倒産情報

アイコン 【長崎】「長崎冷果」製造のエスジーエスが破産申請準備 県の成長企業認定、コストコ再販店も展開


長崎県諫早市で冠婚葬祭用ギフトの卸売や冷凍フルーツの製造販売などを手がける「エスジーエス株式会社」が、破産申請の準備に入ったと報じられている。2026年10月27日付で事後処理を弁護士に一任したとされ、2025年3月期決算時点の負債総額は2億3721万円。

同社は2005年7月に設立されたギフト用品販売会社。大手冠婚葬祭業者などを取引先として事業を展開する一方、コストコ商品の再販店「MiNiCOS(ミニコス)」の運営や、長崎県産果実を使用した冷凍フルーツ「長崎冷果(ひやか)」の製造販売にも進出していた。

2024年度には長崎県ネクストリーディング企業に認定され、冷凍フルーツ事業の拡大を目指していたが、既存事業の収益低下や店舗撤退などで売上高が減少。2026年3月期の売上高は約5億2000万円と、2023年3月期の7億2961万円から約29%減少していたという。

 

スポンサーリンク
 
 

冠婚葬祭ギフト卸を主力に成長 食品加工や小売事業へ進出

エスジーエスは2005年7月29日に設立されたギフト用品の卸売・販売会社。資本金は3000万円。本社を長崎県諫早市に置き、冠婚葬祭用の引き出物や返礼品、各種記念品などの販売を主力としていた。

長崎県農商工連携ファンド事業の資料によると、同社の事業の源流は1988年にさかのぼり、冠婚葬祭用記念品の総合卸売・小売事業を長年展開してきた。

結婚式の引き出物や会葬返礼品のほか、葬儀用の商品、生花、一般食品なども取り扱い、大手冠婚葬祭業者や商社などに営業基盤を築いていた。

その後は従来のギフト需要の変化に対応するため、一般食品の卸売や食品加工、小売店舗の運営などへ事業領域を拡大。いかなごのくぎ煮などの加工食品販売にも取り組んでいた。

企業公式サイトによると、2026年2月時点の従業員数はパートを含め27人。諫早市の本社のほか、佐賀県伊万里市の営業所なども案内されていた。

ただし、従業員数や営業拠点は公式サイトに掲載された時点の情報であり、破産申請準備が報じられた2026年10月時点の状況とは限らない。

コストコ商品再販店「ミニコス」も展開 嬉野店は閉鎖

同社はギフト用品の販売に加え、米国発の会員制倉庫型店「コストコ」の商品を取り扱う再販店「MiNiCOS(ミニコス)」も展開していた。

ミニコスは、コストコで販売されている食品や日用品などを仕入れ、一般消費者向けに販売する店舗。コストコの会員証を持たない利用者でも商品を購入できる仕組みを特徴としていた。

佐賀県嬉野市では「ミニコス嬉野店」を運営していたが、同店は閉鎖された。コストコ再販店の情報サイトには、2025年11月30日に閉店したとの記録がある。

ただし、閉店日については店舗運営者自身の公式告知を確認できていない。

また、エスジーエスの公式サイトには「ミニコス諫早店」も掲載されているが、2026年10月時点の営業状況については確認できていない。

なお、ミニコスはコストコの商品を仕入れて販売する再販店であり、コストコ本体が運営する直営店や、正式なフランチャイズ契約に基づく加盟店と確認されたものではない。

今回のエスジーエスの破産申請準備が、コストコ本体の経営や店舗運営に関係するものではない点には注意が必要となる。

長崎県産果実を冷凍加工 独自商品「長崎冷果」を開発

同社が新たな事業の柱として育成を進めていたのが、長崎県産果実を使用した冷凍フルーツ「長崎冷果(NAGASAKI HIYAKA)」だった。

長崎冷果は、長崎県産のみかん、いちご、ブルーベリーなどを旬の時期に収穫し、ブライン凍結技術で急速冷凍する商品。果実の食感や風味を生かし、冷凍したまま食べられることなどを特徴としていた。

特にみかんは、諫早市を中心とする長崎県内の産地で収穫されたものを使用。皮をむいて房ごとに分ける工程にも手作業を取り入れ、食べやすさと品質の両立を図っていた。

開発には長崎県農商工連携ファンド事業も活用され、県内の農業事業者との連携を通じて、新たな冷凍果実商品の開発と販路開拓に取り組んでいた。

同事業の紹介資料では、従来の冠婚葬祭用記念品販売に加え、食品加工事業を新たな収益分野として育成する方針が示されていた。

長崎冷果は2024年に商品化され、県産果実の付加価値向上を目指す商品として販売された。季節に左右されず果実を楽しめる商品として、一般消費者向けの販売や業務用の販路開拓を進めていた。

