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アイコン 【倒産企業続報・滋賀】民事再生のトーシン・レコ、PET再生事業の承継完了 大栄環境が新会社を完全子会社化


滋賀県甲賀市でPETボトルの再生原料製造などを手掛け、民事再生手続き中の株式会社トーシンと株式会社レコについて、東証プライム上場の大栄環境株式会社(証券コード9336)が、両社の事業を承継する新会社の全株式を取得し、2026年11月2日付で連結子会社化したことが分かった。

旧トーシンとレコは2026年5月29日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、6月9日に再生手続き開始決定を受けていた。申請時の負債総額は2社合計約26億5100万円。9月18日には大栄環境とのスポンサー支援に関する基本合意を発表していた。

今回、両社が共同新設分割によって設立した「トーシン株式会社」の全株式を大栄環境が取得。これにより、使用済みペットボトルを原料とするPETフレーク・ペレット製造と、再生PETシート製造の事業承継が実行された。

なお、民事再生手続き中の旧「株式会社トーシン」と、新たに大栄環境の傘下となった「トーシン株式会社」は別法人であり、旧2社の法的整理が終了したことを意味するものではない。

 

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新会社は三重県伊賀市に設立、資本金8000万円で大栄環境傘下へ

大栄環境が11月2日に公表した資料によると、今回取得した会社は同日設立の「トーシン株式会社」。本店所在地は三重県伊賀市で、資本金は8000万円となっている。

大栄環境は新会社の発行株式1600株をすべて取得。議決権所有割合は取得前の0%から100%となり、完全子会社化した。

株式の取得価額は当事者間の契約により非公表とされている。取得価額の具体的な金額や、今回の取得に伴う資金支出の詳細は明らかになっていない。

新会社の事業内容には、合成樹脂製建材の製造・販売、使用済みペットボトルから製造するPETフレーク・ペレットの製造・販売などが含まれている。

従来の旧トーシンとレコはいずれも滋賀県甲賀市に本店を置いていたが、今回の承継先は三重県伊賀市に本店を置く新設法人となった。

このため、旧トーシンと新トーシンを同一法人として扱わないことが重要となる。新会社の法人番号については、今回確認した資料では特定できていない。

PETフレーク・ペレットから卵パック向け再生シートまで事業承継

今回承継されたのは、使用済みペットボトルを再資源化するための製造技術と関連事業である。

旧トーシンは回収されたペットボトルを原料に、粉砕・加工したPETフレークや、再生樹脂の粒状原料となるペレットを製造・販売していた。

一方、関連会社のレコは、再生PET原料を用いたシート製造を担い、食品用の卵パックやクリアファイルなどに利用される再生シートを供給していた。

両社は、ペットボトルの再資源化からシート製造までを組み合わせた事業を展開しており、今回の承継によって、こうした製造技術とノウハウが大栄環境グループに取り込まれることとなった。

大栄環境は、従来から手掛けるポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などの廃プラスチックリサイクルに加え、PET素材の再生技術を活用する方針を示している。

同社は製造施設の設計などにも今回取得した技術を応用できるとしており、再資源化事業の拡大につなげる考えだ。

ただし、新会社の具体的な設備増強計画や生産能力の変更、今後の設備投資額については、現時点で確認できていない。

旧トーシンは年商18.9億円から8.06億円に縮小、2社で民事再生申請

旧トーシンは1992年設立のPETリサイクル関連企業。滋賀県甲賀市に製造拠点を設け、関連会社のレコとともに再生樹脂原料やシートの製造事業を展開してきた。

旧トーシンは2000年代以降、滋賀県や三重県で製造設備を拡充し、2013年9月期には年売上高約18億9000万円を計上していた。

しかし、その後は受注減少などにより業況が低迷。2024年9月期の売上高は約9億円まで減少した。

大栄環境の2026年9月18日付公表資料によると、旧トーシンの2025年9月期の売上高は8億600万円。関連会社レコの2026年4月期の売上高は1億3800万円だった。

