≪悲報・第11弾≫大村市新庁舎疑惑!「噂通り」の大林組JV落札。市議会は"二重の指名停止"を知ったうえで契約を承認するのか

大村市新庁舎(庁舎棟)建設工事を、大林組・西海建設・高瀬建設JVが落札した。
入札前から業界内で名前が取り沙汰されていた組み合わせが、そのまま落札者となった。
「やはり、噂通りだったのか」

そんな疑念を抱く市民がいる以上、大村市には、通常以上に透明で具体的な説明が求められる。
ところが、ここにきて看過できない事実が重なっている。
代表構成員である大林組は、大村市が落札者を決定した令和8年8月7日時点で、広島市の指名停止期間中だった。

それだけではない。
岸和田市においても、大林組は令和8年7月10日から同年10月9日まで、建設工事に関する指名停止措置を受けている。
つまり、大村市は、代表構成員が複数の自治体から指名停止措置を受けている最中に、このJVを落札者として決定したことになる。
もちろん、他自治体の指名停止措置が、直ちに大村市での入札参加禁止につながるとは限らない。
自治体ごとに指名停止要綱や入札参加資格の基準が異なるからである。
しかし、「大村市の要綱上は参加できた」という説明と、「市民の税金を投じる大型公共工事の契約相手として本当に適切だったのか」という問題は、まったく別である。
問われているのは「違法かどうか」だけではない
大村市新庁舎は、市民が長期間にわたって使用する行政の中枢施設である。
大規模災害が発生した際には、災害対策本部が置かれる防災拠点としての役割も担う。
その工事を任せる企業について、複数の自治体が同時期に指名停止措置を行っていた。
しかも、その理由は、工事現場で発生した労働災害に関し、労働安全衛生法違反による略式命令を受けたことにある。
大村市が確認すべきだったのは、形式的な参加資格の有無だけではないはずだ。
企業の安全管理体制に問題はなかったのか。
法令遵守に対する姿勢をどのように評価したのか。
労働災害に関する事実と異なる説明があったとされる点を、どの程度重大な問題として受け止めたのか。
そして、防災拠点となる新庁舎の代表施工者として、市民の信頼を確保できると判断した根拠は何だったのか。
これらを検討した記録が存在するのであれば、大村市は速やかに公開すべきである。
反対に、十分な検討を行わず、「本市では指名停止になっていない」という理由だけで参加を認めたのであれば、審査があまりにも形式的だったとの批判を免れない。
大村市は、いつ知ったのか
今回、市民が最も知りたいことは単純である。
大村市は、大林組に対する広島市及び岸和田市の指名停止措置を、いつ知ったのか。
入札参加資格を確認した段階で把握していたのか。
入札後、落札決定までの間に把握したのか。
それとも、落札決定後に初めて知ったのか。
この時系列は極めて重要である。
もし入札参加資格審査の段階で把握していたのであれば、誰が、どの部署と協議し、どのような根拠で参加を認めたのかが問われる。
落札決定前に把握していたのであれば、落札者決定を一旦保留し、安全管理や法令遵守について追加確認を行わなかった理由が問われる。
落札決定後まで把握していなかったのであれば、参加企業に関する情報収集と審査体制そのものが問われる。
どの場合であっても、「適正に執行した」の一言では済まされない。
大村市は、把握した日時、情報の入手経路、庁内での報告先、協議内容、最終判断者を明らかにすべきである。
記録がなければ「検討した」とは言えない
行政は、批判を受けると決まって「総合的に判断した」と説明する。
だが、「総合的に判断した」という言葉ほど、都合のよい逃げ口上はない。
本当に検討したのであれば、記録が残っているはずである。
他自治体の指名停止情報を確認した記録。
担当者から上司への報告書。
契約担当部局、建築担当部局、安全管理部門、法務部門による協議記録。
入札参加を認めることについての法的見解。
落札決定に至るまでの決裁文書。
大林組JVに対して行った事実確認や質疑の記録。
これらの記録を示すことなく、「問題はなかった」「適正だった」と繰り返しても、それは説明ではない。
結論だけを述べて、判断過程を隠すことは、説明責任を果たしたことにはならないのである。
市議会は「知らなかった」では済まされない
次に問われるのは、大村市議会である。
契約議案が提出された際、市議は大林組が広島市及び岸和田市で指名停止措置を受けていることを知っていたのか。
知っていたのであれば、執行部に何を質問したのか。
知らなかったのであれば、なぜ調べなかったのか。
これほど重大な大型契約を審議するに当たり、落札JVの代表構成員に関する基本的な情報すら確認せず、執行部の説明だけを聞いて賛成するのであれば、市議会の存在意義が問われる。
