アイコン 日経平均、一時2700円超安 AI相場の過熱と「半導体偏重」が露呈


17日の東京株式市場で、日経平均株価は一時、前日比2700円を超える下落となり、6万5000円を割り込んだ。6万5000円台を下回るのは約1カ月ぶり。前日の米国市場で半導体関連株が大きく売られた流れが東京市場にも波及し、アドバンテストや東京エレクトロンなど、AI・半導体関連銘柄を中心に利益確定売りが膨らんだ。

今回の下落は、半導体企業の業績悪化を直接の原因としたものではない。16日の米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数が4.3%安、ナスダック総合指数が1.47%安となった。一方、半導体受託製造大手TSMCの四半期利益は前年同期比77%増加した。それにもかかわらず同社株が下落したことは、好決算だけでは投資家の高い期待を満たせなくなっている現状を映している。半導体株は年初から約70%上昇しており、業績拡大を相当程度織り込んでいた。

 

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東京市場の下げが大きくなった背景には、日経平均の構成銘柄がAI関連株に偏っている事情もある。16日の日経平均は1915円97銭安で取引を終えたが、このうち技術セクターの下落寄与額は1691円54銭に達した。指数全体に占める技術セクターの比率は56.91%で、アドバンテストと東京エレクトロンだけでも約21%を占める。ソフトバンクグループやキオクシアを加えると、AI・半導体関連の主要4社で3割を超える。

日経平均は225銘柄で構成されるが、株価水準の高い一部銘柄の値動きが指数を大きく左右する。AI関連株が上昇局面では指数を急速に押し上げる一方、相場が反転すると、実体経済や市場全体の動き以上に下落幅が拡大しやすい。

米国市場でも同様の偏りが進んでいる。半導体株のS&P500に占める比率は、数年前の約8%から現在は20%超に拡大した。16日は半導体株が急落した一方、ヘルスケア株は2.2%上昇し、ダウ平均の下落率も0.2%にとどまった。市場全体が一斉に景気後退を織り込み始めたというより、これまで相場をけん引してきたAI関連株から資金を引き揚げる動きが強まったとみられる。

今後の焦点は、米大手IT企業によるAI向け設備投資が、実際の売上高や利益の増加につながるかどうかだ。半導体需要そのものが急減したわけではないが、巨額のAI投資を正当化できる収益が確認できなければ、投資家は高い株価評価を維持しにくくなる。

今回の急落は直ちにAI市場の崩壊を意味するものではない。ただ、好決算でも株価が上昇しなくなったことは、相場が「期待先行」から「実績確認」の段階へ移った可能性を示している。日本株についても、日経平均の数字だけで市場全体を判断せず、TOPIXや業種別指数、個別企業の業績を併せて見る必要がありそうだ。

 

 

[ 2026年7月17日 ]
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