中国の消費低迷の原因 デフレ突入で消費額伸びず
政府は消費刺激策に金利を引き下げ、借入拡大⇒消費拡大を見込んでいるが、現実は消費低迷が続いている。
一方、家計所得が減少しているわけではなく、所得は債務返済や資産運用に回り、消費に直結していないことが結果、証明されている。
6月の家計預金残高は前年比10.6%増加しているが、過去3年では最低となっている。新コロナ事態下、ロックダウン等規制強化により、自動車などを除き、消費機会も少なく、21年22年は預金が大幅に伸びていた。
習政権の三条紅線の不動産政策、マンション価格が勤労者の年収倍数では購入できない水準まで高騰していることから、価格を下げる目的で2021年初から政策が実施されている。消費者はこれまでマンションを高く購入しており、評価額が下がれば、差額を金融機関から求められたり、追い出される危険性もあり、返済を急ぎ借入残を減らす保守的な動きに入っている。また、一方で、これまでマンション転売で財をなした人たちも、不動産以外の投資に走っている。
そうしたことから、家計収入が消費に回らなくなっており、スーパーや店舗など商品の販売店は値下げ攻勢により販売している。競争も激化している結果、小売販売高の増加率は減少してきている。
中国の6月末の家計の人民元預金は過去最高の146兆3000億元。
家計+企業+政府の預金の合計残高は6月人民元預金総額は295兆7000億元、
中国本土の株式市場の時価総額73兆元
中国の国内総生産(GDP)126兆元を大きく上回っている。
これは給与の東南アジア化を図ってきた政府と経団連のもと、デフレが長期にわたり続く日本同様となっている。
岸田政権は、循環経済による景気浮揚策であった所得倍増の真逆の手法である超円安=物価高というゲスの極みの手法により、物価高を演出させ、デフレ脱却宣言をしようとしている。岸田政権は日本を本気で消滅させようとしているようだ。
スクロール→
中国小売額 前年比 |
|||
2015/12. |
11.1% |
消費はGDPの半分以上 |
|
2016/12. |
10.9% |
||
2017/12. |
9.4% |
||
2018/12. |
8.2% |
||
2019/12. |
8.0% |
||
2020/12. |
4.6% |
||
2021/12. |
1.7% |
||
|
2022年 |
2023年 |
2024年 |
1月 |
6.7% |
3.5% |
5.5% |
2月 |
|||
3月 |
-3.5% |
10.6% |
3.1% |
4月 |
-11.1% |
18.4% |
2.3% |
5月 |
-6.7% |
12.7% |
3.7% |
6月 |
3.1% |
3.1% |
2.0% |
7月 |
2.7% |
2.5% |
|
8月 |
5.4% |
4.6% |
|
9月 |
2.5% |
5.5% |
|
10月 |
-0.5% |
7.6% |
|
11月 |
-5.9% |
10.1% |
|
12月 |
-1.8% |
7.4% |
|
中国 工業生産指数 前年比 |
|||
|
22年 |
23年 |
24年 |
1月 |
7.5 |
2.4 |
7.0 |
2月 |
7.5 |
2.4 |
|
3月 |
5.0 |
3.9 |
4.5 |
4月 |
-2.9 |
5.6 |
6.7 |
5月 |
0.7 |
3.5 |
5.6 |
6月 |
3.9 |
4.4 |
5.3 |
7月 |
3.8 |
3.7 |
|
8月 |
4.2 |
4.5 |
|
9月 |
6.3 |
4.5 |
|
10月 |
5.0 |
4.6 |
|
11月 |
2.2 |
6.6 |
|
12月 |
1.3 |
6.8 |
|
・24/1と2月の合算は春節の関係。 |
|||
中国 工業生産指数 前月比では |
|||
|
22年 |
23年 |
24年 |
1月 |
0.22 |
0.64 |
1.16 |
2月 |
0.38 |
0.41 |
0.56 |
3月 |
0.51 |
0.64 |
-0.08 |
4月 |
0.16 |
-0.15 |
0.97 |
5月 |
0.62 |
0.77 |
0.30 |
6月 |
0.91 |
0.76 |
|
7月 |
0.35 |
0.13 |
|
8月 |
0.24 |
0.61 |
|
9月 |
0.80 |
0.45 |
|
10月 |
0.18 |
0.42 |
|
11月 |
-0.24 |
0.87 |
|
12月 |
0.37 |
0.52 |
|
・24/1と2月の合算は春節の関係。 |
中国住宅価格指標 前年比 |
||||
|
22年 |
23年 |
24年 |
|
1月 |
2.3 |
-1.5 |
-0.7 |
|
2月 |
2.0 |
-1.2 |
-1.4 |
|
3月 |
1.5 |
-0.8 |
-2.2 |
|
4月 |
0.7 |
-0.2 |
-3.1 |
|
5月 |
-0.1 |
0.1 |
-3.9 |
|
6月 |
-0.5 |
0.0 |
-4.5 |
|
7月 |
-0.9 |
-0.1 |
|
|
8月 |
-1.3 |
-0.1 |
|
|
9月 |
-1.5 |
-0.1 |
|
|
10月 |
-1.6 |
-0.1 |
|
|
11月 |
-1.6 |
-0.2 |
|
|
12月 |
-1.5 |
-0.4 |
|
|
・習主席の共同富裕論⇒三条紅線 |
||||
三条紅線=不動産会社に対する融資規制 |
||||
・2020年10月、総合不動産開発の恒大の経営危機、負債額は2023年6月末時点2兆3882億元 |
||||
・2022年以降、住宅開発1位の碧桂園(負債額約12兆円)、4位の融創、7位の緑地、8位の世茂らがデフォルト状態に陥っている。中央政府系か地方政府系しか財政健全不動産会社はない。 |
||||
中国の住宅着工数 億平方メートル/国家統計局 |
|||||
|
21年 |
22年 |
23年 |
24年 |
前年比 |
1月 |
1.70 |
1.50 |
1.36 |
0.94 |
-30.9% |
2月 |
|||||
3月 |
3.62 |
2.98 |
2.41 |
1.73 |
-28.2% |
4月 |
5.39 |
3.97 |
3.12 |
2.35 |
-24.7% |
5月 |
7.43 |
5.16 |
3.97 |
3.01 |
-24.2% |
6月 |
10.10 |
6.64 |
4.99 |
|
|
7月 |
11.90 |
7.61 |
5.70 |
|
|
8月 |
13.60 |
8.51 |
6.39 |
|
|
9月 |
15.30 |
9.48 |
7.21 |
|
|
10月 |
16.70 |
10.40 |
7.92 |
|
|
11月 |
18.30 |
11.20 |
8.75 |
|
|
12月 |
19.90 |
12.10 |
9.54 |
5月まで |
|
計 |
123.94 |
79.55 |
61.36 |
8.03 |
|
前年比 |
|
-35.8% |
-22.9% |
-26.1% |
|