インターネットで公表されている他自治体の指名停止情報を確認することは、特別な調査能力がなければできない仕事ではない。
わずかな時間で確認できる公表情報さえ調べずに採決するのであれば、いったい何を審議したというのか。
議員報酬を受け取りながら、資料も読まず、質問もせず、執行部の提案に黙って手を挙げる。
それでは市民の代表ではなく、執行部の採決要員である。
市議会が提出を求めるべき資料
市議会は、少なくとも次の資料を執行部に提出させ、公開の場で検証すべきである。
• 大林組・西海建設・高瀬建設JVの入札参加資格確認申請書
• 入札参加資格に関する審査記録及び審査表
• 大林組に対する他自治体の指名停止措置一覧
• 広島市及び岸和田市の措置を把握した日時、情報源及び報告経路
• 労働安全衛生法違反及び略式命令に関する庁内報告書
• 大林組又は同JVに対して行った事実確認の記録
• 入札参加及び落札者決定を認めた法的・制度的根拠
• 契約、建築、安全管理及び法務部門の協議記録
• 落札者決定までの起案書、決裁文書及び関係資料
• 同JVとの質疑回答書、協議録及び面談記録
• 契約締結後の安全管理及び法令遵守を担保する具体策
これらを確認しなければ、実質的な契約審議を行ったとは言えない。
資料提出を求めることすらせず、「執行部を信頼する」として賛成するのであれば、それは審査ではない。
行政への白紙委任である。
「スーパーゼネコンだから安心」という思考停止
大林組は、日本を代表するスーパーゼネコンである。
しかし、会社の規模や知名度が、個別工事の安全性や適正性を無条件に保証するわけではない。
むしろ、大手企業であるからこそ、法令遵守、安全管理、情報公開について、より高い水準が求められる。
「天下の大林組だから大丈夫」
その一言で思考を止めることは、市民の安全と税金を預かる行政や議会に許されない。
今回問われているのは、大林組に施工能力があるかないかという単純な話だけではない。
複数の自治体による指名停止措置を、大村市がどのように評価したのか。
その評価が記録として残され、市民に説明できるものなのか。
防災拠点を任せる企業として、法令遵守と安全管理をどのように確認したのか。
その審査の中身が問われているのである。
賛成する市議は、名前と根拠を示せ
契約議案に賛成する市議は、市民の前で明確に説明すべきである。
「どの資料を確認したのか」
「大林組の指名停止措置をいつ知ったのか」
「執行部にどのような質問をしたのか」
「どのような回答を得たのか」
「なぜ契約しても問題がないと判断したのか」
この五つに答えられないまま賛成するのであれば、その賛成票には根拠がない。
議員の一票は、市民から預かった重い一票である。
会派の方針だから、執行部が大丈夫と言ったから、先輩議員が賛成すると言ったから――。
そんな理由で済まされるものではない。
賛成するのであれば、賛成した市議の名前と判断根拠を議事録に残し、市民の検証を受けるべきである。
疑惑を深めるのは「質問」ではなく「沈黙」である
本紙は、大林組・西海建設・高瀬建設JVが落札したという結果だけで、不正入札だったと断定しているのではない。
入札前から名前が取り沙汰されていたJVが「噂通り」に落札した。
その代表構成員は、落札決定時に複数の自治体で指名停止措置を受けていた。
それにもかかわらず、大村市から具体的な審査過程や判断根拠が示されていない。
だからこそ、説明を求めているのである。
市民が疑問を呈することが、疑惑を生むのではない。
資料を示さず、記録を明らかにせず、「適正だった」と結論だけを繰り返す行政の姿勢が疑惑を深める。
そして、資料を求めず、質問もせず、黙って契約議案に賛成する市議会の沈黙が、さらに市民の不信を招くのである。
「噂通り」の落札。
広島市での指名停止期間中の落札決定。
岸和田市では10月9日まで続く指名停止措置。
この事実を前にしても、大村市と市議会は「本市では問題ない」の一言で押し切るつもりなのか。
市民が見ているのは、落札結果だけではない。
行政が何を調べ、誰が判断し、市議が何を確認して一票を投じたのか、その全過程である。
隠せば隠すほど疑惑は深まる。
説明を避ければ避けるほど、「噂通り」という言葉の重みは増していく。
大村市は審査資料と判断記録を公開せよ。
市議会は、契約議案に手を挙げる前に徹底的に検証せよ。
そして賛成する市議は、自らの名前と賛成理由を市民の前に示せ。
本紙は引き続き、大村市新庁舎建設工事の審査過程、契約議案の審議内容、そして市議一人ひとりの対応を検証していく。
JC-net・日刊セイケイ編集長 中山洋次





