アイコン ハンバーガーパティJAS廃止ー10月8日施行、外食は"自社基準"の時代へ


農林水産省は9月8日、「ハンバーガーパティの日本農林規格(JAS 1015)」を正式に廃止する告示を行った。施行は10月8日。冷凍の業務用ハンバーガーパティを対象にした品質規格だったが、近年は格付け実績がほぼゼロとなり、事実上利用されていなかった。格付けを担う認証事業者も撤退しており、制度としての存在意義を失った形だ。

JAS 1015は、成形して急速凍結したパティを対象に、原材料や等級を「上級」と「標準」に区分。上級は牛肉を中心に調味料・香辛料の使用に限定し、標準は豚や鶏、植物性たん白、つなぎの使用を認めるなど、製品の品質を共通の基準で示す狙いがあった。しかし外食や中食の大手企業は、すでに独自の仕様書や監査体制を導入しており、共通規格としてのJASラベルに依拠する必然性は薄れていた。農水省も「活用見込みなし」と判断し、廃止は妥当と結論づけた。

 

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今年3月には廃止案に関するパブリックコメントが実施され、5件の意見が寄せられた。中には添加物に関する懸念などもあったが、当該JASは品質規格であり衛生基準を定めるものではないと整理され、最終的には原案通り廃止が決まった。今後は契約書や購買仕様書に「JAS 1015準拠」と明記されている場合は、10月8日以降に改訂が必要となる。

産業界への影響は限定的とみられる。大手チェーンにとってはすでに自社基準での品質保証が主流となっており、中小の食肉加工業者も営業資料からJAS関連の記載を削除する程度で済む。ただ、JASマークを活用した品質訴求は不可能になり、代替として成分表示やトレーサビリティ、環境・サステナビリティに関する情報開示が差別化の鍵となりそうだ。

一方で、同じ食肉加工分野でも「チルドハンバーグステーキ(JAS 1016)」など流通実態のある規格は引き続き存続する。農水省は、利用が乏しい規格を整理し、実態に合った体系へスリム化を進めている。今回の廃止は「使われない規格を残さない」という方針の象徴といえる。

外食産業では今後、共通ラベルよりも各社の仕様と監査体制が信頼の担保役を担うだろう。取引の基準は「JAS」から「自社基準+証跡管理」へと完全に移行しつつある。企業に求められるのは、規格依存から脱却し、消費者に対しては産地や環境対応といった非財務情報を積極的に開示していく姿勢だ。

 

ハンバーガー

[ 2025年9月 8日 ]
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