アイコン JDI 中国HKCと戦略的提携 株価26%急騰


ジャパンディスプレイ(JDI)は10日、生産出荷の規模で世界第3位のディスプレイメーカー、HKC(中国・恵科)との間で、次世代の有機EL(OLED)ディスプレー技術の推進や工場建設などに関する戦略提携覚書を締結したと発表した。
こうした報道を受けJDIの10日の株価は、38円から10円、26%も上昇して48円前後で動いている・・・この株価こそがJDIの実態でもある。

JDIが独自で量産技術を確立した有機ELディスプレイ「eLEAP」の工場を共同で計画・建設し、2025年内の量産開始を目指すとしている。
覚書締結は4月7日付で、6月をめどの最終合意締結に向け協議を進める。
以上、

企業戦略・国家戦略もないまま半導体同様に崩壊した日本のディスプレイ業界、先日はJOLEDが民事再生を申請して経営破たん、そのスポンサーとなっているのがJDI、  JOLEDは印刷型の有機ELディスプレイを開発し、印刷で当然単価は安くなると見られたが歩留まりが悪すぎ高く、取り扱う電子製品メーカーがほんの一部、あえなく倒産、その技術をJDIが継承する内容でスポンサーに。

 

スポンサーリンク

政府系の産革機構がJOLED には1000億円以上の巨額を投じ、JDIには産革機構が16.14%を出資し、融資もしている。

JOLEDは2019年にHKCに救済型の資本業務提携、HKCはJOLEDから技術を取得し、その後ジェットプリンター式の有機ELディスプレイを発表している。

<JOLEDとTCLの関係>
2019年6月にJOLEDは、華星光電 (CSOT)と資本業務提携、大型TV向け有機ELディスプレイパネルを共同開発することを発表、同時にCSOTから200億円を調達。
CSOTの親会社TCL集団は世界初となる印刷方式OLEDテレビの量産出荷を目指し、2020年にJOLEDに300億円を投じ、JOLEDの技術ライセンスを用いたCSOT広州工場のOLED生産ライン (G8.5) が2021年に着工され、中国初となる印刷方式OLEDの量産ラインが22年7月に稼働を開始している。

JOLEDには22年3月までに1390億円の税金(政府系の産革機構ら)が投じられている。TCLにとってJOLEDへの200億円投資で印刷方式技術を取得したと考えれば安いものだったのだろう。

<有機ELディスプレイ印刷方式>
2020年までにAUO (台湾BenQグループ)、韓国Samsung、中国BOEなど世界の多くの大手ディスプレイメーカーが印刷方式OLEDの自社開発に成功し、サムスンは印刷方式OLEDと量子ドットの利点を組み合わせた「量子ドット有機EL」 (QD-EL) の開発に成功し、2022年に量子ドット有機ELディスプレイの最初の製品を発売した。低コスト生産を実現している。

税金を使用する産革機構は金さえ提供すれば救済できると浅はかな考えで捨て金を提供し続けている。

それも世界の大手の研究開発費にもまったく及ばない額である。開発し、向上も取得したものの、歩留まり悪く、低価格を実現できず行き詰っている。
実質産業廃棄となったリチウムイオンバッテリーもソーラーセルもまったく同じことが言える。

2023年4月4日、サムスンディスプレイは、2026年までに総額4兆1千億ウォン(約4100億円)をかけて世界初の第8.6世代IT用有機EL生産に入ると発表している。

JDIは
2014年、産革機構が主導してソニー・東芝・日立製作所の中小型液晶ディスプレイ事業を統合し発足した会社。

JOLEDは、
2015年、産革機構が主導してソニーとパナソニックの有機EL開発部門を統合して設立された会社。有機ELの印刷方式はパナソニックが世界で始めて開発、JOLEDがその技術を継承していた。

すべては生産性の向上を図らない日本の経営体質に問題がある(あらゆる産業に共通化したもの)。いかにしてコストを下げるか、下げ続けるかは普段の現場と研究の努力が成し遂げるものだが、日本は利益の稼ぎ時としてすぐ自己満足してしまう。後発の海外勢はその技術を奪い、安価に生産することに傾注し、価格競争力により市場制覇しようと常に努力している。
公表された学術論文や特許権取得による特許内容開示によりいくらでも真似できる。日本企業が海外企業に対し特許紛争を起こすのは稀の稀。調査するにも膨大な金がかかり、調査能力もない。内弁慶。

日本では開発部隊の退職年齢も60歳、その後こうした研究開発者は中国や韓国へ流れ出ている。サムスンはコア技術を持つ研究者たちには退職後2年間所得保証し技術流出を防いでいる。その違いがあり、また報酬そのものが異なり、中国は超高額で日本の技術者たちを引き抜いている。
今では日本のITC技術産業は衰退し、今では中国は韓国から多くの人材を引っこ抜いている。

日本は、研究開発を主導する学術研究機関への研究費用も、聖域なき削減が現在もなお続けられ、学術界にまったく人材も育っていない。中国や韓国・台湾はそうした素材も含めた研究開発や人材育成のために学術界へ巨額投資している。
一方、日本は大学や研究機関を未曾有に増加させ、学術予算が希薄化、研究開発費を実質減らし続けている。それも電通に依頼してすばらしいプレゼン作成、公表するものの政策に生かしもせず、一貫性もない。補助金狙いの産業界もそのたびに踊っている。

[ 2023年4月10日 ]

スポンサーリンク
 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