大型倒産情報

アイコン 【倒産企業続報・大阪】絆ホールディングスなど5法人が破産開始 負債約289億円、福祉事業は承継まで継続


大阪市中央区の障害福祉事業グループ、株式会社絆ホールディングスと関連4法人が、2026年11月2日、大阪地方裁判所から破産手続き開始決定を受けた。

対象は絆ホールディングス、JOB connect、レーヴ、リベラーラの株式会社4社とNPO法人リアンの計5法人。破産管財人には5法人とも野上昌樹弁護士が選任された。負債総額は2026年6月の法的整理申立て時点で5法人合計約289億5361万円に上る。

今回の破産開始決定で重要なのは、福祉事業の一部について、裁判所が破産開始後の事業継続を許可したことだ。同グループはスポンサーの有限会社ティー・エヌ・プランとの間で事業承継契約を締結しており、障害児通所支援事業などは承継完了まで破産管財人の管理下で運営を継続する方針となっている。

 

スポンサーリンク
 
 

会社更生申請から約4カ月、5法人すべてが破産開始

絆ホールディングスなど4社は2026年6月22日、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。同日、NPO法人リアンも破産を申請し、グループ5法人が法的整理に入った。

当初は会社更生手続きによる再建を目指していたが、10月1日、大阪地裁は株式会社4社の更生手続き開始申立てを棄却。破産手続き開始前の保全管理命令を発令した。

NPO法人リアンについては、6月22日の破産申立てに伴う保全管理が継続していた。

その後、11月2日に大阪地裁が5法人すべてについて破産手続き開始を決定。保全管理人を務めていた野上昌樹弁護士が、破産管財人に選任された。

これにより、6月の法的整理申立てから続いていた手続きは、会社更生による再建ではなく、破産手続きによる事業・財産の整理へと移行した。

なお、10月1日の更生申立て棄却と、11月2日の破産開始決定は別の裁判所の処分である。JC-NETでは前段階の保全管理命令について報じているが、今回は正式な破産開始決定を受けた続報となる。

破産後も障害児通所支援事業を継続、裁判所が許可

今回の破産手続きで特徴的なのは、破産開始後も一部の福祉事業を継続する点にある。

11月2日付の破産管財人による公式発表では、障害児通所支援事業や相談支援事業などについて、裁判所から破産開始後の事業継続許可を受けたことが明らかにされた。

同グループは障害のある児童を対象とした放課後等デイサービスや児童発達支援などを手掛けており、施設利用者へのサービス提供を維持することが課題となっていた。

破産管財人は、スポンサーへの事業承継が完了するまで、引き続き事業所の運営を行う方針を示している。

ただし、事業継続が認められたのは、管財人が公表した障害児通所支援事業などについてであり、グループが過去に運営したすべての事業所が営業を続けることを意味しない。

特に、行政処分の対象となった就労継続支援A型事業所と、今回継続が表明されている障害児通所支援事業は区別する必要がある。

スポンサーは大阪府和泉市のティー・エヌ・プラン、事業承継契約を締結

同グループは2026年9月30日、大阪府和泉市の有限会社ティー・エヌ・プラン(法人番号:4120102028460)をスポンサーとする契約を締結していた。

契約は、ティー・エヌ・プランまたは同社が設立する会社に対し、事業譲渡によって福祉事業を承継する内容となっている。

10月1日の更生申立て棄却に関する発表でも、スポンサーとの契約が成立し、障害児通所支援事業などの承継に向けた道筋がついたことが説明されていた。

11月2日の破産開始決定後も、このスポンサー契約を前提として事業承継を進める方針に変更はない。

一方、実際の事業譲渡が完了したとの発表は確認できていない。承継する事業所の具体的な範囲、承継先法人の最終的な名称、従業員の雇用条件、譲渡完了日なども明らかになっていない。

したがって、現時点では「事業承継が決定・完了した」ではなく、「スポンサー契約を締結し、承継完了まで事業を継続する」とするのが正確だ。

給付費の返還問題が経営を圧迫、会社更生による再建は断念

絆ホールディングスは2012年1月設立の障害福祉関連事業者。障害児向けの放課後等デイサービスなどを展開するほか、フリースクールや事業者向け研修なども手掛けてきた。

2023年3月期には年売上高約24億円を計上。その後、関連会社を通じて福祉事業を展開していた。

しかし、グループの就労継続支援A型事業所における障害福祉サービス給付費の請求をめぐり、大阪市が関係法人に返還を求める行政処分を実施。関連する事業所の指定取消しも行われた。

10月1日付の保全管理人の説明では、グループ内の一部法人について、多額の給付費返還を賄う原資の確保が困難となったことなどが、更生手続き開始申立ての棄却に至る事情として挙げられている。

絆ホールディングスについても、事業継続を内容とする更生計画の立案が困難と判断され、会社更生による再建は実現しなかった。

なお、給付費返還をめぐる行政上の問題と、刑事上の責任の有無は別の問題である。今回の破産開始決定は、関係者の刑事責任について判断したものではない。

一般破産債権の配当は未定、新規取引の支払いは継続方針

破産管財人は11月2日、取引先に対し、同日以降の取引については約束した支払日に代金を支払う方針を示した。

これは、スポンサーへの事業承継が完了するまで福祉事業を運営するうえで、必要な取引を継続するための対応と位置付けられる。

一方、2026年6月21日以前の原因に基づいて発生した一般破産債権については、現時点で配当が可能かどうか不明としている。

そのため、破産管財人は、現段階では一般破産債権の債権届出を求めていない。今後、配当が可能と判断された場合には、改めて債権者へ連絡し、裁判所から債権届出書が送付される見通しとなっている。

配当を実施できるだけの財産が確保できない場合は、債権届出を行わないまま破産手続きが終了する可能性もある。

破産開始後の事業継続が認められていることと、過去の一般破産債権に対する弁済が保証されることは異なるため、取引先は債権の発生時期と取扱いを区別する必要がある。

絆ホールディングスなど破産5法人の概要

法人名 本店所在地 法人番号 2026年6月の申立て
株式会社絆ホールディングス 大阪市中央区 5120001168349 会社更生
株式会社JOB connect 大阪市中央区 3120001227370 会社更生
株式会社レーヴ 大阪市中央区 2120001235886 会社更生
株式会社リベラーラ 大阪市中央区 9120001243552 会社更生
NPO法人リアン 大阪市中央区 4120005018393 破産
対象法人 株式会社4社、NPO法人1法人の計5法人
破産開始決定日 2026年11月2日
裁判所 大阪地方裁判所
破産管財人 野上昌樹弁護士
負債総額 5法人合計約289億5361万円(2026年6月申立て時点)
事業承継スポンサー 有限会社ティー・エヌ・プラン(大阪府和泉市)
スポンサー法人番号 4120102028460
スポンサー契約締結日 2026年9月30日
事業継続状況 障害児通所支援事業などは承継完了まで継続予定

※負債総額は2026年6月の法的整理申立て時点の数字であり、破産手続きで確定した債権総額ではありません。スポンサーによる事業譲受けの完了は確認できていません。

関連記事:絆ホールディングスの会社更生申立て棄却・保全管理命令に関するJC-NET既報

参考資料:2026年11月2日・破産管財人による破産手続き開始のお知らせ

スポンサーリンク
  

 

 

スポンサーリンク
 

 

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