中国AI半導体・生成AIの現況 2025年夏
中国のイノベーションの変革は、政府による科学的で体系的なトップレベル戦略の成果となっている。
中国の社会全体の研究開発費は、
2012年に1兆元(約20.4兆円)を突破し、
2019年に2兆元(約40.9兆円)を突破、
2024年には3.6兆元(約73.5兆円)を突破して、
過去最高を更新し続けている。
新時代の中国では、国家計画としてイノベーション重視の方針が貫かれ、イノベーションは中国の固定戦略、総合計画、政策支援、未来計画、長期的布石、固い決意となっている。
イノベーションの変革は、改革がもたらす力を継続的に注ぎ込むことで生み出されている。改革から推進力を引き出し、科学技術イノベーションを妨げるあらゆる思想や制度の壁を打破することで、創造の源泉が勢いよく迸っている。
「論文や職位、学歴、受賞歴」など形式的な評価基準」から脱却、「課題解決重視・実力本位」の制度改革を推進することで、科学技術体制の継続的な改革が、基礎研究の「最初の1キロ」と成果の応用の「最後の1キロ」とを、より迅速に結びつけている。
研究室で生まれた知恵の火花が、発展を支える現実の生産力へと着実に転換されている。
中国政府は、NVIDIA製AI半導体「H20」はセキュリティ(バックドア)問題があり、推奨しないと公表している。単にセキュリティ上の問題ではなく、「2025製造中国=国産国消」を推進する観点から推奨、すでに「H20」程度の性能のAI半導体と生成AIソフトがすでに中国内に存在することを裏付けている。
<百度・歓聚集団>
昨年7月段階で、中国ネット大手の百度が提供する、文章や画像などを作り出す生成AI(人工知能)サービス「文心一言(アーニーボット)」の利用者が3億人を突破している。今年8月はどれほどまで増加しているのだろうか。. 歓聚集団(JOYY Inc.)を買収し、AI回答のライブ配信事業「YY Live」を取り込み、百度も対話型AI「ERNIE Bot」を開発している。
<Deep Seek>
1月世界を驚かせた中国の生成AIスタートアップのディープシーク、中国のAIスタートアップのディープシークの生成AIは、NVIDIAのチップなしでもAIサービス可能とされ、8月21日には「DeepSeekV3.1」をリリース、中国産のチップセットに最適化しているという。
中国の人工知能(AI)開発企業であるディープシークは、西側諸国よりはるかに少ないコストで最先端モデルを開発、世界のAI業界を驚かせ、米政権の半導体輸出制限措置が効果を発揮しないことを露呈している。
<カンブリコン 寒武紀科技>
中国のチップ設計会社であるカンブリコンテクノロジーズ(寒武紀科技)が独自開発したチップ「思元」の販売は急増、8月26日の時価総額は6643億元(約13.6兆円)
華虹半導体、SMICなど中国の半導体企業の株価も大幅に上昇している。カンブリコンは2ヶ月足らずで株価は倍増している。
中国で半導体の国産化が加速する中、人工知能(AI)向け半導体設計を手がける中科寒武紀科技(カンブリコン)が好調な決算を発表。2025年上半期は純利益が10億3800万元(約214億円)と黒字転換し、売上高は前年同期の約44倍の28億8000万元(約594億円)に達した。昨年同期は5億3000万元(約109億円)の赤字を計上していたことから、大幅な改善となっている。
寒武紀は2016年設立。「中国の小さなエヌビディア」とも呼ばれ、中国国内需要の受皿として投資家の期待を集めている。また、中国と米国の技術競争激化を背景に、寒武紀や華為技術(ファーウェイ)など国産半導体企業への注目は一段と高まっている。8月22日には上海総合指数が10年ぶりの高値を記録するなど、市場全体も活気づいている。
寒武紀の時価総額は約5800億元(約11.9兆円)と、貴州茅台酒(酒類大手)の1兆8700億元(約38.5兆円)に比べればまだ小規模。しかし、今年は上場後、初めて通年で黒字を達成する可能性が高いと予想され、今後の成長に期待が寄せられている。
ゴールドマン・サックスは寒武紀の目標株価を50%引き上げ1835元(約3万7800円)としている。
市場では「強い銘柄は引き続き上昇を続ける可能性がある」との声も聞かれる。
<metaX>
