北朝鮮への経済協力 水面下で動き活発 どうなることやら
米トランプは、中国が北朝鮮に関与していると忌み嫌い、5月24日の米朝会談中止発言に至った。それでも北朝鮮からの会談の呼びかけに気分をよくしたトランプは6月1日、6月12日(火曜日)の会談を復活させた。
トランプは、北朝鮮が、不可逆的な核廃絶が明確になったところで、金銭的な支援は行わないと公言している。トランプは韓国・中国・ロシア・日本が隣接近接国であり、支援するだろうと述べている。ただ、以前のポンペイオ国務長官の発言では、米国企業が投資するだろうと述べ、民間の投資と政府支出とを明確に分けているようだ。
トランプが1日、北朝鮮の金正恩国務委員長の親書を受け取った際に「『最大限の圧力』という言葉はもう使いたくない」と述べた。
この発言により、北朝鮮が正式な非核化の措置を取る前に、国際社会の対北朝鮮制裁が先に揺らぐことへの懸念が広まっている。
「対北朝鮮制裁は、すでに有名無実化した」という誤ったシグナルを発信し、非核化を確認する前に北朝鮮経済が息を吹き返すきっかけを与えることになる。
<韓国>
韓国文政権は、北朝鮮への経済協力に積極的な態度を見せている。1回目の南北首脳会談で、文大統領は金正恩に対し、朝鮮半島の未来を描く「新経済構想」の入ったUSBを渡している。
韓国政府は、東海線(道路)・京義線(鉄道)の連結・近代化問題などについて、近く南北実務会議を開催する予定となっている。
6月1日に行われた南北閣僚級会談で。開城工業団地への南北共同連絡事務所の設置が決定、一部では「開城工業団地の再開」に向けた事前準備と見られている。
北朝鮮のインフラ整備は、まずは道路・鉄道の整備に始まり、韓国からの送電、水道設備、発電設備、空港の整備と新規開設、外資を誘致する工事団地の造成など、膨大な投資が必要となり、韓国企業の活躍の場は無限大。
文政権の経済政策もその一転に集中している。すべての経済問題を解決する万能薬どころか、その特需により、大いなる経済成長も伴う。
北朝鮮の低賃金には、韓国企業も中国企業も目を鱗にしているものと見られる。
<中国>
すでに中国では国境の町に中央から大挙して不動産業者が進出、地価が暴騰しているという。制裁が解禁されれば、曲がりなりにもインフラが整備されている首都平壌の不動産開発が、中国不動産パワーにより急ピッチで進められるものと見られる。
中国は、米朝首脳会談発表後、習近平と金正恩は5年以上前の首領に就任来、初の中朝会談を北京で実現させ、2回目の会談も大連で実現させ、完全雪解けを実現させている。すでに、中国は北朝鮮に再び貿易の「抜け道」を用意する動きを見せている。
米「自由アジア放送(RFA)」は6月3日、金委員長の2度にわたる訪中後、中国から生活用品が北朝鮮に入り、北朝鮮のチャンマダン(市場)の物価が安定していると報じた。
北朝鮮・咸鏡北道の貿易局の幹部は、貿易部門の関係者会議で「それでも我々が信じるのは中国しかない」と公言し、「中朝首脳会談で習近平主席が我々を積極的に支援する」と述べたことを明らかにしたと報じた。
<中国国際航空、北京-平壌路線再開>
中国と北朝鮮の関係改善が進む中、中国国際航空(Air China)は、北京と平壌を結ぶ路線の運航を再開した。同航空は、中国政府が北朝鮮の核開発に対する国連制裁を支持する決定を下し、両国の関係に亀裂が入る中、昨年11月に、北京と平壌を結ぶ路線の運航を無期限に停止していた。同社ウェブサイトによると、北京発平壌行きの便は、週3回、月曜日・水曜日・金曜日の午後に運航する。運賃は、エコノミークラスで片道1770元(約3万円)。
<ロシア>
ロシアもこうした流れに乗る準備を進めている。
ロシアのプーチン大統領は先月31日、訪朝したラブロフ外相を通じ、金委員長に「経済協力」を強調する内容を盛り込んだ親書を手渡した。
プーチン大統領は4月27日の南北首脳会談の2日後に行われた韓国の文大統領との電話会談で、「南北首脳会談の成果が、韓国・北朝鮮・ロシアの3ヶ国の協力事業に結び付くことが必要だ。ロシアの鉄道、ガス、電力などが朝鮮半島を経てシベリアに連結すれば、朝鮮半島の安定と繁栄に寄与するだろう」と述べた。
(シリアのアサド大統領が北朝鮮を、12日の米朝会談前に訪問するという。ロシアがトランプをけん制するため仕掛けた疑いが濃厚)
<日本は・・・>
北朝鮮・周辺国の首脳の中では日本の安倍首相だけが6月2日、「核武装した北朝鮮を日本は決して受け入れられない。圧力を高め、抜け道を許さない」と「圧力維持」を強調した。
トランプ発言で「最大限の圧力」というフレーズは使えなくなったものの、「拉致被害者送還問題」を核廃絶同様に重視する日本政府は強硬な発言を続けている。
4日、北朝鮮は論評で、拉致問題を「既に解決された」、「白紙化された」とし、その前に「過去にわが国を占領し、わが民族に対し耐え難い不幸と苦痛を与えた前代未聞の罪をまず謝罪し、賠償すべきだ」と主張した。
米トランプが、金正恩の要求の「非核化措置にともなう補償として、段階別制裁緩和」を飲んだ場合、米国と100%とともにある安倍首相はどうするのだろうか。
日本が制裁を続けても米中韓が制裁緩和すれば北朝鮮にとって、日本の経済制裁など一向に介しないものとなる。それでも拉致問題が解決するまで制裁を続ける必要があるが、北朝鮮は拉致問題を賠償金の切り札にすることも十分考えられる。
日本政府は、すでに賠償金は北朝鮮分も韓国に支払い済みの問題。韓国はこの件に関しては無言を決め込んでおり、駆け引きもチラツク。
日本政府は、いつまでもいつものように条約の裏表を隠蔽せず、日韓基本条約関係のすべての裏取引を公開すべきだ。
いくらインキンタムシのような隠蔽好きの日本政府であっても、北朝鮮分は韓国に支払った、既に解決された問題だ、韓国から受け取ってくれと、米国にこそこそ相談する必要もまったくなく、堂々と北朝鮮に対して表明・言明すべきだろう。
逆に言えば、賠償金が欲しくてたまらない北朝鮮、日本に譲歩するのはその一点に絞られる。ただ、核廃絶・南北和解が実現したとしても、竹島や慰安婦問題に関して、両国の拡声器が同時に日本に向けられ、批判してくることになる。
銭などいくら巨額でも喉元過ぎれば、もらったかもらわなかったかさえすぐ忘れ果てる。それは日韓基本条約を締結し、当事の日本のお金では巨額な賠償金を支払ったものの、あの手この手で反日材料を新たに創り出し続け、日本に対する批判を繰り返す今の韓国がそれを立証している。
<米国は>
6月3日、米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は「対北朝鮮制裁は、非常に厳格かつ強力に稼働している。時間がたてば(制裁が)緩和されるかもしれないが、現段階ではそうではない」と述べた。
また、マティス米国防長官も「北朝鮮が検証可能で不可逆的な非核化を実施したときだけ、制裁が緩和される可能性がある」と述べた。
それにもかかわらず、トランプ大統領の発言が北朝鮮との事業再開を願う国・企業にとって、「青信号」となるという懸念は依然として存在する。一度、骨抜きになった経済制裁を復活させるのは極めて困難となる。
米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ朝鮮部長は、「仮に非核化交渉がうまくいかなければ、米国は再び制裁に転じるだろうが、そのとき、韓国と中国は米国に倣おうとはしないだろう」と指摘している。
<北朝鮮・米トランプへカジノ誘致を打診>
金正恩の委任を受け訪米した北朝鮮の金英哲北朝鮮統一戦線部長(且、朝鮮労働党副委員長)は6月1日、トランプ米大統領とホワイトハウスで面談した際、元山、馬息嶺付近に、カジノなど観光商品を開発できるよう投資を要請したという。さらに、非核化措置にともなう補償として「段階別」制裁緩和の可能性も打診したと報道されている。
日本海側に面し飛行場もある「元山葛麻(カルマ)海岸観光地区」の開発と「馬息嶺スキー場の増設」計画などカジノ施設を含む観光施設開発を具体的に取り上げたという。米カジノ業界も大喜びのことだろう。
以上。
朝鮮戦争における狭義における国連軍は米・英・韓の3ヶ国、広義は以下のとおり。そのほか、魚雷掃海支援国は日本など5ヶ国、医療支援国はデンマークなど6ヶ国。
自国民さえ大量虐殺した極悪人で、朝鮮戦争では漢城の大量の市民を置き去りに、一早く、南部の水原に逃げ込んだ李承晩は1951年4月、「万一、今後、日本がわれわれを助けるという理由で、韓国に出兵するとしたら、われわれは共産軍と戦っている銃身を回して日本軍と戦う」と述べている。こうした李承晩による韓国民への徹底した反日教育は、今に受け継がれている。宗教と教育ほど怖いものはない。
朝鮮戦争 国連軍(22ヶ国)
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国連軍参加国
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投入兵力
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韓国軍
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98,000
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韓国国民防衛軍
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406,000
