医療法人社団友伸會は、2002年に個人歯科医院から法人として創立。その後、東京と神奈川を中心に「東京プラス歯科矯正歯科」などの院名で新規開院や歯科医院の譲り受けにより業容を拡大し、2015年8月までに10の施設を運営。

この医療法人は一般歯科、予防歯科、小児歯科、審美歯科、インプラント、矯正歯科、ホワイトニングなどの診療科目を提供しており、特に矯正治療に注力していた。2017年からは「キレイライン矯正」というマウスピース矯正を提供し、これはオーダーメイドの透明なマウスピースを使用して歯並びを改善する方法で、ホワイトニングも同時に行えることから高い人気を博した。その結果、業績は順調に成長し、2021年8月期には年収入高約86億3300万円を達成。

しかし、この「キレイライン矯正」の提供が原価高になり、収益面で課題が生じた。そのため、2022年7月には一時的に提供を停止し、自社の「ホワイトライン矯正」に注力したが、来院患者数が想定を下回り、業績が悪化。その後、「キレイライン矯正」の提供を再開し、金融機関やリース会社に返済条件の変更を要請したが、自主再建は実現できず、今回の事態となった。

最終的に、組織改編に関する契約を締結し、治療中の患者については治療の継続とサービス提供を続ける方針を採用している。