2024年度に県の成長企業認定 フィリピンでも商品紹介

冷凍フルーツ事業の育成に取り組む同社は、2024年度の長崎県ネクストリーディング企業に認定されていた。

同制度は、今後の成長が期待される県内企業を認定し、経営計画の策定や事業拡大などを支援するもの。県の認定一覧では、エスジーエスの事業内容として冠婚葬祭返礼品の卸売・小売、加工食品や冷凍フルーツの製造販売などが紹介されている。

同社は冷凍フルーツ事業について、生産体制の強化や販路拡大を進め、将来的には同事業の売上高を2億円規模へ伸ばす目標も掲げていた。

ただし、これは事業計画上の目標であり、実際に冷凍フルーツ事業が売上高2億円に達したことを示すものではない。

2025年1月28日には、同社が長崎冷果をフィリピンの三越で紹介することを公式サイトで発表。海外市場への販路拡大にも取り組んでいた。

さらに2026年3月には、福岡市の大丸福岡天神店で開催された「いさはやマルシェin福岡天神」の出店者案内に、エスジーエスの長崎冷果が掲載されていた。

このように県内外での商品紹介や販売促進を進めていたが、海外取引の売上規模や新規事業の収益状況については確認できていない。

年商7億2961万円から5億2000万円へ 原材料高や店舗撤退が重荷

ギフト卸売などで営業基盤を築いていた同社は、2023年3月期に売上高7億2961万円を計上していた。

しかし、その後は冠婚葬祭関連の需要変化や不採算事業からの撤退などで売上高が減少。ミニコス嬉野店の閉鎖もあり、2026年3月期の売上高は約5億2000万円に縮小したと報じられている。

3年間で売上高は約2億961万円減少し、減少率は約28.7%となった。

収益面では原材料価格や人件費の上昇が負担となり、採算の確保が難しい状況が続いていたとされる。

ギフト卸売を中心とする従来事業に加え、食品加工や小売などの新規事業を展開していたものの、全社的な収益改善には至らなかったとみられる。

ただし、各事業の損益や具体的な赤字額、冷凍フルーツ事業への投資額などは確認できておらず、新規事業の展開自体が経営悪化を招いたと断定することはできない。

なお、売上高の数値は今回の倒産関連報道に基づくもので、決算書による独立した照合はできていない。

10月27日に弁護士へ事後処理一任と報道 負債は前年決算時点で2億3721万円

こうした経営状況のなか、エスジーエスは2026年10月27日付で事後処理を弁護士に一任し、破産申請の準備に入ったと報じられている。

2025年3月期決算時点の負債総額は2億3721万円とされる。ただし、これは2026年10月時点の確定負債額ではなく、破産申請に伴う最終的な負債額は明らかになっていない。

また、破産申請日、申請先の裁判所、破産手続き開始決定日などについても現時点では確認できていない。

同社の公式サイトには事業案内や商品紹介、ミニコス諫早店などの情報が残っているが、これらは破産申請準備が報じられた後の営業継続を示すものではない。

ミニコス諫早店の今後の営業や長崎冷果の製造・販売、事業譲渡、スポンサーによる事業承継などについても確認できていない。

冠婚葬祭ギフト卸から冷凍フルーツの製造、コストコ商品の再販まで事業を広げ、県の成長企業認定も受けていた同社だが、収益の低迷や財務負担を背景に事業継続が難しくなったとみられる。

エスジーエス株式会社の会社概要

法人名 エスジーエス株式会社
所在地 長崎県諫早市
法人番号 7310001008608
設立 2005年7月29日(事業の源流は1988年)
資本金 3000万円(公式サイト掲載値)
従業員数 27人(2026年2月時点、パート含む)
主要事業 冠婚葬祭用ギフト卸売・販売、一般食品卸売、冷凍フルーツ製造販売、コストコ商品の再販
独自商品 長崎冷果(NAGASAKI HIYAKA)
過去の店舗事業 コストコ商品再販店「MiNiCOS(ミニコス)」
主な公的認定 2024年度長崎県ネクストリーディング企業
2023年3月期売上高 7億2961万円(報道による)
2026年3月期売上高 約5億2000万円(報道による)
負債額 2億3721万円(2025年3月期決算時点、報道による)
法的整理の状況 2026年10月27日付で弁護士に事後処理を一任し、破産申請準備と報道

 

スポンサーリンク
  

 

 

スポンサーリンク
 

 

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