アイコン 首都高清掃談合の深層 通行料金はどこへ消えたのか


首都高速道路の清掃事業を巡る談合事件は、単なる業者間の不正にとどまらない。問題の本質は、私たちが支払う通行料金という公的資金が、歪められた競争の中で使われていた可能性にある。

公取委が把握したところによると、首都高全域約320キロを四つの区間に分け、特定の4社が事実上の「指定席」として受注を分け合っていた疑いがある。入札は形式上、一般競争入札だったが、総合評価方式を利用し、受注予定企業が必ず最上位になるよう点数配分を調整。他社は高値で応札する「当て馬」として参加し、競争を装っていたとされる。2年で約80億円規模の契約が、2017年以降、長期にわたり固定化していた点は重い。

 

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今回、事件が表面化した背景には、独占禁止法の課徴金減免制度(リーニエンシー)がある。最初に自主申告した企業は課徴金が免除されるため、談合グループ内で「裏切り」が起きやすい。5億円超とみられる高額課徴金を前に、内部崩壊が起きた可能性は高い。

さらに注目されるのが、発注元である首都高速道路会社の関与だ。同社は国と自治体が出資する特殊会社で、公的性格が強い。仮に職員が予定価格や評価基準を業者側に漏らしていれば、官製談合防止法違反に発展する可能性がある。維持管理業務を巡る「天下り」構造も含め、官民癒着の有無が今後の焦点となる。

談合の影響は、利用者にも及ぶ。本来なら競争で下がるはずの契約額が高止まりし、その分が通行料金に転嫁されていた可能性があるからだ。公共インフラでの不正を放置できないという公取委の強い姿勢の背景には、こうした公共性への配慮がある。

今後は、最終的な課徴金額の確定、首都高側への行政処分の有無、関係企業に対する指名停止措置が注目される。全国の公共工事入札にも影響が及べば、4社の経営への打撃は避けられない。今回の事件は、道路インフラを支える仕組みそのものが問われている。

 

[ 2026年1月29日 ]
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