三井商船 中古船利用の洋上発電・洋上データセンター構築へ
三井商船はKinetics社らと提携して同社の中古船を利用して発電船とデータセンター船に改修して運用する事業に参画する。
データセンターは、米国のスーパーIT企業らにより、今や生成AIを高速で動かせるAI半導体を用いたセンターが主流となっている。30万kW/h前後の電力が必要とされ、また冷却にも大量の水が必要となり、設置ハードルはまだまだ高い。
【陸上データセンターと比較した際の洋上データセンターのメリット】
発電船と組み合わせることで、地域電力から独立して運用可能。
米国では電力会社側の供給が追い付かず、データセンターの運用開始までに5年以上の待ち時間が発生するケースもある。こうした電力ひっ迫地域でも、即時にデータセンターの運用を開始できる。
都市圏周辺での大規模な土地の確保および土地の取得費用が不要建設期間の短縮洋上データセンターの改造工事は1年程度で、従来の陸上データセンター開発と比較して開発期間を最大3年短縮できる可能性がある。
移設可能
中古船をベースとする洋上データセンターは浮体式のため、需要の変化に応じて稼働場所を変更することが可能。また、条件によっては、通常の船のように洋上を航海しながらデータセンターとして運用することも可能。
【中古船を改造し洋上データセンターを建設するメリット】
既存船体を活用することによって原材料の採掘・加工から生じる環境負荷を低減初期投資および運用コストの削減、建設にかかるコストを削減できるほか、既存の船内システム(空調、取水、発電機など)を活用することで、初期投資のコスト削減が見込る。
また、海水を活用した水冷システムはエネルギー効率がよく、サーバの冷却にかかる電力消費を抑制し、運用コストを削減する。
広範なスペース
(例:約54,000m2 の床面積を有する自動車運搬船は延べ床面積ベースで日本最大級の陸上データセンターに匹敵)
本事業は、当社グループのアセットと船まわりのノウハウを活かしつつ、環境負荷をおさえながら迅速にデジタルインフラを構築できるプロジェクトです。当社グループは、今後も海運業を中心に様々な社会インフラ事業を展開し、環境保全を始めとした変化する社会のニーズに技術とサービスの進化で挑む。
(註1) Kinetics technologies holdings limited(本社:英国王室属領マン島)
Kineticsはトルコを拠点とする多角的エネルギー企業であるKaradeniz Holdingによって設立された会社。
Karadeniz Holdingは、世界最大の浮体式発電船(パワーシップ)の所有・運営会社Karpowershipの親会社。
Karpowershipが浮体式発電資産に特化しているのに対し、Kineticsは、浮体式LNG資産、蓄電池システム、データセンターのような新セクター向けのモジュール型エネルギーソリ
ューションといった補完的なエネルギーインフラ分野へのグループ展開を目的として設立されている。
両社は、浮体式発電と浮体式LNGインフラの組み合わせや、ハイブリッドエネルギープラットフォームの開発といった統合ソリューションの提供において、密接に連携している。
Karadeniz Holding HP:Karadeniz Holding | Home
グローバルのデータセンターの市場規模は2021年時点で552億米ドルと推定されており、2030年には倍以上の1,241億米ドルまで拡大する見込み。
【パイロットプロジェクト概要】
【プロジェクトタイムライン】
商船三井グループが設定した5つのサステナビリティ課題
商船三井グループでは、グループビジョンの実現を通じて社会と共に持続的な発展を目指すための重要課題として「サステナビリティ課題 (マテリアリティ)」を特定。
本件は、5つのサステナビリティ課題の中でも特に「Environment -海洋・地球環境の保全-」、「Innovation -海の技術を進化させるイノベーション-」にあたる取り組み。
船舶という既存資産を再生・高度化しデータセンターへ転用する本手法は、インフラ分野における資源循環の新たなモデルケースとなり、脱炭素とデジタル化を同時に推進する当社独自のイノベーション。
項目 詳細データセンター容量 20〜73MW(モジュール構成により拡張可能)
冷却システム 海水または河川水を利用した直接水冷データセンターの船舶仕様
総トン数:9,731トン
全長:120.00m
幅(ビーム):21.20m
ドラフト:8.98m
電源 Karadenizが提供する発電船(LNGなど複数の燃料を使用可能)
電力系統接続も併せて検討
ネットワーク 陸上のIX(インターネット・エクスチェンジ)や海底ケーブルとの接続
を予定年
主なマイルストーン
2025年 洋上データセンターの改造設計完了、
データセンター事業者および港湾当局とのMOU締結
2026年 中古船から洋上データセンターへの改造工事開始、
許認可取得、商業契約締結
2027年 洋上データセンターの稼働開始
以上、リリース参照
韓国造船勢はLNG洋上生産施設など開発にあたり、受注拡大をはかっているが、中古船の改造ともなれば、当分野では新造船での優位性がなくなる。
中古船はいくらでも大型船・巨大コンテナ船、スーパータンカーまであり、巨大データセンター船と発電船を構築することができる。
米軍から原子力船の中古船を購入すれば、そのまま電源船として使用もできるようになる。トランプ合衆国では石炭を燃やして安価に発電、また30kW以下のSMR発電所を各地に建設してデータセンター向けに電力を供給することも視野に入れている。しかし、SMRも原発であり事故れば結果は同じ。数多く造れば事故る率も高くなる。






