取材申込書（再）
令和５年８月９日
〒106-0032 東京都港区六本木6丁目2番31号10階
ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社 代表取締役社長 竹内 一弘 殿

拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。昨年は弊社の取材申込書（令和4年7月15日付） にご回答（令和4年7月26日付）を頂きまして有難う御座いました。

あれから一年が経ちました が、改めて長崎県西海市の洋上風力発電事業のことで、貴社に確認させて頂きたい事がありま すので、取材にご協力下さいますようお願い申し上げます。

さて今般、政府が普及を推し進めている洋上風力発電を巡り、青森県と秋田県沖の２海域に 参入を検討していた「日本風力開発株式会社」の塚脇正幸社長が、自民党の秋本真利衆議院議 員に合計約3000万円の資金提供をしていた疑いがあるとして、東京地検特捜部が贈収賄を視野 に関連先を捜索したことがニュースで大きく報じられています。

日本風力開発の塚脇正幸社長の言い分は、秋本議員とは競走馬の馬主仲間であり、それぞれ が出資して組合をつくり、馬の管理に係る費用を共に負担し合っているということで3000万円 は「秋本氏個人に渡したものではない」と言って、賄賂の疑惑を否定しています。

しかし特捜部の調べでは送金の時期に、秋本議員が日本風力開発の目指す事業を後押しする ような質問を国会で行っていたことが分かっています。

この問題では、政府が推進している洋上風力発電事業に参入を目指している事業者が、国会 議員に資金提供を行い、参入を容易に進めようと前裁きをしている構図が見て取れます。

貴社が洋上風力発電を計画している長崎県西海市に於いて、弊紙が問題提起してきたのは、 国会議員への賄賂や介入と言ったものは確認できていませんが、地元の有力者（利害関係者）に資金提供することで、事を容易に進めようと謀った疑いがあり、構図としては似ているところがあると思えてなりません。

弊紙が特に問題視しているのは、貴社が資金提供したとされる「柏木世次」という人物の経歴とその振る舞いです。

前回の質問では、柏木世次氏が過去に和歌山県が行った公共工事の入札で、談合に応じなかった業者を監禁して入札を妨害したとして逮捕されたことや、全身に入れ墨を入れていることや法外な利息を取り立てる高利貸しを営み逮捕された過去があることを、 貴社は承知しているのか質しました。

また柏木世次氏が、西海市に洋上風力発電の事業計画が浮上して以降、市長や市職員を懐柔 するほど事業を推進する立場での強い言動と暴力的な振る舞いが目立つように成り、自身の意 に背く者には、容赦なく威迫・恫喝を行っていることを挙げ、承知いているのか質しました。

この質問について、貴社は「本人（柏木）のプライバシー保護」を理由に回答を控えるとの見解を示しました。

また柏木世次氏が高級外車を何台も購入したり、新造船を6艇も購入したり、自身が関係する社屋や長男が懇意にしている女性と同居するための一棟建マンションを購入したりしていることを指摘したうえで、貴社が提供した資金について質しました。

この点について貴社の回答は、「当社から柏木氏個人への資金提供はしておりません」とい うものでした。

しかし「柏木氏には当社が開発を進める西海江島地域の漁協の理事として、また江島漁船安全対策協議会の代表理事という立場から、当社にもご対応ご協力をいただいております」とも答えています。

そこで、改めて以下の通り質問させていただきますので、ご回答 くださいますよう宜しくお願い致します。 敬具

【質 問】
質１、「柏木氏個人への資金提供」はしていないとのことですが、 「柏木氏が理事を務める西海江島地域の漁協」に資金提供をしていますか？

質２、「柏木氏が代表理事である江島漁船安全対策協議会」に資金提供していますか？

質３、他にも柏木氏が関係する会社や団体に何らかの資金提供はしていますか？

質４、上記の資金提供の名目と目的、金額などを出来るだけ詳しく教えて下さい。

質５、弊紙や地元紙が問題提起した後に、柏木世次氏が購入したばかりの高級外車ベンツを手 放し中古車販売店に売り渡しましたが、貴社は柏木世次氏と提供した資金の使い道について話し合いなどしたのですか？

質６、貴社は西海市の事業を手中に収めるため国会議員、県議、市議、市長などと接触しまし たか？
一説によると貴社を江島に引っ張って来たのは、瀬川光之県議だと言われていますし、柏木世次氏に繋いだのは、西海市の杉澤泰彦市長だとも言われています。

となれば、議員や市長に対しても、幾らか謝礼か運動費などの名目で資金が渡されたのではないですか？

質７、貴社は紹介動画に柏木世次氏を起用した事実を認めていますが、貴社の開発に絡み柏木氏が方針に添わない者に対して威迫・恫喝する音声がネット上で公開され、その被害者の 告発を警察が受けたという情報もある現状をどのようにお考えですか？

今後も柏木世次 氏との協力関係を続けるのですか？ 質問は以上です。

現在「再エネ海域利用法」に基づく洋上風力発電の促進が、国をあげて進められています。 気候変動や大気汚染といった環境問題に加え、原発や他国に依存しないエネルギー政策は喫緊 の課題であることは承知しております。

しかしながら洋上風力発電とはいえ、国民が将来その 電気使用料金として負担をするＦＩＴ事業であることから、計画地域の住民に対しては一層の 公正・公平な事業であることが求められていることは言うまでもありません。

そんな折、今般の日本風力開発と秋本真利衆議院議員の汚職問題が浮上しました。その賄賂 の額は合計３０００万円と報じられていますが、貴社が柏木世次氏に出したと思われる金額は、１０億円は下らないと言われています。

しかも現時点ではまだ業者選定における入札も行われて いない状況です。一般的に企業が開発地で前裁きとして資金を投じるのは住民の反対運動や建 設が不可能になるという危機感からでしょう。

本件の開発に至っては、まだ入札もしていない ようですが、それでも多額の資金を投じたのは既に他の業者とは談合済みで、貴社と決まって いるからではないですか。そのような疑惑がある中で柏木世次氏による明らかな競売妨害が行 われているのです。

貴社と柏木世次氏の「お金」の疑念が払拭されない限り、弊紙がこれまで 追及してきた問題は、柏木世次氏を利用した貴社主導のものであると言わざるを得ません。

日本風力開発と秋本真利衆議院議員の汚職問題を踏まえ、これまで以上に再エネ事業関係者 は一層の公正さと説明責任が求められていますので、貴社に於かれましても改めて真摯な回答 を頂きたくお願い申し上げます。

尚、誠に勝手ながら本書簡の到着後、一週間以内にご回答を下さいますよう宜しくお願い致 します。また、本件は国民の権利と公共の利害に関することでもあり、社会通念に照らしても 問題であることを踏まえ、必要に応じて情報の真偽を世に問うて行く所存でありますことを申 し添えておきます。 以上

敬天新聞社 社主 白倉康夫
〒335-0013 埼玉県戸田市喜沢1-28-43 TEL 048-229-0007 FAX 048-242-585８