見えなくなった統計、遅れる政策対応 米経済が直面するリスク
2026年初頭の米国経済は、「表面上の堅調さ」から「構造的な減速局面」へと明確に移行しつつある。2009年の金融危機以来とされる最悪水準の雇用関連指標は、景気後退リスクが現実味を帯びてきたことを示している。
最大の懸念は、政府閉鎖の影響で統計の精度が揺らいでいる点だ。雇用統計が過大評価されていた可能性が浮上する中、FRBは実態よりも強い経済を前提に高金利政策を続けてきた恐れがある。1月に表面化した大規模な人員削減が公式統計に反映される頃には、政策対応が後手に回るリスクも否定できない。
スポンサーリンク
物流大手UPSが追加の人員削減に踏み切った背景には、アマゾンとの取引終了がある。アマゾンが自社配送網を完成させたことで、外部委託に依存してきた物流業界の構造が大きく変化した。大手企業の削減は、関連する中小事業者にも波及する可能性が高い。
また、AIを理由としたレイオフが具体的な人数として表面化し始めた点も見逃せない。企業はコスト削減の一環として、事務職や管理部門を中心にAIへの置き換えを進めている。一方で、採用計画は2009年以来の低水準に落ち込み、再就職の受け皿は急速に縮小している。
人員削減の拡大と採用停止が同時進行する現在の米国労働市場は、典型的な景気後退局面の様相を帯びつつある。企業が守りに入り、労働者が動けなくなる構図は、消費の減速と成長力の低下を通じて、世界経済にも影響を及ぼしかねない。
[ 2026年2月 6日 ]
スポンサーリンク





