「みんなで大家さん」訴訟/"自己責任"では片づけられない、放置された制度の穴
全国の出資者1191人が、不動産投資商品「みんなで大家さんシリーズ」をめぐり、運営会社・都市綜研インベストファンド(大阪市)を相手に約114億円の返還を求め提訴した。出資者は全国で3万8000人、集められた資金はおよそ2000億円。だが、施設は未完成のまま、分配金の支払いも滞っている。
一部では「投資は自己責任」との声もある。しかし、それはあまりに短絡的だ。このスキームは、不動産特定共同事業法のもとで“国が制度として認めた投資商品”である。金融庁や国交省は急拡大する同様の事業に対して十分な監督体制を敷かず、事業者の説明義務違反を見逃してきた。大阪府や東京都が業務停止命令を出したのは、被害が顕在化した後の「後追い対応」にすぎない。
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出資者の多くは高齢者や地方在住者だ。法的に登録された商品で、信頼を前提に投資していた人々に「自己責任」を求めるのは、制度を運用してきた政府の責任放棄にほかならない。
「国が認めた投資なのに、なぜ守られないのか」──この問いに答えないままでは、同じ被害が繰り返される。
政府は今こそ、事後処理ではなく、制度そのものの再設計と監督責任の明確化に踏み込むべきだ。
[ 2025年11月 6日 ]
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