旧トーシンは中小企業活性化協議会の支援を受けて経営改善を目指したものの、財務状況の立て直しが進まず、2026年5月29日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請。同日に関連会社レコも申請した。

両社は6月9日に再生手続き開始決定を受け、スポンサーによる事業再建を目指していた。

民事再生申請時の負債は、旧トーシンが約23億3100万円、レコが約3億2000万円で、2社合計約26億5100万円に上る。

なお、これらの負債は民事再生を申請した旧2法人のものであり、今回設立された新会社の負債額ではない。

9月の基本合意から11月の株式取得へ、事業再生計画が実行段階に

大栄環境は2026年9月18日、旧トーシンとレコの民事再生スポンサーとして支援する基本合意書を締結したと発表していた。

当初の計画では、両社が共同新設分割方式によって受け皿となる新会社を設立し、PET再生原料製造やシート製造などの事業を承継させる予定だった。

そのうえで、新会社の株式を大栄環境が取得し、連結子会社とする仕組みが想定されていた。

基本合意の段階では2026年11月2日を事業承継の実行予定日としていたが、今回、大栄環境が同日付で新会社の全株式取得を完了したと正式に発表した。

従来は予定だったスポンサー支援が、実際の株式取得と事業承継に進んだことになる。

一方、今回の発表は、旧2社の再生計画認可や民事再生手続きの終結を意味するものではない。

旧法人に残る債務の取り扱い、再生債権者への弁済条件、手続き終結の時期などについては、今後の法的手続きで確認する必要がある。

新会社の取得価額は非公表、従業員の承継状況は未確認

大栄環境は今回の新会社取得について、2027年3月期の連結業績への影響は軽微との見通しを示している。

ただし、取得価額は非公表であり、事業承継に伴う設備や資産の評価額、今後の収益見込みなどの詳細は明らかにされていない。

また、新会社が引き継いだ従業員の人数、旧会社で雇用されていた従業員の雇用条件、個別の工場・製造設備の承継範囲についても、今回確認した公表資料だけでは特定できない。

今後は、大栄環境グループの一員となった新会社がPET再生事業をどのように展開するかに加え、民事再生手続き中の旧トーシンとレコについて、再生計画の認可や残余債務の処理がどう進むかが注目される。

旧トーシン・レコと承継新会社の概要

項目 旧・株式会社トーシン 株式会社レコ
本店所在地 滋賀県甲賀市 滋賀県甲賀市
法人番号 9160001005742 9160001005874
設立 1992年 2001年6月
資本金 2000万円 9000万円
主要事業 リサイクルPETフレーク・ペレット製造販売 再生PETシート製造
直近公表売上高 8億600万円(2025年9月期) 1億3800万円(2026年4月期)
民事再生申請 2026年5月29日 2026年5月29日
再生開始決定 2026年6月9日 2026年6月9日
申請時負債額 約23億3100万円 約3億2000万円
新会社名 トーシン株式会社
本店所在地 三重県伊賀市
設立日 2026年11月2日
資本金 8000万円
法人番号 法人番号確認できず
事業内容 再生PET原料・シート関連事業、合成樹脂製建材の製造販売など
取得会社 大栄環境株式会社(東証プライム・9336)
取得株式数 1600株(議決権所有割合100%)
株式取得実行日 2026年11月2日
取得価額 非公表

※旧トーシンとレコの負債合計約26億5100万円は民事再生申請時点の数字で、新会社の負債ではありません。新会社の株式取得完了は、旧2社の民事再生手続き終結を意味するものではありません。

関連記事:【倒産企業続報】トーシン・レコ、大栄環境が再生スポンサーへ PETリサイクル事業を新会社に承継

参考資料:大栄環境・2026年11月2日「新設分割会社の株式取得(連結子会社化)に関するお知らせ」

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