【第三弾】≪江島沖洋上風力≫風車の工程だけではない。「地元対策」と警戒船のカネを説明せよ!
「物価高で工程を見直す」。
それは分かった。だが、住民が知りたいのは、風車がいつ立つかだけではない。
誰が地元との交渉を担い、誰に仕事が発注され、誰にカネが支払われるのか。
「地域との共生」を掲げる事業なら、その中身まで説明してもらいたい。
2023年12月13日、国が江島沖洋上風力の事業者に選定したのは、住友商事と東京電力リニューアブルパワーによる「みらいえのしまコンソーシアム」である。ここは公表資料で確認できる事実だ。
一方、本紙には、選定前のJREによる地元調整や柏木世次氏の関与、選定後の警戒船業務をめぐる情報が寄せられている。
ただし、各社と同氏との契約関係、具体的な役割、報酬や受注額は、現段階で裏付けが取れていない。情報が寄せられたことと、その内容が事実であることは別である。
だからこそ、契約と記録で確かめたい。

まず、JREに問う。
江島での地元調整を、誰に、どのような権限と条件で依頼していたのか。柏木氏との委託・報酬関係はあったのか。あったなら、何の業務に対する支払いだったのか。
続いて、住友商事、東京電力リニューアブルパワー、そして事業会社側に問う。
選定後、漁業関係者との協議は誰を窓口に進めてきたのか。その人物や団体が、関係する漁業者の意見を代表することを、どのように確認したのか。
警戒船業務についても同じだ。発注済みの業務があるなら、発注先、選定方法、単価、稼働隻数・日数、支払額を説明できるか。元請けだけでなく、再委託先まで把握しているか。柏木氏や同氏の関係先との契約の有無も、確認したい。
警戒船は、海上の安全を守る大切な仕事である。地元の船や漁業者に仕事を発注することにも意義がある。
その意義を支えるのが、発注の公平性と、実際の仕事に見合った支払いである。
「地元に頼んでいます」という一言では、誰が選ばれ、どのような基準で仕事が配分されたのかは分からない。契約書、配船記録、稼働報告、支払記録。その積み重ねこそが説明の裏付けになる。
そして、地域全体への還元と、個別の事業者への業務代金は、区別して示す必要がある。
警戒船の代金を払ったことだけで、地域全体に利益が行き渡ったことにはならない。漁業者への説明はどう行われ、意見の違いはどう扱われたのか。地域還元の対象と配分は、誰が、どのような手続きで決めるのか。
柏木氏本人にも、地元調整や警戒船業務への関与の有無、関与している場合の立場と契約関係について、説明を求めたい。
西海市も、事業推進を求めるなら、住民への説明を事業者任せにはできまい。
地元調整の窓口、合意形成の手続き、地域還元の仕組みを、どこまで把握しているのか。把握していない部分があるなら、事業者に何を確認するのか。それを市民に示してもらいたい。
工程表は「いつ動くか」を示す。契約と支払記録は「誰に仕事とカネが流れるか」を示す。
江島沖で説明を求められているのは、その両方である。
風車を回す前に、説明を動かせ。
「地域のため」と言うなら、誰に、何が、どれだけ届くのか。その中身を地域に見せてもらいたい。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





