アイコン 中国勢の追い上げにサムスン電子危機感増幅

 

 

2019年から中国半導体大手3社の巨大工場が本格生産に入る。
サムスン電子は、主要な半導体、スマホ、TV・家電部門のうち、すでにスマホとTV家電部門では中国勢の台頭にその市場シェアを落とし続け、両部門は業績悪化が懸念されている。

<優位性続く半導体>
半導体部門は、圧倒的なシェアを持つDRAMとNANDにおいて、昨年の年初から急激に品不足が生じ急騰、同社の業績を空前のものにした。

これまでの利益により、巨額の開発予算により、半導体業界の一歩も2歩も先の製品を開発し続け、半導体の優位性はしばらくは変わらないとされている。
現在64層NAND型フラッシュメモリーを生産しているが、今年下半期にも96層NAND型を量産する計画。
SKハイニックス、米マイクロン、東芝などのライバルよりも約1年早い格差を維持する動き。
半導体価格が高騰したことにより、最多需要国である中国から、SK・マイクロンとともに価格談合カルテルの嫌疑をかけられ、調査を受けている。中国のスマホ業界は中国シェア・国際シェアを大きく伸ばしているが、半導体価格の高騰で業績を悪化させており、こうした調査に乗り出したものと見られる。

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中国では、政府の「中国製造2025」計画に基づき、半導体メーカーが巨大工場を作り、2019年にも本格生産に入ろうとしているが、これまで、最新分野の生産技術がなく、19年に本格生産に入れるか危ぶまれている。(そのためにも中国政府は進出の半導体や有機ELメーカーに対して、知的財産・生産技術やパテントの開放を強制する動きをとり、米トランプやEUと衝突している)
しかし、いずれ、怒涛のように中国勢が最新半導体分野に入ってくることから、危機感はそうとうなものになっている。

<CMOSイメージセンサー生産急拡大>
サムスン電子はCMOSイメージセンサーを大きなターゲットの一つにしている。
イメージセンサーはソニーが世界市場で圧倒的なシェアを有するが、サムスン電子は、韓国勢がこれまで日本メーカーが儲かっている分野を真似て成長してきた血統を地で成長してきており、イメージセンサー分野に進出、数年で大規模生産に入る計画を有している。
イメージセンサー市場は産業用、自動車用に急拡大しており、ソニーの優位性は変わらないものの、サムスン電子は蓄積した巨額内部留保資金を背景に、巨額投資を行い、生産を2倍に高めソニーを追い越す計画。

<ファンドリー部門を拡大へ>
サムスン電子は、新分野としてファウンドリー(半導体受託生産)の拡大を目指している。
市場の50%以上を持つ業界1位の台湾積体電路製造(TSMC)を追い抜くため、今年下半期から先端設備の極端紫外線(EUV)リソグラフィー設備を導入し、世界で初めて7ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)クラスの半導体の試験生産に入る。
既に7ナノメートルプロセスで世界最大の通信用半導体メーカー、クアルコムを顧客として確保しているが、さらに確保に総力を挙げる計画。
仮想通貨マイニング用の半導体、自動走行車用半導体など製品群を拡大し、多角的に市場を攻略していく方針。
現在4位のファウンドリー市場でのシェアを2位まで引き上げる計画。

<スマホでは苦戦打破戦略も限られている>
 スマホ部門は8月、「ギャラクシーノート9」をアップルの販売に先行して販売し、不振が予想される「ギャラクシー9」の不安を取り除く予定。
また、インドや中南米市場では、普及型スマホで中国勢の勢いに負け始めており、中低価格帯で高スペック機を投入し挽回を図る。ただ、安価な中国勢とは価格差があり、高スペック機も中国勢の華為(ファーウェイ)、VIVO、小米などは有しており、利益より市場シェア拡大を狙う中国勢を相手に難しい面もある。
なお、アップルに先行して8月販売した一昨年(2016年)には、バッテリー発火問題を引き起こし、「ギャラクシーノート7」が販売中止に苦い経験がある。

<AIスピーカー「ビックスビー2.0」に注力>
AIスピーカー「ビックスビー2.0」は「ギャラクシーノート9」と同時に発表される可能性が高い。しかし、販売戦略に長けたアマゾンやグーグルなどが先行しており、AIスピーカーの最大市場である米国で、打ち破るには難しいと見られる。
ただ、サムスン電子は、AI研究に世界中から人材を集め、「ビックスビー2.0」の開発を進めてきており、目新しい機能や価格を提示すれば受け入れられる可能性もある。
サムスン電子は、国内外の提携企業数百社と共同でビックスビー2.0専用のコンテンツとサービスの準備を進めている。スマホ、テレビ、生活家電、自動車などあらゆる分野に適用可能な本物のAI秘書を発表するとしている。

<有機EL・OLEDテレビでは>
 テレビ部門は、以前は世界市場でLGとともに圧倒的なシェアを有していたが、今では普及型はすでに中国勢に市場を奪われ、大画面の有機EL-TV分野だけになっている。しかし、この分野も大画面の有機ELで先行するLGに負けており、またLGから有機ELディスプレイを導入したTVを開発しているソニーなどに負け、さらにパナソニック、中国のハイセンス、TCLなども台頭してきており、サムスン電子が主力としたQLED(量子ドット発光ダイオード)TVでは対応できないものになりつつある。

かつて、世界市場を凌駕していた日本家電、安価な韓国勢に追い立てられ、プレミアム市場に生き残りをかけたものの、その分野でも安価に参入した韓国勢に駆逐された。しかし、今や韓国勢は中国勢に追い立てられ、プレミアム市場でも苦戦している。歴史は繰り返される。
以上、韓国紙各紙参考

サムスン電子は、家電部門の失墜に半導体を機軸に成長してきたが、この分野も中国勢に足元を脅かされている。同社は販売会社と製造会社の両面を有するものの、製品販売部門は安価な中国勢に負け、あらゆる部門で業績悪化を招いている。販売戦略におけるブランド戦略が奏功していない結果とも見られる。
一方、市場ニーズで決まる製造部門では、景気や需給に左右されるリスクもあるが、同社は半導体の製造企業として活路を見出すようだ。

ただ、同社の膨大な利益と内部蓄積で持っても、中国勢は自国製品は自国産材料でという国家戦略によりIT分野の製造部門の強化を図っており、これまでのサムスン電子の技術の進化だけでは先行き暗い。
サムスン電子には、豊富な資金を利用し、シリコンバレーがうなされるほどの新たなる技術開発や新製品開発が望まれる。
ただ、会社規模が大きくなり過ぎ、業績に大きく寄与できる新たな分野は限られ、販売戦略とともに販売力の強化も求められよう。

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[ 2018年6月20日 ]

 

 

 

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