アイコン 2022年の中国のGDP 3.0%増 計画は5.5%だった


中国の2022年のGDP=国内総生産の伸び率は、物価の変動を除いた実質で前年比でプラス3.0%となった。厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策、ロックダウンが影響し、政府が掲げたプラス5.5%前後という目標を大きく下回った。
武漢から広がった新型コロナウイルスの感染拡大の影響で1下旬から~3月まで全土でロックダウン状態となった2020年以来の低い水準となった。

 中国政府は、昨年の経済成長率についてプラス5.5%前後という目標を掲げていたが、目標を大きく下回るのは極めて異例。
習政権は国民統制を強め3期目に入ったことから、しがらみがなくなったものと見られる。

中国では昨年「ゼロコロナ」政策のもと、最大の経済都市の上海など各地で外出制限がたびたび行われた影響で消費が冷え込み、各地で工場の操業停止や物流の混乱が相次いだ。

また、3期目を目指すため共同富裕論を掲げ、3赤線を執行した主要産業の不動産業界ではマンション建設の中断などの問題が続き、景気を停滞させる要因になった。

同時に発表された昨年10月から12までの第4四半期のGDPの伸び率は、前年同期比プラス2.9%だった。

 

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12月8日、感染対策が緩和されたものの、その後感染が急拡大した影響もあり伸び率は前3ヶ月と比し1ポイント縮小し、減速した。

中国政府は、「ゼロコロナ」政策を終了し、経済の立て直しを急いでいるが感染拡大が続く中、米中貿易戦争は激しさを増し、また世界景気の悪化見通しもあり、内需が景気回復を牽引きるか焦点となる。

国家統計局の速報によると、
年間 GDP は121兆0,207億元(約2,304兆円/19.041円)で、前年比3.0%増加した。
産業別にみると、
第一次産業の付加価値は8兆8,345億元で前年比4.1%増、
第二次産業の付加価値は4兆8,3164億元で3.8%増。
第三次産業は63兆8,698億元で2.3%増だった。

四半期別に見ると、GDPは第1四半期で前年比4.8%、第2四半期で0.4% 、第3四半期で3.9%、第4四半期で2.9%伸びた。

工業生産は引き続き発展し、ハイテク製造業と設備製造業は急速に成長しました
 一定規模以上の工業企業の付加価値は前年比3.6%増加した。

主要な 3つのカテゴリーでみると、
鉱業の付加価値は7.3%増加し、
製造業は3.0%増加し、
電気、熱、ガス、水の生産と供給は5.0%増加した。

ハイテク製造と設備製造の付加価値はそれぞれ7.4%と5.6%増加し、成長率は指定規模以上の産業よりも3.8ポイントと2.0ポイント速かった。

経済タイプ別にみると、
国有持株会社の付加価値は3.3%増加し、
株式会社は4.8%増加し、
外国企業と香港、マカオ、台湾から投資された企業は▲1.0%減少し、民間企業は2.9%増加した。

製品別では、新エネルギー車、移動通信基地局設備、産業用制御コンピュータとシステムの生産量がそれぞれ97.5% 、16.3% 、15.0% 増加した。
サービス産業は回復を続けており、サービス産業の成長の勢いは比較的良好。
年間のサービス産業の付加価値は、前年比で2.3%増加した。
その中で、情報伝達、ソフトウェアおよび情報技術サービス産業、金融産業の付加価値は、それぞれ9.1%と5.6%増加した。

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2022年の第4四半期は新コロナで11月から大混乱となっており、さらに低下している可能性がある。

 


スクロール→

2022年四季度工业产能利用率

行业

四季度

通年

产能利用率(%

比上年同期增减(百分点)

产能利用率(%

比上年同期增减(百分点)

工業

75.7

-1.7

75.6

-1.9

うち鉱業

76.5

-0.5

76.8

0.6

 製造業

75.8

-1.8

75.8

-2.0

 電気ガス水の製造供給

74.0

-1.4

72.8

-2.2

うち、炭鉱洗浄業

75.4

-1.0

74.9

0.4

 石油ガス採掘産業

91.3

2.3

92.0

2.2

 食品製造

71.9

-2.6

71.7

-2.2

 織物産業

76.2

-3.0

77.2

-2.3

 化学原料化成品製造

76.0

-1.6

76.7

-1.4

 医薬品製造

77.6

0.2

75.6

-1.8

 化学繊維製造

79.2

-3.3

82.3

-2.2

 非金属鉱物製品産業

67.2

-2.9

67.0

-2.9

鉄金属製錬圧延加工業

73.5

-1.1

76.3

-2.9

 非鉄金属製錬圧延加工業

79.4

2.5

79.3

-0.2

 一般機器製造

79.3

-1.8

79.2

-1.8

 特殊機器製造

77.5

-1.1

77.6

-2.4

 自動車製造

73.2

-2.3

72.7

-2.0

 電気機械器具製造業

79.0

-1.5

77.3

-3.7

 コンピュータ、通信およびその 他の電子機器の製造

78.5

-3.1

77.8

-2.5

 

石炭は一昨年9月に電力不足に陥り、昨年は大増産、それでも足りずに今年秋口、豪州に対して石炭輸入解禁を持ちかけるほど(一昨年ほどではないが)電力不足に陥っていた。そうしたことから火力発電の中でも8割を石炭火力でまかなっており、火力発電の年間増加率が0.9%増とは信じられない。さらに多いものと見られる。

地球に優しいが低周波音の風力発電が大幅に増加し、水力発電とほぼ同じになっている。中国はやることなすことが役所仕事の日本より10倍早い。こうしたGDPの速報値もデジタル化・クラウド化の賜物だろう。


スクロール→

地球温暖化の源泉

 

12月

2022年通年

発電量(億KWh

7,579

3.0

83,886

2.2

  火力发电量(億KWh

5,549

1.3

58,531

0.9

  水力发电量(億KWh

747

3.6

12,020

1.0

  原発発電量(億KWh

397

6.6

4,178

2.5

  風力发电量(億KWh

723

15.4

6,867

12.3

  太陽光发电量(億KWh

162

3.2

2,290

14.3

・火力発電のうち80%あまりが石炭火力発電(全体の6割)、ほかに石炭は銑鉄の溶鉱炉向け、暖房向けに使用されている。

 

[ 2023年1月17日 ]

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