今になって大騒ぎの中国産鉄鋼品の襲来 韓国製も大量輸入
政府は8月13日、中国と韓国産の溶融亜鉛メッキ鋼板と鋼帯に対するアンチダンピング(不当廉売)課税調査を開始すると発表した。
溶融亜鉛メッキ鋼板・鋼帯は主に建材や電機機器の部品に使用されている。
中国の過剰生産と経済低迷により安い価格で鋼材が輸出され、内需が減少する日本の鉄鋼業界にとって、市況押し下げなど大きな問題となっていた。
日本製鉄、神戸製鋼所など4社が4月28日に不当廉売関税の課税を申請、今回の調査開始となった。
普通鋼でのアンチダンピング調査は初めてのこととなる。
申請した企業は、韓国と中国から日本への輸出価格と国内の価格を比較すると、中国製は30~40%、韓国製は10~20%安く売られていたと主張している。
また、2021年4月から2024年9月までの溶融亜鉛めっき鋼帯・鋼板の韓国からの輸入は20万3768トンから35万8093トンに増加。中国からの輸入は24万0711トンから30万4657トンに増加し、日本国内の総需要に占める割合も上昇したという。
中国は韓国へ大量に輸出しており、日本価格が高いことから、韓国の鉄鋼会社は内需を中国に喰われ不振から日本への輸出を拡大している。
間接的な迂回輸出にもなる。韓国は中国とFTAを締結しており、鉄鋼輸入に対して規制しようとすれば、中国から報復制裁するぞと脅され、中国から輸入するがままになっている。その押し出しにより韓国製が大量に日本へ押し寄せているもの。
日本鉄鋼連盟の今井正会長(日本製鉄社長)は「この調査は、WTO(世界貿易機関)ルールに基づき、不公正輸入の是正に向けて公正かつ独立した立場で進められるもの。鉄鋼業界として調査に適切に対応する」とのコメントを発表した。
また「今回調査開始された産品に留まらず、不公正輸入に対するモニタリングを継続強化するとともに、さらなる輸入通商対策について、日本政府と相談していく」とした。
アンチダンピング措置は、原則、国内企業からの申請に対し、1年以内に調査を終了する。要件を満たしていることが認められた場合に発動される。
7月には中国・台湾製のニッケル系ステンレス冷延鋼帯と鋼板の輸入に対するアンチダンピング課税の調査を開始している。
今井会長は、世界各国で中国からの輸入鋼材に対する通商対策が発動されていることから、日本が措置を取らなければ、日本への輸入が一段と増加する懸念があるとして、具体策の検討を急ぐよう日本政府に求めていた。
日本鉄鋼連盟など5団体は8月18日、アンチダンピング(不当廉売)関税に関し、第3国を経由したり、僅かな加工を施すことで関税対象から逃れることを防止する措置を早期に創設するよう政府に求めると発表した。
中国の過剰生産を背景にした安価な鋼材輸出の増加により、通商対策の必要性が高まっている。
政府は、Ni系ステンレス冷延鋼板や溶融亜鉛メッキ鋼板に対する不当廉売関税の調査を開始した。
鉄連は、仮にアンチダンピング措置が決定しても、迂回防止措置がなければ、「アンチダンピング措置の効果が著しく損なわれる」(鉄連の山下隆也常務理事)と指摘している。
アンチダンピング制度の実効性を高め、真に公正な競争環境を確保することが目的で、保護主義的な措置ではない、と強調した。
主要20ヶ国(G20)中18ヶ国が迂回防止制度をすでに導入しており、措置がないのは日本とインドネシアだけとなっている。
中国が内需不振の結果、過剰生産設備による過剰生産となりダンピング輸出、鉄鋼などは地方政府が出資したりしており、政府主導で各国へ安値輸出されている。
昨年欧米では国内の基幹産業が被害を受けるとして大騒ぎになり、各種規制や中国に対して直接生産調整するように申し入れている。
のんびりしている日本の経産省、こうした中国の過剰生産物の輸出が日本へ押し寄せている。韓国勢の日本への輸出も韓国市場を中国勢が駆逐、韓国メーカーは日本への輸出を拡大させ、永らえている。
以上、報道等参照
ただ、鉄鋼の日本価格は国際価格(先物相場)より高く、日本の鉄鋼会社は是正すべきだろう。粗鋼生産の原料の鉄鉱石・石炭価格で生産コストは決定している。スチール価格も含め何れも国際価格は大きく下げている。日本メーカーの販売価格は国際価格に準拠すべきだ。
力に任せ、国内でぼった喰ってUSスチールの再建資金にすることはあってはならない。
韓国の造船用厚板は中国製が造船需要の10%⇒20%⇒30%まで拡大している。結果、韓国の厚板メーカーは中国製とは価格差があり売れず、内需用の需要も減少し続けている。当然、中国産も韓国産も実質規制なしの日本の経産省、中韓製のダンピング輸出は国内企業が調査して経産省に申し入れして初めて国が行動をとる方式、欧米は国の機関が即行動を起こす。欧米が大騒ぎしていた昨年、経産省は他山の石として暢気に構えていた。日本企業は世界市場を韓国製や中国製に喰われ、日本の国内市場も喰われ、尻に火が付き、経産省にダンピング審査を要請している。





