018年11月中国自動車販売状況
中国汽車工業協会版ほか
 
11
1~11月累計
 
台数
前年
台数
前年
 
(万台)
同月比
(万台)
同月比(%)
乗用
217.35
-16.0%
2,147.84
-2.7%
 うち乗用車
107.63
-11.9%
1,049.91
-1.4%
 うちSUV他
109.72
-19.8%
1,097.93
-4.1%
商用車
37.43
1.6%
394.13
5.0%
総計
254.78
-13.8%
2,541.97
-1.6%
民族系と外資系別(乗用)
2018年
11
1~11月累計
 
台数
前年
台数
前年
 
(万台)
同月比(%)
(万台)
同期比(%)
民族系
90.99
-23.2%
900.10
-6.0%
独系
46.36
0.3%
463.90
4.2%
日系
43.85
8.1%
403.13
5.3%
米国系
21.37
-32.6%
227.78
-15.8%
韓国系
11.10
-23.4%
102.03
5.2%
仏系
1.69
-70.0%
29.10
-27.2%
      米国系は、主にGM、従にフォードとクライスラー
・中国汽車工業協会版(工場出荷台数=販売台数)
日系勢の中国販売(輸入車含む)
 
11
1~11月累計
 
台数
前年
台数
前年
(台)
同月比(%)
(台)
同期比(%)
日産
150,139
-9.2%
1,387,795
3.9%
ホンダ
136,714
-4.3%
1,240,384
-5.6%
トヨタ
135,700
23.8%
1,350,800
14.2%
マツダ
19,179
-42.8%
251,776
-8.9%
・マークラインズ資料などより(輸入車。商用車など含む)
 
 
ZTE制裁=4月16日米企業品輸出禁止措置、
6月15日、500億ドル25%追加関税制裁発表、
うち7月6日340億ドル実施、
うち8月23日160億ドル実施、
9月24日、2,000億ドル10%追加関税制裁発動実施
⇒2,000億ドル制裁分1月1日から10%を25%に引き上げを90日間停戦延期
⇒⇒残り2,650億円の追加関税制裁計画

 

米国勢の中国自動車販売台数(乗用車)/万台
 
米国系
中国全体
前年比
 
販売台数
前年比
販売台数
前年比
2015年
259.57
2.8%
2,114.63
7.3%
2016年
296.46
14.2%
2,437.69
14.9%
2017年
303.95
2.5%
2,471.83
1.4%
18/1月
26.53
0.1%
245.62
10.7%
18/2
16.75
-1.1%
147.55
-9.6%
18/3
22.74
-7.6%
216.86
3.4%
18/4
22.10
3.0%
191.44
11.1%
18/5
19.63
-11.3%
188.94
7.8%
18/6
18.12
-22.8%
187.42
2.3%
18/7
16.83
-16.8%
158.95
-5.3%
18/8
19.15
-22.6%
178.99
-4.5%
18/9
22.59
-21.8%
206.05
-12.0%
18/10
21.97
-26.6%
204.68
-13.0%
18/11
21.37
-32.6%
217.35
-16.6%
18/12
 
 
 
 
2018年累計
227.78
-15.8%
2,147.84
-2.7%
・工場出荷台数、輸入車含まず、GMの3社合弁分は含まず。

 

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[ 2018年12月12日 ]

 

 

 

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