7月に上海に本社を置くメタエックス(metaX)がH20に代わる新しいチップをリリースし、27日に「大量生産を準備している」と明らかにしたと伝えた。このチップはH20よりメモリーが大きいためより多くの電力を消費するが、一部のAI作業の性能を高めていると同紙は報じた。
「Shanghai Cube」
国際最先端レベルを意識して開発された中国製の高密度AIコンピューティングシステム「Shanghai Cube」が、2025年の世界人工知能大会(WAIC)で初めて披露された。
この製品は、中国製の演算インフラにおける「大型統合システム」の空白を埋めるものであり、チップからシステム全体まで、すべてを自国技術で制御・統合。中国が世界の演算競争で主導的地位を確立するための大きな一歩となることが期待されている。
高密度GPUシステムの「Shanghai Cube」の開発には主に上海市を拠点とする複数の企業が参加し、国産のコンピューティングサプライチェーンの構築という観点からも大きな意味を持つ。
<計算力プラットフォーム>
CGTNは8月27日、中国では計算力プラットフォームの構築が加速しており、山西省、遼寧省、上海市、江蘇省など10の省・自治区・直轄市で計算力サブプラットフォームが接続されたことが、2025年中国計算力大会で明らかにされた。
紹介によると、中国計算力プラットフォームには、さまざまな地域や業界の計算力資源が集約しており、同時に計算力施設やデータに対する全面的な収集とリアルタイムのモニタリングを行っており、各地の計算力の発展状況を精確に把握することができる。
現在、計算力プラットフォームには100を超える計算力サービス提供業者が進出、1000を超える業界ユーザーの登録が完了し、主流である基盤大型モデルと業界特化モデルが100近く接続しており、1000を超える開発者に多様なオンラインサービスを提供している。
計算力プラットフォームは、中国全国の計算力の6分の1の計算能力を提供でき、1日数億回の計算力の使用に対応できるという。
<Zai 智譜AI>
中国のAI開発企業であるZ.ai(旧称、智譜AI)はこのほど、オープンソースモデル「GLM-4.5」を発表した。
開発コストはディープシークよりさらに低く、性能はより良いとの評判となっている。
GLM-4.5については、「コーディング、推論、ツールの利用などで西側の基準に達しているか、上回っている。米政権の厳しいGPU(画像処理装置)制裁措置を受けたが、Z.aiは成功を遂げている。
米商務省は、今年1月に智譜AIと子会社をエンティティーリストに入れたが、約6ヶ月後にZ.aiは世界で最も競争力のあるモデルの一つをリリースした」と述べている。
<アリババ>
WSJは8月29日、米国のAI半導体設計会社NVIDIAの最も大きな顧客の一つだったアリババが「従来のチップよりさらに汎用性が高く、さらに多様なAIの推論作業に活用できる新しいチップを開発した」と伝えた。
アリババはこれまでチップ製造を台湾のTSMCに任せてきたが、今回のチップは中国企業が直接作っている。中国はすでに、NVIDIAの低仕様AI半導体チップ「H20」の水準を代替できるチップを独自技術で開発したとみられる。
以上。
半導体は線幅を小さくすれば電力量が少なくて済む。また、線幅を小さくすることでGPUの大容量化が可能となり、計算速度を速めることが可能となる。中国製の性能はまだH20程度だろうが、1年先は機業や研究機関が桁違いの競争を行っており、現在のNVIDIAあたりまで進展、2027年にはほぼ変わらなくなっている可能性もある。中国の研究開発の基盤は2010年代から養成機関が設けられ、国家主導で各地に作り上げており、DeepSeekに見られるように現在花が開いてきている。
日本も1961年から高専を作り、産業の担い手を養成してきたが、すでに過去の話。田中角栄首相以降、日本の首長はビジョンは電通に作らせるのか素晴らしい内容が網羅され大々的に発表するが、それまでのこと。戦略も戦術もなく、ビジョンでもなく絵に描いた餅、それを国民に披露して自己満足している程度。2000年代以降のビジョンはすべて尻切れトンボとなっているのが現実だ。
未来の日本のためにガンバレNIPPON!





