アイコン 台湾TSMC22年期決算、過去最高の売上高と利益 日本にもう1ヶ所工場建設表明


専業のファンドリーメーカー(受託生産)である台湾のTSMCの2022年12月期の通期決算は、売上高が前期比42.6%増の2兆2638億台湾元(約9.8兆円/4.2065円//約745億ドル/0.0329ドル)、最終的な利益は前期比70.4%増の1兆165億台湾元(約4.4兆円)で、いずれも過去最高を更新した。

システム半導体受託専業メーカーのTSMC、一部サムスンに流れたシステム半導体が再度TSMCに回帰しており、あらゆる種類の半導体の受託生産で技術を磨いた同社に軍パイがあがっている(サムスンは受託生産=システム半導体で発熱問題を生じさせていた)。

TSMCは米国にとどまらず、ドイツにも巨大工場を建設する予定であり交渉に入っている。日本ではすでにソニーと共同して熊本で工場建設に入っているが、まだ詳細は未定ながら、もう一ヶ所日本で半導体工場を建設するという。
TSMCの熊本工場はSONY向けのCMOSセンサーを製造予定であり、ほかのニーズに対応できないことから、新たな工場を建設するものと見られる。
受託生産は、ファブレスメーカー独自の半導体であり、当初契約すれば価格下落はない。ただ、生産量についてはその都度調整される。センサーは自動車が自動化するに連れ大量に使用され、SONYが先行している(CMOSセンサーはサムスン電子が後追い、自社製などのスマホ搭載もあり拡大させているが、ソフト面でSONYに揺るぎない1日の長がある)。一方、サムスン電子の2022年12月期の通期決算は、半導体、スマホ、家電部門なども入れた売上高は前期比7.9%増の301兆7700億ウォン(約31.5兆円/0.1043円//約2414億ドル/0.0008ドル)で過去最高を記録した。ただ、営業利益は前期比▲16.0%減の43兆3700億ウォン(約4兆5400億円)だった。

 

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22年10~12月期の売上高は下半期に入り半導体の単価急落もあり、前年同期比▲8.6%減の70兆ウォン。営業利益は前年同期比▲69%減の4兆3000億ウォンだった。
同社はメモリ半導体につき通常生産しており、そのかわり在庫を積み上げ、顧客増を図るため価格競争に持ち込んでいる。
サムスン電子は汎用性の高いメモリ半導体を主力としており、ほかのメモリ半導体メーカー(SKハイニックス、米マイクロン、キオクシアなど)と競争関係にある。そのため、単価下落がほとんどない受託生産=システム半導体の受注拡大する動きにあるが、TSMCの勢いにシェアを下げている。
同社のスマホ部門も景気後退で買い替え期間が長期化しており、また自社製の半導体も組み込まれており、スマホの販売が不振ともなると半導体部門にも影響する。

メモリ半導体メーカーのSKハイニックス(韓国)は、
通期の決算はまだ発表しておらず、報道では10~12月期の売上高は前年同期比▲29.0%減の8兆7815億ウォン、営業利益は赤字で▲6430億ウォンが予想されている。同社は在庫増で生産調整している。2023年の投資額もすでに半減すると表明している。
同社は米INTELの中国・大連工場(メモリNAND、SSD製造工場)を約1兆円で買収しており、その後の米政府の中国制裁で半導体の最新製造機械の中国輸出禁止、即、影響を受けることになっている。メモリ半導体価格は下落するわツいていない。

[ 2023年1月13日 ]

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