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アメリカ合衆国
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30万~48万
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イギリス
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15,700
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フランス
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7,400
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オランダ
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7,200
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ベルギー
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5,600
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カナダ
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5,400
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トルコ
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4,600
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エチオピア
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1,200
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タイ
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1,100
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フィリピン
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1,100
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コロンビア
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1,100
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ギリシャ
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1,000
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オーストラリア
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900
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ニュージーランド
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800
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南アフリカ
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800
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ルクセンブルク
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400
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備考
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日本は朝鮮戦争時、米軍の要請を受け、掃海活動や軍需物資の韓国への海上輸送・荷役作業に約8000人を投入、うち50数名死亡。軍事の掃海活動では1名が掃海艇が機雷に接触して沈没し戦死。
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朝鮮戦争犠牲者数
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1950年6月25日~1953年7月27日
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実質的休戦は1952年1月18日
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南朝鮮側
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韓国軍
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281,161
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初期に壊滅状態
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アメリカ軍
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40,677
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イギリス軍
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1,257
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国連軍
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1,831
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民間人
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676,811
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韓国軍による犠牲者も多数
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計
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1,001,737
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北朝鮮側
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北朝鮮軍
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294,000
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朝鮮系ロシア軍編入
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中国軍
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135,600
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義勇兵も参戦
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民間人
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1,086,000
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米軍の絨毯爆撃死者が主
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計
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1,515,600
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総計
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2,517,337
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