アイコン テスラ 1~3月期 24年第1四半期決算 販売台数と決算の推移


テスラは今や米国のシンボル、新自由主義=トランプのシンボルになっている。マスクの挙動が世界を動かしている。
それでも有言実行力のすさまじさは戦後類例を見ない。その背景には時代の金余り現象の資金、それを吸収するマスクの力は、証券界を手玉に取り、遊び感覚で事業展開している。
Xのフォロアー数も1.7億人と地球規模。

その中核時事業であるEV事業は2030年に年間2000万台販売する計画で経営推進されている。しかし、世は法螺貝をいくつも持つマスク氏にそうした計画数値より、どこまで既成市場を破壊するかに注目・期待している。
ただ、足元では、中国のBYDの徹底した価格競争にオロオロ状態が続いている。BYDはバッテリーの大手、自社製バッテリーを搭載し、PHVも自社開発方式を採用し安価に販売。デザインも遜色ない。
米国への進出もEVバス生産で2014年からとすでに10年を経過している。米中貿易戦争による高関税・貿易障壁がなければ、EV乗用車でも市場を席巻していることになる。

 

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米国のEV市場は補助金開始の2023年年初から好調販売、しかし、下期になると中折れ状態になり、値下げというあそこドーピングを注入しても販売不振は続き、EVは儲かるという神話も崩壊している。

EV車両価格のうち、バッテリー価格は25%~35%に達する。その元凶が3元系バッテリー、「リチウム」に高価な「コバルト」と「ニッケル」を使用、米国で販売されているEV乗用車のバッテリーはすべてこれに類する。韓国勢が韓国や米国・東欧で生産している。
しかし、中国勢はESS(産業用蓄電池)で使用され、3元系より安価なリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)を進化させ続け、瞬間的な出力を除き、問題であった走行距離も大幅に伸ばし、3元系に引けをとらなくなっている。すでにベンツさえ普及タイプに搭載している。2~3割安価という新LFPの製造方法は中国勢にしかない。(2020年にCATLから発表され、2021年より販売開始されている)
欧米のEVは3元系を使用する限り価格を下げようにも限界があり、補助金が付いてもまだ高いEVを購入せざるを得ない。

中国BYDは10万元未満からの車両を2車種(シーガルとドルフィン)、さらに10万元未満からのPHVも1車種(秦)持ち、テスラがいくら値下げしても手が届かない価格帯で販売台数を大きく伸ばしている。
ほかの中国の自動車メーカーはテスラ値下げに対抗して価格を下げているが、BYDはバッテリーを自社で持ち、実績もあり、バスから高級スポーツタイプ車までの総合力に勝り、中国市場を支配している。輸出も急激に伸ばしている。
そんなこんなで、フォードがCATLのLFPを米国内でライセンス生産しようとしたが、対中ということもあり、圧力がかかり昨年10月までに撤回、高いバッテリーしか米国にはなく、米国民は高く購入させられ、そうしたこともEVの販売減になっているものと見られる。

テスラでさえ、安価に販売すれば営業利益を毀損するという業績推移となっており、すでに並みの自動車会社の利益率となってきている。
GMはEV用バッテリーの材料価格が大幅に下がり、バッテリー価格は大きく下がるとしているが、バッテリーメーカーが儲けているわけではなく、大量生産の生産効率面からの値下げには限界があり、3元系を使用する限り、値下げには限界がある。
当然、EVの販売台数が増加すれば、関係する材料価格も今は下がっているものもあるが再び上昇する。


スクロール→

テスラ 販売台数/千台

テスラ

21年

22年

23年

前年比

24年

Q1(13月)

184.9

310.0

422.9

36.4%

386.8

Q2(46月)

201.3

254.7

466.1

83.0%

-8.6%

Q3(79月)

241.4

343.8

435.1

26.6%

 

Q4(1012月)

308.7

405.3

484.5

19.5%

 

年計

936.3

1,313.8

1,808.6

37.7%

 220万予

テスラ業績 /百万ドル

 

売上高

営業利益

営利率

税前利益

株主利益

201912

24,578

-69

-

-665

-775

202012

31,536

1,994

6.3%

1,154

862

202112

53,823

6,523

12.1%

6,343

5,644

202212

81,462

13,656

16.8%

13,719

12,587

202312

96,773

8,891

9.2%

9,973

14,974

24/Q1

21,310

1,172

5.5%

 

1,129

23/Q1

23,329

2,664

11.4%

2,800

2,539

             

 

↓テスラ四半期推移

 

売上高 /百万ドル

営業利益と率 /百万ドル

 

売上高

前四比

前年比

営利

営利率

率前四比

22/3

21,454

 

 

3,688

17.19%

 

22/4

24,318

13.3%

 

3,901

16.04%

-6.7%

23/1

23,329

-4.1%

 

2,664

11.42%

-28.8%

23/2

24,927

6.8%

 

2,399

9.62%

-15.7%

23/3

23,350

-6.3%

8.8%

1,764

7.55%

-21.5%

23/4

25,167

7.8%

3.5%

2,064

8.20%

8.6%

24/1

21,310

-15.3%

-8.7%

1,172

5.50%

-32.9%

  ★EV等材料価格(国際相場)

アルミは走行距離を伸ばすため車両軽量化用に使用

銅はモーター類に大量使用され従来車の3倍以上使用

ネオジウムはEVモーター永久磁石用

ニリチウム・ニッケル・コバルトはEV電池用(3元系必須アイテム)

スチールは中国経済・不動産低迷による消費減で値下がり。

世界は、地球温暖化防止のため、石炭を燃やす量を空前の量に激増させ、こうした金属やレアメタルを大量生産している。・・・溶鉱炉・電炉・電気分解=最安の石炭エネルギー使用

 

EV・レアメタル等 国際相場

 

19/12.

21/12.

22/12.

23/12.

24/4/15.

19/12

WTI原油

63.5

74.8

80.4

71.6

82.8

30.4%

スチール

3,774

4,568

4,019

3,928

3,610

-4.3%

アルミ

1,807

2,818

2,378

2,384

2,574

42.4%

2.796

4.393

3.805

3.88

4.341

55.3%

ニッケル

13,950

20,880

29,866

16,375

27,830

99.5%

コバルト

32,750

70,500

51,955

29,135

28,550

-12.8%

リチウム()

49.0

268.0

519.0

96.5

111.5

127.6%

ネオジム()

362

1,110

955

555

490

35.4%

 

[ 2024年4月25日 ]

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